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特集 GⅠ天皇賞・秋 注目のライバルが再戦!強力なメンバーがそろう

競馬 2023年10月26日(木) 午後4:22

競馬のGⅠレース「天皇賞・秋」(10/29日曜開催 東京競馬場 芝2000m・3歳以上)の注目度が、例年以上に高まっています。168回目を数える伝統のレースですが、世界ランキング1位の座に君臨する日本の名馬・イクイノックスが出走を控え、ファンの熱視線が注がれているからです。国際競馬統括機関連盟(IFHA)が発表しているサラブレッドランキングで1位の座が続いているイクイノックスを、去年の日本ダービーにおいてクビ差で破ったのがドウデュースです。そのドウデュースも「天皇賞・秋」への参戦を表明したことで再び直接対決が実現します。2022年5月以来となる、およそ1年半ぶりの直接対決のゆくえは?もしくは2頭を脅かす存在が現れるのか。

 

ことしは3年ぶりに3歳馬の参戦がなく、11頭が出走を予定。1984年にグレード制が導入されて以降、2000mの距離となった「天皇賞・秋」としては史上最少の頭数となりそうです。しかし、その分強力なメンバーがそろいました。楽しみな一戦を展望していきます。

大注目の世界トップホース・イクイノックス

昨年秋の天皇賞を制したイクイノックス

前述の通り、世界ランキング1位のイクイノックス。ここまで8レースに出走した中で6勝を果たし、2着2回の実績を誇ります。昨年の秋の天皇賞では抜群の脚でGⅠ初制覇を果たし、3歳馬ながら日本の歴史あるレースの頂点に。前年王者として、東京競馬場2000mの適性も証明済みです。その後も、海外レースのドバイシーマクラシックでの勝利を筆頭に、ことしの宝塚記念でも優勝。国内外のGⅠレースで4連勝中と、その力を見せ続けています。

 

開催1週前の調教に向かうイクイノックスとクリストフ・ルメール騎手

レースの1週前の調教に騎乗したのが名手・クリストフ・ルメール騎手。先日の日曜日に行われた「菊花賞」でも見事な手綱さばきでドゥレッツァを勝利へ導くなど不足なしです。

 

会見で笑顔を見せる木村調教師

イクイノックスを管理する木村哲也調教師も、「このしびれる緊張感を感じられるシチュエーションを幸せだと思っている。注目度が高い馬だからこそ、レース前の調教では基本のルーティンを大事にして、道中の折り合いや、我慢をしてサインを出したら一気に走ることを意識した。春の疲れも夏で取り切って、トラブルなく来られてよかった」と口にしました。

 

海外勢も参戦を表明するジャパンカップを控える中、世界ランキング1位の立場として「天皇賞・秋」でも、負けられません。

王者イクイノックスとの再戦へ ドウデュース

レース週 調教中のドウデュース

イクイノックスと共に注目を集めるのが、前年のダービー馬・ドウデュースです。直接対決、しかも日本ダービーという大舞台でイクイノックスに先着した力を持っています。イクイノックスが過去に先着を許したのは2頭だけ。そのうちの一頭として、再び直接対決を迎えます。ジオグリフが制した去年の皐月賞でも、イクイノックスが2着、ドウデュースが3着。2頭は、まさにライバルという名にふさわしいレースを展開してきています。

 

レース週 調教中のドウデュース

ドウデュースは、日本ダービーを制した後、海外レースに積極的に参戦。フランスの凱旋門賞に出走するも、力を発揮できずに20頭中19着と悔しいレースとなり、3月のGⅠ・ドバイターフでは左前足の不安により出走取消となりました。約7カ月の期間を経て、今回の「天皇賞・秋」が復帰戦となり、ライバルのイクイノックスと、いきなり対決することになります。

 

武豊騎手

騎乗する武豊騎手は、「ドバイでは残念なことにレースに出られなかったが、何度か北海道に見に行って、栗東での調教でもすごく元気が良さそう。去年の日本ダービー以降は苦しいことのほうが多かったので、その分“この秋は”という気持ちは強い。イクイノックスを東京競馬場で負かしているのがドウデュースなので、ダービー馬の復活を願っている」と話します。

 

武豊騎手の言葉通り、ドウデュースは昨年の日本ダービー含め、東京競馬場では2戦2勝と好相性。世界一の馬を脅かす存在の筆頭として臨みます。

2頭をしのぐ対抗馬の台頭は!?

