ストーリー相撲

相撲健康体操で、おうち時間もすこやかに ~大相撲を世界中のファンに~

2020-05-22 午後 0:38

相撲雑誌などでイラストを中心に活動しているイラストレーター・たきもとかよさんがNHKの国際放送NHK WORLD-JAPANが放送する大相撲番組について寄稿してくれました。

はじめに

5月13日、高田川部屋 三段目力士の勝武士(しょうぶし)さんが、新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全により28歳という若さで亡くなりました。巡業で行われる初っ切り(しょっきり)では、絶妙な動きや間合いで笑いを誘い、多くの相撲ファンに愛されていました。

 

ともに初っ切りの土俵に立った行司さんは「試行錯誤を繰り返しながら、自分の体格や個性を生かした初っ切りを作り上げていきましたね。初っ切りを担当する力士にとって巡業はとても忙しいのですが、それでも付け人としての役目もきちんとやり遂げようとがんばっていました。何事に対してもまじめで ”さすが高田川部屋の力士だ ”と思いながら見ていましたよ。がんばっていただけに訃報を聞いたときは驚きましたし、かわいそうで…。お客さんに触れそうなギリギリのところまで飛んでいっての ”…セーフ! ”のゼスチャーは、足腰が強い彼だからこそできた技だと思っています」と思いを語られました。

 

他の行司さんは「初っ切りの内容が少しリニューアルされた頃、コンビを組んでいた高三郷さんと東関部屋で何度も練習を重ねていました。その後も内容がマンネリにならないようにご当地ごとの新しいネタを積極的に提案していましたね。初っ切りが終わると足を洗いながらいつも彼なりの反省を口にしていましたし、春日野部屋の初っ切りコンビが結成された頃はコツを伝授する姿も見かけました。公園で練習していたという報道を見て、努力家だったのだな…とあらためて感じましたね…」と悲しみをにじませました。

 

 

高田川部屋での稽古では地道に基礎運動に取り組む姿が印象に残っています。ご家族、部屋、後援会その他関係者のみなさまの気持ちに想いを馳せると無念でなりません…

謹んでお悔やみ申し上げます

5月場所の中止

新型コロナウイルスによる肺炎等の感染拡大への懸念から、大相撲春場所は無観客で行われました。その後も短期的収束が見込みにくい状況が続いていることから、一度は延期を発表された5月場所は中止となり、それに伴いNHKの中継放送もなくなりました。ただし5月24日から3週間にわたり「大相撲特別場所」が放送されることは大相撲ファンにとっては朗報ですね。

大相撲を世界中のファンに

NHKの国際放送NHK WORLD-JAPANでは、2016年から海外の大相撲ファンに向けて2つの番組を放送しています。

 

場所の見どころを展望し、独自の視点から特集を組んで展望する 「GRAND SUMO Preview」(以下、プレビュー)を場所直前に。そして毎日の幕の内の取組をすべて紹介する「GRAND SUMO Highlights」(以下、ハイライト)を場所中の毎日取組終了の7時間後に。みなさんはこれらの番組をご存知でしたでしょうか?

 

 

5月場所中止によりハイライトの放送はありませんが、プレビューは5月22日午後1時半から放送されました(5月25日午前1時30分から再放送があります)。新型コロナウイルスによる感染症対策として取材が制限されているなか、どのような内容にするか、いろいろ検討が必要だったようです。

 

今回の放送では、無観客で開催された春場所、朝乃山関の大関昇進、稽古ができない力士の状況などについて、森田博士アナウンサーら出演者が議論し、Stay Homeでも相撲を楽しめる方法として、「相撲健康体操」を特集しました。

今回特集される「相撲健康体操」とは?

相撲健康体操とは、大相撲の長い伝統のなかで確立されてきた四股、てっぽうなどの力士の基礎運動をもとに生まれたものです。運動にあまり慣れていない一般の方でも気軽に行えるよう、やさしめにアレンジされています。具体的には、気鎮めの型、塵浄水の型、四股の型、伸脚の型、股割り、仕切りの型、攻めの型、防ぎの型、四つ身の型、反りの型、均整の型、土俵入りの型、の12の型があります。相撲に慣れ親しんだ方にはなじみの深い名称が多いですよね。

 

それぞれの型には大相撲の伝統が育んできた大切な意味があります。例えば「四股の型」。春場所の協会ごあいさつで八角理事長も触れていましたが、四股には世の中の邪気を土の下に踏み固め大地を鎮める願いが込められています。四股を踏むことで、足の裏を刺激し、足腰や股関節を鍛え、バランス感覚を養い、脳を活性化し、老化の速度を緩めることができる、と言われています。伝統の香りを感じながら身体を作り心身の安定をもたらす一助になることが、この体操の効能であり目的であるといえます。

相撲アナウンサーが身体をはってチャレンジ!

 

レポーターの相撲アナウンサー、ラジャさんは、今回の特集にあたって、日本相撲協会の甲山親方にリモートでインタビュー。会議室で日本相撲協会認定の指導者資格を持つ指導者に熱血指導を受けました。

やさしくアレンジされていますが、しっかり丁寧に行なうとかなりきついこの体操。番組を見ながら型の意味や動き、コツなどを理解しつつテレビの前で一緒に体感してみるのも良いですね。ちょっとした空き時間に家の中で1人でできる気軽さがこの体操の良いところです。

 

ちなみに収録にあたっては感染症予防対策として、事前の打ち合わせはリモート会議で実施し、収録当日は扇風機をまわして換気を徹底し、スタッフの人数も減らし、こまめに休憩を入れながらの収録となったそうです。

気になる視聴方法ですが、5月22日放送のプレビューの見逃し動画がこちら。すべて英語で進行される外国語放送ですが、心と身体で大相撲の空気を感じつつ脳活として英語に慣れるという、一石二鳥、三鳥の機会にしてみてはいかがでしょうか。

毎日身体を動かして健康維持を

 

 

こんな時期だからこそ、四股の意味など相撲の歴史についてあらためて学びつつ健康を維持し、本場所が開催される日を待ちたいものですね。そのときまでみなさまもどうぞおすこやかにお過ごしください。

たきもとかよ

イラストレーター。相撲雑誌などスポーツのイラストを中心に活動。

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