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特集 競馬 ジャパンカップ 世界1位の最強馬に待ったをかけるのは

競馬 2023年11月24日(金) 午後2:00

11月26日(日)に競馬のジャパンカップが行われます。1981年に創設された日本初の国際レースで、舞台は東京競馬場の芝2400mです。ことしの注目馬をみていきましょう。

イクイノックス 海外含めGⅠ5連勝中 向かうところ敵なし

イクイノックス 天皇賞(秋)

芝2000mの天皇賞(秋)で日本レコードを記録、圧倒的な走りを見せてGⅠ5連勝を成し遂げたイクイノックス。世界の主要レースを対象にしたランキングで1位を獲得し、世界中が注目している名馬です。そのイクイノックスが今秋の目標に掲げてきたレースがジャパンカップ。展開やコンディション次第ですが、アーモンドアイが2018年に記録した、芝2400メートルの日本レコード2分20秒6にどこまで迫るか、勝負とともに記録にも期待がかかります。

 

NHKの中継解説を務める元調教師の鈴木康弘さんは、ジャパンカップを控えたイクイノックスの馬体について、状態の良さに太鼓判を押しています。

 

鈴木康弘元調教師

これまでで最短、中3週のレース間隔になりますが、前走と変わらない体つきに見えます。若馬の時から徐々に成長を続け、馬体は完成してきています。私が若いころイギリスで勉強をしていた時に、「状態が良いときはレース間隔を詰めて使っても問題ない」と教わりました。まさにイクイノックスはそういう状態と言えます。

 

調教中のイクイノックス

本番4日前の水曜日にはJRA美浦トレーニングセンターで最終調整を行い、好タイムをマーク。イクイノックスを管理する木村哲也調教師は、レースに向かう今の状態を次のように話します。

 

木村哲也調教師

木村哲也調教師

いつも通りの動きで良かったです。天皇賞(秋)の直後は、しっかり走ってくれたんだなという体つきでしたが、だんだんと健康状態は戻ってきているなと感じます。体つきも頼もしくなって堂々としていますし、海外などの経験も大きいと思います。少しでも良い状態に持っていくために、丁寧に過ごしていきたいです。

 

リバティアイランド 同世代を圧倒する3冠牝馬 古馬との初対決

リバティアイランド 秋華賞

イクイノックスとの初対決に注目が集まるのがリバティアイランドです。ことしの3歳牝馬(メス馬)の主要レースを制覇。史上7頭目の牝馬3冠を達成しました。その走りは圧巻の一言。最後の直線で他を一気に引き離すスピードを持ちます。元調教師の鈴木さんに馬体の成長について聞きました。

 

鈴木康弘元調教師

元々同世代の中では成長が早く、抜けていた存在でした。3歳秋にして馬体は完成に近い。大きな特徴は筋肉。牝馬らしからぬ立派な筋肉をしています。気性が前向きなのでベストの距離は2000mくらいかもしれませんが、イクイノックスとの初対戦でどんな走りをするのか楽しみです。

 

リバティアイランドが4歳以上のいわゆる古馬と対戦するのは初めて。そして、GⅠ優勝馬の牡馬(オス馬)との対戦も初めてです。ジャパンカップでは若い3歳かつ牝馬ということで、4歳牡馬のイクイノックスよりも4kg軽い負担重量(レースで背負う重さ)で出走できます。過去に3歳でジャパンカップを制した牝馬は、ジェンティルドンナとアーモンドアイの2頭。いずれも3冠達成後にジャパンカップに挑み、優勝しました。同じ3冠牝馬としてリバティアイランドも続けるでしょうか。

 

牝馬3冠を達成した川田将雅騎手とリバティアイランド

川田将雅騎手

これまで同世代相手に勝たないといけない戦いばかりでしたが、久しぶりにチャレンジャーとして臨むレースになりますので、年長馬を相手にしっかり胸を借りて走りたいなと思います。イクイノックスという素晴らしい馬がいてリバティアイランドが挑む、という構図を多くの競馬ファンが楽しみにしてくれていると思っています。

ともに最後の直線に強さを持つ2頭の対決から目が離せません。

 

国内外の強豪がズラリ 豪華な顔ぶれに

去年の宝塚記念を制したタイトルホルダー

ここに割って入れるか、実績十分のタイトルホルダーの走りも気になります。3歳で菊花賞、4歳で天皇賞(春)と宝塚記念を制し、中長距離で強さを発揮してきたタイトルホルダーですが、去年秋以降は思うような走りができず、ことし春の天皇賞でも1番人気に推されながらレース途中で足の不安を感じ競走を中止しました。大舞台での完全復活に向けて、管理する栗田徹調教師はこう話しています。

 

栗田徹調教師

栗田徹調教師

春にああいう結果になり自分たちもかなりショックを受けましたが、前走の復帰レースでこの馬らしい競馬ができました。去年宝塚記念を勝った時には、厩舎のみんなが言葉を交わさなくても分かる良い状態でした。心身のバランス、走りを見ると、その状態に近づいているのかなと感じます。人気がある馬で、多くのファンに応援してもらっています。盛り上がる舞台で期待に応えられるようにしたいです。

 

このほか、ジャパンカップ連覇がかかるヴェラアズール、去年桜花賞とオークスを制した4歳牝馬スターズオンアース、イクイノックスと同世代でしのぎを削ってきたダービー馬のドウデュース、フランスから参戦のGⅠ馬イレジンなど、多士済々の顔ぶれがそろいました。

 

日本馬が17連勝中 賞金5億円はどの馬に?

第1回ジャパンカップ(1981年)

ジャパンカップは日本の競馬レベルの向上を狙って、海外の強豪を招く形で1981年に始まりました。当初は国内トップレベルの馬でも海外勢に太刀打ちできませんでしたが、徐々に力をつけ、現在は17年連続で日本馬が優勝中です。海外のレースとの国際的な競争力を高めるため優勝賞金額は年々増加し、ことしから国内のレースでは年末の有馬記念と並びトップの5億円に。多くの陣営がこのレースを秋の大きな目標に掲げて調整を進めています。

 

第40回ジャパンカップ(2020年)

3年前、コロナ禍の2020年には、アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトという、世代・性別の異なる3頭の3冠馬が対決する夢のレースも実現。世界中の競馬ファンが見つめるビッグレースに成長しています。今回はGⅠ5連勝中の「世界ランク1位」対GⅠ4連勝中の「3冠牝馬」、そこに待ったをかける馬は現れるのか。第43回ジャパンカップは11月26日(日)、舞台は開場90年を迎えた東京・府中の東京競馬場。歴史的なレースをどうぞお見逃しなく! 

 

11月26日午後3時からBS1で生中継

この記事を書いた人

浅井 僚馬 アナウンサー

浅井 僚馬 アナウンサー

2001年入局、現在水戸局。うま年生まれ、名前にも馬。勝手に馬との縁を感じている。

JRA美浦トレーニングセンターに新たに完成した坂路をオープン前に歩けたことに感動。

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