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特集 力士の給与っていくらなの?

相撲 2020年6月24日(水) 午後5:30

プロスポーツの中でもひときわ注目を集める大相撲。プロ野球選手では1億円プレーヤーがざらにいる昨今。横綱、大関や幕内力士はいくらもらっているのでしょうか。華やかな土俵の裏の知られざる力士の給与事情を詳しく見てみましょう。

横綱、大関、幕内、十両の給与は

 

横綱、大関以下の幕内力士、それに十両の関取には毎月給与が支給されます。平成31年の初場所から18年ぶりに関取の給与が増額されました。横綱の給与が月額300万円、年額では3600万円です。大関の給与が月額250万円、年額では3000万円です。


関脇、小結の三役が月額180万円、年額2160万円です。幕内が月額140万円、年額1680万円、十両が月額110万円、年額1320万円です。ボーナスはありません。


力士の最高位横綱の年収が3600万円というのは、一般の会社員と比べると高額ですが、プロ野球のトップ選手が6億円や5億円の年俸を得ていて、年俸1億円の選手も多く、平均4000万円といわれることと比較すると安いという印象です。

幕下以下の力士の給与はどうなのか

 

幕下以下の力士は関取ではないので養成員と言われています。この力士のほとんどを占めている幕下、三段目、序二段、序ノ口の力士には給与はありません。年に6回開催される本場所ごとに場所手当が支給されます。幕下が16万5千円で、年に6回なので99万円です。三段目が11万円で、年に66万円。序二段は8万8千円で、年に52万8千円。序ノ口が7万7千円で、年に46万2千円が支給されます。それだけでは暮らしていけないと思うでしょうが、幕下以下の力士は相撲部屋の大部屋で生活していて、食費、家賃は一切必要ありません。この場所手当を生活費に充てる必要はないのです。

給与以外の収入はどれだけあるのか

 

まず一番高額なのは幕内の優勝賞金です。賞金1000万円です。優勝するとそれ以外にさまざまな賞がもらえて副賞でお金が入ります。しいたけなどの現物支給もあります。表彰以外でも後援会の関係者などからのご祝儀も入ります。本場所で活躍すると殊勲賞、敢闘賞、技能賞の三賞を受賞されます。三賞の賞金は200万円です。さらに幕内の毎日の取組に掛けられる懸賞の懸賞金は1本7万円で、積立金や手数料を差し引いて力士が土俵上で受け取るのは3万円です。懸賞が多く掛けられるほど金額が増えます。平幕力士が横綱に勝つと金星を挙げるといいますが、金星1つにつき4万円が場所ごとに支給され、現役引退まで続きます。力士にとって金星はボーナスのようなものです。強くなって幕内に昇進すれば、いろいろな機会に給与以外にもお金がもらえるようになります。昔の言葉で『土俵にお金が埋まっている』と言われるのは、土俵で稽古を重ねて幕内になれば多くのお金を手にできるので頑張れという激励の意味が込められているのです。

この記事を書いた人

北出 幸一

北出 幸一

相撲雑誌「NHK G-Media大相撲中継」編集長。元NHK記者。昭和の時代に横綱千代の富士、北勝海、大乃国らを取材し、NHKを定年退職後に相撲雑誌編集長となる。

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