その他、注目のイクイノックスと去年の「天皇賞・秋」で競ったメンバーも多数、参戦します。

 

ダノンベルーガ(手前) 3月のドバイターフで2着

GⅠ勝利はないもののドバイターフで2着と海外で好走し、去年の「天皇賞・秋」で3着のダノンベルーガは、イクイノックス・ドウデュースと同世代。昨年のクラシックレースでしのぎを削ってきました。

 

ダノンベルーガ

同世代のライバルに対して勝利こそないものの、皐月賞と日本ダービーで4着、ジャパンカップでも5着と大舞台で上位に確実に入る力を見せています。海外挑戦を経て、また強くなったダノンベルーガの逆転があるのか、楽しみです。

 

ダノンベルーガを管理する堀宣行調教師

ダノンベルーガの堀宣行調教師は、「メンタル面については、以前から落ち着きのある馬。ドバイ遠征や札幌遠征を経て、環境へ順応する力も見せてくれた。調教でもスムーズな加速と楽に速いラップになって手応えもあったが、息づかいや活気の部分では良化途上。ただ、体のバランスは悪くない」と評価しています。

 

また、ことしのGⅠ天皇賞・春を制したジャスティンパレスは、史上6頭目、2017年のキタサンブラック以来の同一年の春秋天皇賞制覇のかかる一戦となります。


春の天皇賞を制したジャスティンパレス

杉山調教師は秋の天皇賞に向け、「春には3000mや3200mと長い距離を走ってきて、前走の宝塚記念(3着)でも成長を感じた。宝塚記念での1着のイクイノックスとの着差(=0.2秒)を見ても、確実に馬は成長している。春は長距離のレースで強かったけれども、本質的には、個人的には中距離馬だと思っている。東京競馬場の2000mは経験してはいないが、適距離だと思っている」と自信をのぞかせます。

 

さらには、GⅠ馬4頭のうちの1頭、去年の天皇賞4着のジャックドールも、イクイノックスと同じ舞台で再び走ります。


4月の大阪杯を制したジャックドール

ジャックドールは、これまで出走した16レースのうち15レースが2000m戦という5歳馬。ことしの大阪杯を逃げる展開で勝利してGⅠ馬となりました。そのレースぶりから、この天皇賞でどんな展開で挑むのかも楽しみな馬です。

 

もう1頭、プログノーシスはことしに入って絶好調。3月のGⅡ金鯱賞で勝利をあげると、香港のGⅠクイーンエリザベス2世カップで2着。そして、前走のGⅡ札幌記念では2着と4馬身差をつけての勝利。今回の天皇賞にも出走するダノンベルーガ、ヒシイグアス、ジャックドールを寄せつけませんでした。

 

3月の金鯱賞 プログノーシスが優勝

中内田調教師は、「札幌記念は強い内容で勝って、心身ともにパワーアップしたと思う。天皇賞のメンバーは実績をあげてきている馬たちの中で、プログノーシスがどこまで頑張れるか。2000mの距離は何度も経験してきている」と話します。実際に、10レース出走で6勝。勝利したうちの4レースが2000mの距離です。

 

豪華メンバーが揃ったことしの天皇賞・秋。NHKでは、世界一のイクイノックスを含め、日本の誇る注目馬のレースまでの様子をパドックからしっかりとお伝えします。

 

高いレベルで争う大一番の戦い、ぜひNHKでお楽しみください!

 

10月29日午後3時から総合テレビで生中継!

この記事を書いた人

黒住 駿 アナウンサー

黒住 駿 アナウンサー

平成24年NHK入局   佐賀局-沖縄局-仙台局

少年野球の友人が競馬好きで、幼少期から中山競馬場に通う。

2003年の有馬記念、連覇達成のシンボリクリスエスの強さに圧倒された。

競馬中継では、白毛馬・ソダシに注目が集まった2021年のオークス、チャンピオンズカップのパドックを担当。

 

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