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特集 競馬 チャンピオンズカップ ダート王決定戦! 実績十分のGⅠ馬か、無敗の3歳馬か、それとも・・・

競馬 2023年12月1日(金) 午後3:30

12月3日、ことしのダート王を決めるGⅠレース「チャンピオンズカップ」が愛知県の中京競馬場で行われます。競馬においてダートとは砂の上を走るレースのことで、芝のレースよりもパワーやスタミナが求められるといわれます。中央競馬では、2月のフェブラリーステークスと並んで、このチャンピオンズカップがダートレースのビックタイトルの1つです。ことしは日本の馬が複数、海外のダートGⅠで勝利するなど、近年、世界の舞台での活躍が目立ち強豪ひしめくダート界。ことしのチャンピオンズカップの注目、まずはフェブラリーステークスの覇者と無敗の3歳馬です。

 

初の1800mに挑む!フェブラリーステークス覇者・レモンポップ

レモンポップ 2月のフェブラリーステークス

人気が予想されるのが、ことし2月のフェブラリーステークスでGⅠ初勝利をあげたレモンポップです。国内のレースでは12戦すべて2着以内。前走、10月の南部杯では2着馬に2秒もの大差をつけて圧勝しました。ただ、これまでの勝利はすべて1600m以下。チャンピオンズカップはキャリア最長の1800m。さらに舞台となる中京競馬場は4つのコーナーをロスなく回る器用さも必要なコースとされています。

 

田中博康調教師

初の1800m挑戦とコーナーの数について、レモンポップを管理する田中博康調教師は「(長い距離を走るために)道中に息を入れるとか、コーナーワークは大丈夫だと思うので、やっぱり課題は距離にどう対応するかだと思います」と話します。

 

初の1800mへの挑戦。田中調教師が取り組んでいるのは、レモンポップの重心の位置を改良することです。

 

調教中のレモンポップ

田中調教師によると、レモンポップは「もともと走るときの重心が前寄りにある馬」だといいます。これは生まれながらの骨格や筋肉の付き方である程度決まっていて、大幅に変えられるものではありません。ただ、これまでより長い距離に対応するためにはレースの中で緩急がついた方が良く、そのためにもう少し重心を後ろにしたいと話していました。現在は筋肉の付き方などを調整して数%でも重心が後ろに来るように試行錯誤しています。


未知の距離に挑むレモンポップ。今後の出走するレースの可能性を広げる上で大きなチャレンジとなる一戦です。

 

坂井瑠星騎手

ことしのフェブラリーステークスからコンビを組んでいるのが坂井瑠星騎手。レモンポップの特徴を「欠点が無いところが一番いいところ」とみています。初の距離については、「2月のフェブラリーステークスの時も1600mは長いと言われていたので、やってみないと分からないと思う。いままでワンターン(3コーナーと4コーナー、2つのコーナーを使うコース)の競馬しかしてこなかったので、(初めてコースを1周)そのあたりで馬が止まらないかですかね」とポイントを話していました。

 

無敗の3歳馬が一気にGⅠタイトル狙う!セラフィックコール

セラフィックコール

5歳のレモンポップに対して、世代交代をねらう注目馬がいます。3歳馬のセラフィックコールです。デビューはことし2月と同世代の中では少し遅かったですが、そこから5戦5勝と無敗。しかもそのうちの4勝がチャンピオンズカップと同じ1800mのレース。こちらは距離への心配はありません。これまでよりも強力なメンバーを相手に、無敗でのGⅠタイトル獲得をめざします。

 

みやこステークスで優勝したセラフィックコール

セラフィックコールの特徴はなんといっても末脚(ラストスパートの速さ)のすごさです。初めての重賞挑戦となった前走のみやこステークスではスタートで大幅な出遅れがあり、4コーナーまでは終始後方での競馬となりました。それでも最後の直線では抜群の脚を繰り出して勝利。

 

