特集 「角界一リップクリームを使うと思います」 翔猿 大相撲からお肌の手入れまでを語る

秋場所は翔猿というユニークな四股名の新入幕力士が11勝を挙げる大活躍をし、千秋楽まで優勝争いに加わって敢闘賞を獲得しました。175センチ131キロと幕内力士としては小柄ながら、切れのいい動きで相手をほんろう。11月場所は番付を一気に西前頭4枚目まで上げて上位に挑戦します。インタビューでは相撲にとどまらず、兄で十両の英乃海との話やお肌のお手入れまで、様々な話を披露してくれました。
取組を考えて寝付けない夜は猿を数えて眠ります
――秋場所は優勝争いに最後まで絡んで、すばらしい活躍でしたね。
調子がよくて、いい成績が残せたのでよかったです。優勝という意識はなくて、一番一番勝っていく中で、星を見たら優勝争いに加わっているんだなと思ったという感じです。
――緊張はいかがでした。何時ごろに寝ていましたか。
11時ごろには布団に入りました。寝付けないこともありましたが。
――寝付けないのはどういうときですか。
翌日のことを考えて、考えちゃうと寝られなくなるんです。
――寝付けないときはどうするのですか。
「羊が1匹」って数えるのがありますね。それを猿に変えて(笑)、ひたすら頭で数えます。「猿が1匹、猿が2匹」と。私は猿しかイメージしないんですよ。
――何匹数えましたか。
分からないですが、他のことを考えそうになっても猿しか見ない。そうして数えていると10分か15分で寝ます。それがよかったのかもしれないです。
兄の英乃海と一緒に幕内で相撲を取りたい
翔猿の兄 英乃海
――お兄さんは十両の英乃海関です。どういうお兄さんですか。
うーん、どう言えばいいですか。分からないこととか教えてくれる頼りになる兄貴かなと思います。
――子どものころはどうでした。
ただのいじめっ子です(笑)。
――英乃海関に聞くと、翔猿関のことを「子どものころは落ち着きがなく、座っていられない。跳びはねたり走り回ったりして、まるで猿だった」とおっしゃってました。
いいこと言いますね(笑)。
――「弟が生まれたときの思い出はあまりないけれど、いつの間にか猿がいた」とおっしゃっていました。
「拾われた」と、昔言われた記憶がありますね(笑)。中学生のとき、兄の寮に遊びに行ったのですが、私が長い髪をしていて、「ちょっと髪切ってやるよ」と言われたのです。「バリカンで横だけならいいよ」と言ったんだけど、真ん中から刈られて坊主にされました(笑)。いじめっ子です(笑)。
――秋場所中は、話はしましたか。
5日目にケガしそうになったときに、大丈夫かと電話が来ました。
――優しいお兄さんですね。
はい。2人で一緒に幕内で取れたらいいですね。
化粧水にリップクリーム 角界一の?お肌の美意識
――好きな食べ物は何ですか。
私のテンションが上がる料理は、ピーマンの肉詰め。あとはグラタンとかミートソースとかです。基本的に洋食系が好きなのです。
――ファンから差し入れをもらってテンションが上がるものは何ですか。
プリンですね。差し入れはプリンでお願いします(笑)。プリンとかシュークリームとか洋菓子系です。
――番組などで話されていましたが、エステティックに関心が強いとか。
化粧水は塗っていますね。実は、知り合いに肌がきれいですねと言われることが多くて、そういうときにお勧めを聞くんですよ。お勧めの多かった化粧水を使っています。
――美意識が強いのですか(笑)。
美意識というか何となくです。やり過ぎないで、肌がかさついてきたら塗るというくらいの感じがいいですね。リップクリームは、5年以上同じリップクリームを使っています。苦笑いしてますね(笑)。
――結構使うのですか。
私は、たぶん角界一リップを使うと思います(笑)。乾いてきたら塗ります。乾燥肌なんで欠かせないですね。
翔猿が愛用している巾着
――気に入ったらとことんですか。
そうですね。(小物を入れる)巾着は、入門したときに大栄翔関にもらったんですけれど、それをまだ使っています。6年になりますね。気に入ったものは長く使います。
アイドルの音楽にも関心 11月場所も頑張ります
――好きな音楽はいかがですか。
NiziUを見たいんですけれども、なかなか見られないのですよ。(インタビューは10月9日)
――女子高校生の間では、韓国アイドルがはやっているそうですね。BTSとか。
BTSは僕も好きですよ。
――おもしろいお話をありがとうございました。関取の好感度がさらに上がったと思います。最後に11月場所の目標を聞かせてください。
番付は結構上に上がると思うので、(番付発表で西前頭4枚目)力負けせずに勝ち越しを目指して頑張ります。先場所のように勝てるように頑張ります。
この記事を書いた人

古橋 明尊
元NHK記者。大阪放送局スポーツ専任部長、報道局スポーツニュース部長等を務める。現在は相撲専門雑誌「NHK G-Media大相撲中継」の編集担当。曙、若貴の横綱時代に大相撲取材。