ストーリー野球

オリックス 吉田正尚選手 新たな打撃スタイルで初タイトルへ

2020-09-29 午後 04:03

プロ野球は新型コロナウイルスの影響で開幕延期、観客数の制限など異例づくしで始まったシーズンを折り返しました。

12球団の担当記者がチームを引っ張る役割を担う選手の思いに迫るシリーズ。

 

11回目はオリックスの吉田正尚選手です。

 

今シーズン磨いてきた新たなバッティングスタイルで、初めてのタイトル獲得を狙います。

理想は“速いライナー”

今シーズン、吉田選手が取り組んできたのが「速い打球をライナーで打つ」という新しいバッティングスタイルです。

 

昨シーズンまでは長打を狙って高々とボールを打ち上げてきた吉田選手ですが、打率、打点、ホームラン、出塁率、ヒット数の「打撃5冠」を目指すために、このスタイルを取り入れました。

 

吉田選手

低く強い打球を広角に打てば打率もあがるし、それがホームランになれば得点にもなる。まだまだ成長できるし、自分の可能性を広げたいと思った。

オリンピック出場へ危機感

吉田選手が新たなスタイルを模索し始めた理由は、東京オリンピック出場への危機感にありました。

 

吉田選手が野球人生で信条とする言葉が「頂」です。常にトップを目指してきた吉田選手にとって「オリンピックは選ばれしものが出場する」という舞台です。

 

しかし去年11月、東京オリンピックの前哨戦として行われた国際大会「プレミア12」で、日本代表に選ばれた吉田選手は5試合で打率2割と低迷し、決勝には出場することができませんでした。

 

「オリンピック本番で出場するためには、シーズンで安定した成績を残さないとならない」。

 

こう考えた吉田選手は今シーズン、新たなスタイルに変更したのです。

 

吉田選手

オリンピックはみんなから『任せた』と言われる選手が行くところなので、選んでもらえる成績を残してアピールしたい。

瞬発力を鍛える

低く、強い打球を打つためにことしの春のキャンプ前、指導を仰いだのが陸上男子ハンマー投げの金メダリスト室伏広治さんです。

 

 

室伏さんには4年前から筋力トレーニングの指導を受けていますが、ことしは室伏さんからのアドバイスで瞬発力を上げるトレーニングに取り組みました。全身のバネを使いながらバーベルを上げる動作などを繰り返し、強い打球を生む力をつけてきました。

 

吉田選手

やっぱり野球は瞬発力のスポーツだと思うので、一瞬一瞬でパワーを出しきる体作りをしたいなと思いました。

コロナ禍でも筋力UPを

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で目標としていた東京オリンピックは延期になりました。

 

外出自粛が求められ、満足のいく練習ができない中、吉田選手は筋力トレーニングの負荷や回数を増やすなど地道な練習を続け、打球スピードの向上に励んできました。

 

 

迎えた今シーズン、吉田選手が「ミスショットせずに強い打球が打てている」と話すとおり、速い打球で野手の間を抜くヒットが増えました。

 

8月から9月にかけては、自己最多を更新する24試合連続ヒットをマークするなど新たなスタイルでヒットを量産しています。

 

9/6 楽天戦 右中間に2ランを打つ吉田選手 24試合連続安打

 

9月27日現在、打率はリーグトップの3割5分3厘。出塁率とヒット数はリーグ2位につけています。プロ5年目で初のタイトル獲得なるか。吉田選手のバッティングから目が離せません。

吉田選手

1日1日、ベストを尽くしてあきらめずに1番を目指して必死にプレーしていきたい。

この記事を書いた人

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足立 隆門 記者

平成25年NHK入局。大阪府出身。
甲府局、山形局を経て、大阪局スポーツ。オリックス担当を経て阪神を担当。趣味は剣道(二刀流)。

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