寺島良調教師

管理する寺島良調教師も「毎回競馬をうまくこなしている感じはしないが、最後の脚はすごいものがある」と太鼓判を押します。また、このレースでの結果次第では今後の海外挑戦も視野に入れています。「上でやれると思っているし、結果次第で考えていきたい。日本馬のレベルも上がってきているのでそこに食い込んでいけるように頑張りたい」

 

ミルコ・デムーロ騎手

セラフィックコールを導くのは、サンビスタとルヴァンスレーヴでチャンピオンズカップ2勝のミルコ・デムーロ騎手。末脚に自信があるだけに、直線に入るまでにいかにうまく立ち回るかがポイントになります。レースへの意気込みを「中京と同じ左回りは東京で勝っているし問題ない。彼(セラフィックコール)も強いから自信をもっていますが、GⅠだからメンバー強くなるので頑張ります」と語ります。

 

ダート王を狙う多彩なメンバー集結!

過去のチャンピオンズカップでの実績馬2頭がことしも登場します。

 

去年のチャンピオンズカップで2着のクラウンプライド(手前右) 

クラウンプライドは、去年は勝ち馬とクビ差の2着。初のGⅠ制覇を目指します。3歳の春からこれまで5回の海外遠征の経験を積み、重賞2勝をマークしています。国内のレースでも各競馬場のコース形態を問わず安定した成績を残しています。

 

テーオーケインズ  おととしのチャンピオンズカップ優勝

おととしの覇者テーオーケインズ。去年も1番人気に支持されるも4着と連覇は逃しました。6歳のことしは4戦未勝利ですが、出走したのはすべてGⅠ級の強豪ひしめくレース。その中で常に上位争いを続けています。

 

アイコンテーラーとジョアン・モレイラ騎手

5歳牝馬のアイコンテーラー。デビューから19戦すべて芝のレースでしたが、ことし8月にダートのレースに切り替えてからは3戦2勝2着1回。前走のJBCレディスクラシック(1800m)では優勝しました。今回は名手ジョアン・モレイラ騎手との初コンビ。2015年のサンビスタ以来となるチャンピオンズカップ2頭目の牝馬の優勝を目指します。

 

調教中のジオグリフ

去年の皐月賞馬のジオグリフ。先日のジャパンカップでGⅠ・6勝目をあげたイクイノックスが、これまで先着を許したわずか2頭のうちの1頭です。ことしは主にダートのレースを中心に出走。サウジアラビアやUAE=アラブ首長国連邦にも遠征しました。海外でのタフなレース経験も生かし、グレード制(重賞レースの格付け)導入以来、クラシックレース優勝馬としては初の芝とダート両方でのGⅠ制覇を目指します。

 

日本馬が世界のダートレースで活躍!

ことしは日本馬が世界のダートのビッグレースで活躍を見せた1年でした。

 

2月のサウジカップを制したパンサラッサ

2月のサウジカップ(サウジアラビア)ではパンサラッサが優勝。世界最高の優勝賞金を誇るレースで日本馬が初優勝の快挙でした。また、3月のドバイワールドカップ(UAE=アラブ首長国連邦)ではウシュバテソーロが優勝しました。ダート日本一を決めるにふさわしい多彩なメンバーがそろったことしのチャンピオンズカップ。この中から、今後また世界での活躍を期待させてくれるチャンピオンホースが誕生することになるでしょうか。

 

NHKの競馬中継では唯一のダートレース「チャンピオンズカップ」は、NHK BSで12月3日(日)午後3時からの放送です。

 

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この記事を書いた人

増村 聡太 アナウンサー

増村 聡太 アナウンサー

平成29年入局 徳島局―和歌山局―名古屋局
印象に残っているチャンピオンズカップは2015年、牝馬のサンビスタが勝利したレース。コパノリッキー・ホッコータルマエというダート界で当時抜群の実績を残していた2頭が注目されたレースでしたが、サンビスタが並みいる牡馬を抑えての勝利。これはチャンピオンズカップでは初の牝馬の勝利でした。

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