特集 猿のように 新入幕 翔猿の思い

「猿」が大好きなこの力士。その名も「翔猿」(とびざる)です。
平成4年、さる年生まれの28歳。体重131キロ、スピードを生かした速い攻めが持ち味です。
野生の猿のような素早い相撲で土俵を盛り上げたいと師匠に願い出て、しこ名に「猿」の字を入れました。
翔猿
やっぱり猿って速いイメージがあるんで速い相撲で相手を翻弄できるような。そうすれば皆さんも楽しいと思うんでそういう相撲を取っていきたいです。
所属する追手風部屋には、角界最多の7人の関取がいます。互いに切磋琢磨して実力を磨いてきました。
新型コロナウイルスの影響で、出稽古には行けない中でも稽古相手に事欠きません。幕内でも大きな力士に勝って、盛り上げ役になりたいと考えています。
翔猿
僕はちっちゃいんで、勝てば会場を沸かせられると思うんで、思いっきり全力で相撲を取るだけですね。小兵だからって言い訳はできない。
「お客さんを楽しませたい」という思いから、こんな取り組みも続けています。
英会話の勉強です。
外国人の観客に話しかけられたとき、対応できるようにするためです。
もう1つ、見ている人たちへ思いを込めたものがあります。
鮮やかなブルーの新しい「締め込み」です。
この色、医療従事者への感謝を表す色とされています。
新型コロナで苦しむ人たちに対し、自分に何ができるかを考え、選んだと言います。
翔猿
今、こういう時期ですし皆さんが大変なんで、自分の相撲を見てもらって皆さんに元気をつけられたらいいなと。新入幕、ふた桁(白星)、三賞を狙って皆さんが楽しい相撲を取れるように頑張っていきたい。
入門から5年半でつかんだ幕内。28歳の苦労人が、“猿”のように躍動できるか、注目です。
大相撲秋場所3日目 翔猿ー琴勝峰 翔猿が引っ掛けで琴勝峰を破る
翔猿の同学年には、優勝2回の関脇 御嶽海と三役経験者の北勝富士という2人の実力者がいます。2人の活躍が励みになったと同時に悔しさもあったということで、「しっかり定着して2人とやれたらいいと思う」と話していました。
みずから『超晩成型』だと言う翔猿がどこまで星を伸ばせるか、期待したいです。
この記事を書いた人

清水 瑶平 記者
平成20年 NHK入局。熊本局、社会部などを経て、平成28年からスポーツニュース部で格闘技を担当。学生時代はボクシングに打ち込む。