ストーリー相撲

貴景勝 大関の存在意義をかけて

2020-11-18 午後 03:45

「勝たないといけない世界」

 

初黒星を喫した翌日、白星でトップを守った大関 貴景勝は口にした。二横綱、二大関が休場し、優勝争いを引っ張らなければならない看板力士としての強い責任感が、かいま見えたことばだった。

 

 

貴景勝は9日目、翔猿に不覚を取り、連勝が「8」でストップ。

 

「9日目は、どれだけ考えても帰ってこない」

 

気持ちを入れ直して臨んだ10日目の土俵。相手の妙義龍とは、過去10戦全勝だ。この1年の多くは得意の突き押しで一気に勝負をつけている。得意の相手に盤石の内容で圧倒し、終盤戦に向けて再び勢いづきたいところだ。

 

 

しかし、万全の内容とはいかない取組となった。正面から突いて、土俵際に追い込んだが妙義龍に動かれ、すぐに攻めきれない。時間のかかる相撲は、敗れた前日の翔猿と同じ展開、嫌な流れになりつつあった。それでも貴景勝は落ち着いていた。研ぎ澄ませた集中力で相手の動きを見極め最後は、はたき込みで白星を挙げた。

 

 

11月場所は10日目を終えて1敗で貴景勝と「幕尻」の志摩ノ海が並ぶ。横綱の休場で今場所最上位となる東の大関 貴景勝と最下位の2人がトップという展開だ。初場所はこの「幕尻」の徳勝龍が涙の初優勝。7月場所も「幕尻」の照ノ富士がケガからの復活優勝を果たした。

 

11月場所は終盤戦に突入。1年のうち3場所も「幕尻」に優勝をされては横綱、大関陣の存在意義にもかかわってくる。貴景勝が口癖のように繰り返す“集中”を高め、ただ目の前の取組だけに向き合うことができれば結果はついてくるだろう。

 

徹底した番付社会の大相撲で今場所最上位の責任を果たし、最高の結果を残せるのか。終盤戦の貴景勝の戦いぶりから目が離せない。

この記事を書いた人

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坂梨 宏和 記者

平成21年NHK入局 福岡県出身

長崎局、広島局などを経てスポーツニュース部で大相撲を担当。早くコロナが収束し、通常の取材環境になることを願っています。

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