ストーリー相撲

天空海 “まだまだ30歳” 貪欲さは失わない

2020-11-24 午後 07:00

初土俵から10年。11月場所で、ようやくつかんだ幕内の土俵に上がった。

 

天空海「諦めてやめようと思った時期もあったが続けてよかった」

 

新入幕会見でこう語った天空海。14日目に琴恵光をはたき込んで勝ち越しを決めた。これまで故障に悩まされ、11月に30歳を迎えた遅咲きの力士が千秋楽を待たずして結果を残した。

 

 

突き押しの天空海は地元、茨城県の高校を卒業後、平成22年の九州場所で初土俵を踏み、おととしの初場所で十両に昇進。ところがその後、腰のヘルニアが悪化。

 

天空海「座ると足がしびれる。感覚も変な感じがして力が入らない」

 

思うような相撲を取れず、十両と幕下を行き来する時期が、およそ2年続いた。一時は、引退も考えたというが、注射による治療を試すなどして症状は改善。再び十両で白星を重ね、西前頭16枚目として11月場所で念願の新入幕を果たした。

 

 

初土俵から10年がたっていた。大舞台に意気込んで臨んだが幕内の土俵は甘くはなかった。

 

天空海「前に出ようと思っていたが、気持ちだけが前に行った」

 

気持ちだけが空回りし、持ち味を発揮できずに土俵に転がされ、序盤戦を終えて1勝4敗となった。

 

さらに6日目、茨城県つくばみらい市にある立浪部屋から車で国技館に向かう途中に大きなアクシデントが。何とダンプカーに追突されたのだ。事故の衝撃で首や腰を痛めたというが、幸いに大ケガではなかった。

 

天空海「運に守られている。そこから集中できるようになった」

 

集中力が増して気負いがなくなったという中盤戦以降は、4連勝を含む8勝を挙げて一気に勝ち越しを決め、11月場所を9勝6敗で終えた。

 

 

初めての幕内で結果を残した天空海。27歳のころの忘れられない出来事がある。巡業先のエレベーターで、出稽古などで指導を受けた当時の横綱 日馬富士に偶然会った際、話しかけられたという。

 

日馬富士「お前、何歳になったんだ?」

 

天空海「もう27歳になりました」

 

日馬富士「”まだ”27だ」

 

日馬富士は学年にして6つ上。30代で第一線で活躍していた横綱のことばにハッとさせられた。「年齢は関係ない」と・・・。

 

 

初土俵から10年、さまざまな苦難にも諦めることのなかった天空海。番付が上がるであろう次の初場所で早くもふた桁白星と三賞受賞を目標に掲げた。

 

“まだまだ30歳”、ベテランの域にさしかかっても決して貪欲さは失わない。

この記事を書いた人

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坂梨 宏和 記者

平成21年NHK入局 福岡県出身

長崎局、広島局などを経てスポーツニュース部で大相撲を担当。早くコロナが収束し、通常の取材環境になることを願っています。

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