ストーリーパラスポーツ

「やる気スイッチ」で日本記録を次々更新 パラ陸上・外山愛美

2019-03-18 午後 03:18

 

陸上の知的障害のクラス「T20」で、活躍中の外山愛美選手。本格的に陸上を始めて数年にもかかわらず、日本記録を次々と塗り替える期待のルーキーです。フォームの美しさに定評があり、2018年10月に開かれたアジアパラ競技大会の陸上400mでは、銀メダルを獲得しました。

 

そんな外山選手の必勝法は「やる気スイッチ」

一つは「ニコニコマーク」。これは外山選手のために、奥松美恵子コーチが考案した方法です。

 

 

外山選手は、気持ちが上下しやすく、自分でコントロールするのが難しいという課題を抱えています。外山選手自身も「いつも一人で練習していて寂しいし、どこまで自分の力を出していいかわからないから練習が嫌い。」と言います。練習をサボるために、長いときには2時間もトイレに閉じこもってしまうこともあるそうです。

また、言葉で伝えるだけでは、うまくコミュニケーションが取れないこともある外山選手。そのため、奥松コーチは、指導する際は、目で見て理解できるように工夫をしています。

 

 

例えば、体の部位を言う時も「腕」ではなく「肘」と具体的に示し、どこをどう動かせばいいのか、実際に動きを見せて説明。動きだけでなく、その日の調子が良かったのか悪かったのかも、一目でわかるようにしています。

 

 

そのなかで考案されたのが「ニコニコマーク」です。練習内容や記録を細かく書き込んだノートに、うまくできたときは「ニコニコマーク」のシールを貼り、もう少し!というときは、三角マークで表すようにしたのだとか。

 

 

ほかにも、奥松コーチは、400mトラックのコーナーやラストの走り方について、レース前に何回も図や絵に描いてアドバイスしているそうです。奥松コーチの数々の工夫が外山選手の成長に繋がっているのです。

「どうやったら分かってもらえるのかというのが一番のポイント。本人は『はい、はい』と言っているけど、分かってないことが多いんです。記憶に残るように指導するにはどうすればいいのか、自分も毎日試されています」と奥松コーチは言います。

もう一つの「やる気スイッチ」は、なんと「イケメン」。好みのタイプは20歳ながら、なんと歌手の野口五郎さんだとか。イケメン好きの外山選手のやる気スイッチを入れるために、奥松コーチはできるだけイケメンの多い男子高校生と一緒に練習させてもらうこともあるのだそうです。

 

 

そして、外山選手には憧れのアスリートの存在も。それは車いす陸上の佐藤友祈選手です。佐藤選手が2018年の関東パラ陸上選手権の時に世界新記録を樹立したレースを見て刺激を受け、同じ大会で外山選手は日本新を出すことができました。以来、佐藤選手の大ファンになってしまったのだとか。

時に優しく、時に厳しく、まるで親子のように信頼関係を深めてきた外山選手と奥松コーチ。2018年9月、アジアパラ競技大会を前に外山選手は、56歳の誕生日を迎える奥松コーチのために「自己ベストと金メダル」を誓いました。レースの模様を動画でご覧下さい。

 

 

迎えた本番、外山選手はスタートから積極的な走りを見せ、粘りの走りで2位。惜しくも金メダルには届きませんでした。

 

 

レース後、奥松コーチに「ごめんなさい」と涙を流しながら謝った外山選手。奥松コーチは「その気持ちを忘れないで、次、頑張ろうね」と励ましました。

外山選手は奥村コーチについて「夢をかなえてくれる存在」と言います。だからこそ、目標は“東京パラリンピックに出場して、メダルを獲得して奥松コーチにプレゼントすること”。「やる気スイッチ」が入ったら、東京パラリンピックでもさらなる活躍が見られることでしょう。

 

※この記事は以下の番組から作成しています。
2019年1月8日放送 ハートネットTV  めざせ!パラマニア「陸上編」
内容は放送時のものとなります。

 

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