ストーリー相撲

新大関 正代に見えた重圧と責任感

2020-11-09 午後 03:50

正代「大関は負けられない地位」

 

こう話していた正代にとって11月場所初日の重圧は、これまで経験したことのないものだっただろう。それでも、なりふりかまわず白星をつかみ取った土俵に、新大関としての責任感がかいま見えた。

 

 

秋場所の2倍、およそ5000人に観客を増やし「たまり席」も一部の使用が再開された11月場所。正代が登場した瞬間、客席の拍手は、ひときわ大きくなった。

 

しかし、新大関の表情は硬かった。相撲に真摯に向き合うあまり、時には、後ろ向きな発言をしてしまうほど真面目な性格。大関という地位の重圧の中、平常心を保てなくとも無理はない。相手は新鋭の前頭筆頭の若隆景。

 

11月場所初日 正代-若隆景

正代「思うように体が動かなかった。足も出なかった」

 

持ち前の圧力は見られず、もろ差しを許して、一気に土俵際まで攻め込まれてしまう。しかし、ここで終わらないのが正代だ。俵に足がかかり、押し倒されながらも独特の柔らかさで体を残し、右で相手を突き落として逆転した。

 

もの言いはついたものの、軍配通り、際どい白星を拾った正代。勝負が決した時、初めて表情を緩め、苦笑いのようにもほっとしたようにも見える顔が印象的だった。もちろん、ほめられた内容ではない。鋭い踏み込みと圧倒的な圧力で前に出ていくのが正代本来の相撲だ。

 

しかし、土俵際で形にこだわらず白星をつかみ取る、そんな粘り強さも正代の真骨頂の1つ。その執念は、大関という地位を務めていくために不可欠なものだろう。

 

正代 「あの相撲でも、とりあえず勝つことができたんで、体が動くようになったら、もっと内容的にもよくなるんじゃないかなと」

 

 

朝乃山と貴景勝の2人は万全の相撲で相手を退け、先輩大関としての貫禄を見せた。次は正代が内容の充実した相撲で実力を示していく番だ。横綱不在の11月場所、主役になるためには重圧を乗り越えていく強さが求められている。

この記事を書いた人

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清水 瑶平 記者

平成20年 NHK入局。熊本局、社会部などを経て、平成28年からスポーツニュース部で格闘技を担当。学生時代はボクシングに打ち込む。

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