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特集 九州場所序盤戦を分析 ~玉ノ井親方の目~ |推し相撲番外

相撲 2023年11月17日(金) 午前9:30

1年納めの九州場所、序盤戦が終わりました。今場所の「親方の目」は、元大関・栃東の玉ノ井親方。熱戦が続く九州場所の序盤戦を振り返り、中盤戦への展望を聞きました。

 

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元大関・栃東 玉ノ井親方とは

玉ノ井親方は低い姿勢からの強烈なおっつけと相撲勘のよさで、現役時代、優勝は3回を数えました。

 

2003年九州場所で横綱・朝青龍を破って優勝を決める

また、大関陥落を2回経験しながらも史上初めて2回の大関返り咲きを果たすなど、不屈の精神で、ファンを沸かせてきました。

大関が存在感

まずは振り返ってもらったのは、なんといっても3人の大関陣。3人とも内容のいい相撲が目立ちます。

この中で玉ノ井親方が最も評価したのが豊昇龍

 

 

初日の大関経験者・正代との一番は、のど輪を交えながら徹底した突き押しの攻めで圧倒しました。

玉ノ井親方

先場所ものど輪で攻めたけど、そのあとまわしを取りにいって足が出ずに負けた。まわしにこだわらず初日から思い切りのよさを感じるいい相撲でした。

 

突き押しで一気に押し出す、まわしを引いて寄り切る。幅の広い攻め方で白星を重ね、5日目は、馬力のある豪ノ山との一番でした。

 

 

立ち合いで呼吸が合わず、お互いに見合う展開になりました。立ち合いではやや遅れたように見えた豊昇龍ですが、豪ノ山が下がったところについていき、押し出しました。

玉ノ井親方

ずっとああやって見合ったのはなぜかはわからないけど、豪ノ山の圧力がある分、自分の間合いでいきたかったのでは。攻め込まれたけど、豪ノ山が引いたところにも足がついていってよかったんじゃないか。3人の大関の中では一番力を出し切っているんじゃないかな。


続いて、2場所連続優勝がかかる貴景勝

初日から持ち味の突き押しで3連勝したあと、4日目は敗れ、5日目は高安との一番でした。

 

 

立ち合いで当たった直後に右でいなして、高安のバランスを崩し、そのまま一気に前に出て押し出しました。玉ノ井親方は貴景勝らしさが出せていると話します。

玉ノ井親方

高安の立ち合いのかちあげのようなものはあったが、右からいなして足が前に出ていた。負けを引きずらずによかったんじゃないかな。


最後は霧島

霧島も貴景勝同様、4日目は敗れたものの、5日目は明生に勝って連敗はしませんでした。

 

 

玉ノ井親方は霧島をたたえながらも、立ち合いの微妙な違いを感じたといいます。

玉ノ井親方

押し込まれるようにはなったけど、そこから右のおっつけからの攻めはよかった。でも、敗れた一番を気にしているのか、立ち合いの圧力というか、少し消極的に見えたね。

 

大関だけじゃない!

注目は大関だけではありません。関脇も実力を発揮しています。

5日目は、勝ちっぱなしとしていた関脇・琴ノ若と関脇・大栄翔が直接対決。

 

 

琴ノ若は大栄翔の強烈な突き押しを受け止めて、肩透かしで5連勝としました。ここまでの相撲内容を高く評価しています。

玉ノ井親方

琴ノ若はどっしり構えて下がらない。圧力をかけているし、懐が深い。技も多彩だし、動きがいいですね。あした以降もああいう相撲が取れたら。


さらに、先場所で貴景勝と優勝を争った熱海富士の名前も挙がりました。
まだ三役以上の力士との対戦はありませんが、ここまで5連勝としています。

 

 

4日目の竜電戦は長い相撲になりながらもはたきこんで白星をつかみ、5日目は琴恵光を力強く寄り切りました。

玉ノ井親方

スケールの大きい相撲。稽古量が多いから対応力がついたのではないか。4日目の竜電戦は危なっかしい相撲だったけど、ああいうのをものにすると乗ってくるよね。

 

まだまだ混戦の中盤戦

上位陣の存在感、若手の躍動。中盤戦以降もますます楽しみな取組が増えそうです。

 

玉ノ井親方

大関陣が引っ張っているけど、琴ノ若も5連勝でしょう。下位では熱海富士も元気がいいし。まずは自分たちの相撲を取り切れるか。ここからはどんどん調子のいいものどうしも当たっていくから展開も変わるだろう。中盤だからまだまだなにが起きるかわからないですね。楽しみです。

 

この記事を書いた人

舟木 卓也 記者

舟木 卓也 記者

平成25年NHK入局。令和2年秋からスポーツニュース部。

プロ野球(ロッテ)担当を経て、現在は大相撲や柔道など格闘技担当。

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