特集 “羽生結弦選手や宇野昌磨選手と肩を並べる存在になる!” 鍵山優真選手・17歳

11月27日に開幕するNHK杯フィギュア。去年、圧倒的な成績で男子シングルを制した羽生結弦選手が不在の中、ことしの注目は、ジュニア時代に数々の国際大会で実績を残し、今シーズン本格的にシニアデビューした17歳の鍵山優真選手と16歳の佐藤駿選手の2人です。
そのうちの1人、鍵山選手を紹介します。
安定感のある4回転ジャンプが持ち味 目指すは羽生選手や宇野選手
鍵山選手は、ことし1月のユースオリンピックで優勝し、2月の四大陸選手権ではシニアの選手たちとも競い合って3位に入りました。しかし、満足する様子は見られません。
「僕が狙っているのは、さらにその上。羽生選手や宇野選手とかと肩を並べて戦えるぐらい強くならないといけない」
鍵山選手の持ち味は安定感のある4回転ジャンプで、今季初戦となった10月の関東選手権では、トーループとサルコウの2種類をプログラムに組み込み、高得点で優勝しました。
磨きをかける“表現力”に注目
2020 フィギュア 世界ジュニア選手権
鍵山選手がいま重点的に磨きをかけているのが表現力です。今シーズンは、浅田真央さんなどを担当した世界的な振り付け師のローリー・ニコルさんに振り付けを依頼。ショートプログラムの「Vocussion」はシルクロードをイメージし、道中でのさまざまな出会いや盗賊と戦うシーンを演じるなど、表現力を存分に生かした魅力あるプログラムになっています。
一方、フリーの演技には課題があります。映画「アバター」の曲を使ったプログラムで、10月上旬からニコルさんがリモートで振り付けを行い、急ピッチで演技を仕上げています。鍵山選手はいままで、曲の主人公になりきって「演じる」ということをしてきましたが、ニコルさんが目指すのは「その世界の空気をまとう」こと。
「アバター」では、「美しい情景や不思議な生物に驚愕し、それらを愛する心」を伝えるべく、振り付けの指導が行われています。ニコルさんの指示は指先の位置から眉間のしわの寄せ方までに至り、鍵山選手は表現力を徹底的に磨いています。
「表現するということがすごく大事だということを感じている。簡単なことではないが大切にしていかないといけない」
と話す鍵山選手がNHK杯までにどこまで完成度を高められるかがポイントです。
鍵山選手の目標は2022年の北京オリンピック出場。
世界を見据えて、まずはNHK杯でアピールを狙います。