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特集 オリックス 頓宮裕真選手 ~パ首位打者 今シーズンの飛躍の陰で~

野球 2023年12月5日(火) 午後3:30

オリックスで売れ行き好調の応援グッズ、“トング”を手にする頓宮(とんぐう)裕真選手。

プロ5年目を迎えた今シーズン、リーグ3連覇を果たしたチームで一気に頭角を現し、初めて首位打者のタイトルを手にしました。大きな飛躍の陰には2つの変化がありました。

「まだまだこれから」

頓宮裕真選手

たかがことし1年しか活躍できていない。またキャンプからしっかりアピールして、来シーズンもまずは試合に出てレギュラーを取れるように頑張りたい。

首位打者のタイトルを獲得

首位打者のタイトルを獲得したシーズンを振り返り「まだまだこれから」と初心を忘れず謙虚な頓宮選手。長打力が持ち味の“強打のキャッチャー”として、ドラフト2位、背番号「44」で入団しました。しかし昨シーズンまでの4年間は打撃で伸び悩みレギュラーをつかむことができませんでした。大卒5年目を迎え自分に何が足りないのか、みずからの打席を振り返り、考え続けました。

飛躍の陰で・変化①『0.3秒の違い!?』

そこで改めて認識したのが「ストレートに差し込まれてファウルボールや空振りが多いこと」でした。プロ野球選手のキレと力のある速球への対応が後手にまわっていたのです。他球団の選手のアドバイスを受けて始めたのが打撃フォームの改良でした。

 

 

変えたのは左足の上げ方。左足を体の前にあるホームベースの方に振り出すようにしたうえで、これまでよりも長く上げました。時間はおよそ1秒間。


昨シーズン(左)と今シーズン(右)のフォーム比較

昨シーズンまでのフォームは、左足を真上に引き上げていました。その時間は0.7秒ほど。今シーズンと昨シーズンでは地面から足を離した時間の差はわずか0.3秒。この瞬間でボールを見極める“間”を作っていたのです。

 

今シーズン(右)は足をあげる時間がおよそ0.3秒長くなった

このフォームにしたことで頓宮選手は「少しでも長くボールを見ていられる」と、気持ちに余裕を持って打席に入り“速球を迎え打つことができた”と明かしてくれました。

飛躍の陰で・変化②『打撃練習で続けたこと?』

フォームに加えてもう1つ、バッティング練習も変えました。身長1メートル82センチ、体重103キロの恵まれた体格で力強さも特長の頓宮選手。パワーに頼って力任せに引っ張ることをせず、ライナー性の打球をセンター方向に打ち返すことを徹底したのです。

 

 

『結果を出しているバッターは、打撃練習でセンター方向に打っている』という他球団の先輩からの意見を踏まえて、打撃の基本と言われる“センター返し”を取り入れました。ただひたすらに同じ練習を繰り返したことで「感覚的な部分でズレが少なくなり、好調時も不調時も波のない安定したスイングを続けられるようになった」と手応えを感じていたのです。

シーズン通してほぼ3割台キープ

今シーズン初ヒット (4月6日ソフトバンク戦)

こうしたフォーム改良や練習の効果が、シーズンを通した結果に表れました。ストレートなどのいわゆる「速球」の打率は3割2分8厘となり、昨シーズンと比べて1割近く向上。さらに、そのヒットの数は2.5倍あまり増えて、(昨季26本→今季66本)首位打者のタイトルにつながったのです。

プロで目指していること、実は?

阪急で活躍したブーマー選手(右)と同じ背番号44

プロ野球では成績を残した選手の背番号が変わり、1桁になるケースがありますが、頓宮選手は入団時に決まった「44」を変えるつもりはありません。オリックスの前身・阪急で活躍し球団唯一の3冠王を成し遂げたあのブーマー選手と同じ番号だからです。


現在のブーマーさん

入団会見では名前の“裕真(ゆうま)”にかけて「オリックスと言うか、阪急で背番号『44』と言えばブーマー選手。“ユーマー”と呼ばれるように頑張りたい」と決意を語っていた頓宮選手。

 

 

ブーマーさんからも「いずれは3冠王を狙えるような選手になってほしい」とエールを送られました。


まだまだ三冠王は早いという頓宮選手ですが、プロ1年目から目指し続けている目標があります。

 

頓宮裕真選手

ホームラン王をとりたいんです!

首位打者の次はホームラン王。持ち味をいかしたバッティングでホームランを量産すれば、ブーマーさんのような三冠王も夢ではないかもしれません。

 

この記事を書いた人

山崎 航 記者

山崎 航 記者

平成27年入局 東京出身

秋田局・静岡局で勤務し、8月から大阪で勤務

この夏からオリックス担当

最近、某野球スマホゲームに夫婦で熱中    

 

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