ストーリー陸上

陸上日本選手権 最速王は誰だ!?

2020-09-28 午後 0:07

陸上の日本一を決める日本選手権が10月1日に新潟で開幕する。

新型コロナウイルスの影響で6月の開催が見送られ、その後の国際大会は軒並み中止。選手たちにとってモチベーションを維持するのが困難だった今シーズン、この大会にかける意気込みは半端ではない。

 

最大の注目は日本最速を決める男子100メートルだ。

 

日本記録保持者、サニブラウン アブデル ハキームは欠場するが、桐生祥秀、小池祐貴、山縣亮太、ケンブリッジ飛鳥、多田修平とハイレベルな選手たちがそろうレース。

 

9秒台での決着はあるのか、その行方を占う。

絶好調の桐生とケンブリッジ

今シーズン各選手の自己ベスト

ケンブリッジ飛鳥 10秒03

桐生祥秀     10秒04

多田修平     10秒18

小池祐貴     10秒19

山縣亮太     10秒42

 

今シーズンの自己ベストを並べると、ケンブリッジ飛鳥と桐生祥秀の2人が抜きんでている。9秒台に迫るタイムをたたき出している2人が優勝争いの軸になるのは間違いない。

 

まずは桐生祥秀。

 

桐生選手

 

今シーズンは、初戦でいきなり10秒04をマークすると、ここまで出場した3大会すべてで10秒0台をマークする抜群の安定感だ。自粛期間に続けてきた地道なトレーニングが効いて、今シーズンは中盤から後半にかけて伸びのある走りが生まれている。

 

本人はこの部分に手応えを感じながら、さらに上を目指すためにはレース前半の出来がポイントになると見ている。

桐生祥秀選手

去年まではスタートで(体力を)使いすぎていたが、いまの調子なら前半に力を使っても最後まで持つと思う。スタートから25メートルまでにパワーを使う走りに挑戦したい。

 

前半からパワー全開の走りをして好調の中盤以降につなげることが出来れば、日本記録9秒97の更新も視野に入ってくる。

対するケンブリッジ飛鳥は27歳で迎えた今シーズン、3年ぶりに自己ベストを0秒05も更新し一気に9秒台の現実味が増してきた。

 

ケンブリッジ選手

 

もともと後半型のケンブリッジにとって足りなかったのは前半の加速。スムーズにスピードに乗れるよう左右のバランスや上半身と下半身の連動性を意識してトレーニングに取り組み前半から勝負できる走りを身につけてきた。24歳の自分を超えた今シーズンの走りに思わず笑みがこぼれたケンブリッジ。

ケンブリッジ選手

もやもやして悔しい期間も長かったがそれがあっての今と思っている。9秒台を目指せると自信を持って言える状態に近づいてきた。

 

今シーズン、桐生との決勝での直接対決は1勝1敗。2人が競い合った走りの先に9秒台が生まれても何も不思議はない。

小池 山縣 実力者たちが追う

この2人に割って入る実力があるのが9秒98のタイムを持つ小池祐貴と10秒00の山縣亮太だ。ふたりは今シーズン、本来の走りに遠く及ばないレースが続いている。小池のシーズンベストは10秒19。

 

「大会の時期やリズムが違うだけでこうも違うのか」とコロナの影響で走りのバランスを崩したことを隠さない。それでも「間に合うめどがたった」と直前の全日本実業団をパスして日本選手権にピークを合わせる。

 

小池選手

小池選手

今年は不測のスケジュールの中での日本選手権になるが大切な試合にピークを持っていくことには変わりない。今シーズン1番良い走りができれば結果はついてくる。その日の自分のベストを出せるように集中していきたい。

 

10秒00の自己ベストを持つ山縣亮太も日本選手権で巻き返しを誓う。去年、山縣を突然襲った肺の病気”気胸”。

5月のレースを最後に大会から遠ざかった。

復帰のシーズン、初戦となったことし8月のレースではまさかの予選落ち。10秒42というタイムは信じられない結果だった。走りを立て直すため急きょ合宿を組んで体を作り直してきた山縣。これまでケガや病気など幾度となく困難を乗り越えてきたベテランが目指すのはあくまで頂点だ。

 

山縣選手

山縣亮太選手

自分が勝つなら先行逃げきりのレースだと思っている。その年の1番速い男を決めるレースというのは、それだけで燃えるものがある。優勝を狙っていきたい。

 

このほか10秒07の自己ベストを持つ多田修平は、8月の大会で10秒18をマークして調子は上向き。3年前にマークした自己ベストを更新して上位進出をねらう。

 

日本選手権の男子100メートルは10月1日に予選と準決勝、2日に決勝が行われる。来年の東京オリンピックに向けて注目の選手たちがどのような走りをみせるのか、最速王の座をかけたレースからは目が離せない。

この記事を書いた人

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小林 達記 記者

平成26年NHK入局。神戸局、大阪局を経て、スポーツニュース部。陸上担当。大学では野球部に所属。中学時代は陸上も経験。

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