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特集 なでしこジャパン宮澤ひなた選手&藤野あおば選手生出演!

サッカー 2023年9月22日(金) 午後0:30

サッカー女子ワールドカップ、今大会なでしこジャパンは2大会ぶりのベスト8へ進出、スペインの優勝で幕を閉じました。大会5得点をあげ得点王となった宮澤ひなた選手とワールドカップで男女通じて日本代表最年少得点をあげた藤野あおば選手の2人が生出演。激闘の裏に何があったのか。今大会の秘話をたっぷり伺います。(サンデースポーツ 2023年8月20日放送)

大会を終えた今の心境は

中川キャスター:今夜のスタジオには、ワールドカップで2大会ぶりのベスト8進出を果たした、なでしこジャパンの宮澤ひなた選手と藤野あおば選手です。よろしくお願いします。

 

豊原キャスター:ようこそお越しいただきました。

 

中澤佑二さん:1次リーグで日本が勝ったスペインが優勝したんですけれども、宮澤選手、なでしこが優勝できる力はあったんじゃないですかね?

 

 

宮澤選手:そうですね。実際に決勝が終わって、あの舞台に立ちたかったなという思いは強いので、すごく悔しいです。

 

中澤さん:藤野選手はどうですか?

 

 

藤野選手:本当にプレーしていてもすごくいいチームで、最後まで一緒にやりたかったなという思いも、決勝戦を見ていてすごく感じました。

 

豊原キャスター:そうですよね。そしてワールドカップは、今日ですべての日程を終えたわけですが、宮澤選手が大会通算5得点で見事‟得点王”に!

 

一同:おめでとうございます!

 

中澤さん:すばらしい!

 

豊原キャスター:どうですか?今の心境は?

 

 

宮澤選手:正直、あまり実感がないと言いますか、まさかここまで点が取れると思っていなかったので。

 

豊原キャスター:澤穂希さんをはじめ、歴代の名選手に並んだわけですよ。

 

中澤さん:すごいですよ。

 

中川キャスター:さっき分かったんですよね?

 

宮澤選手:はい。

 

中川キャスター:どうでした?分かった時は。

 

宮澤選手:すごくうれしかったですけど、欲を言えば優勝して現地でというのはあります。

 

豊原キャスター:チームとしてね。

“覚醒”の理由

中川キャスター:今日はそんななでしこジャパンの活躍を熱い気持ちで見守ってきたという、中澤佑二さんと谷真海さんが聞きたい事がたくさんあるということで、厳選して3つに絞りました。

 

豊原キャスター:かなり絞りました。

 

中澤さん:そうなんですよ。300ぐらいあったんですよ。

 

中川キャスター:そんなたくさんあったのですね。(笑) では早速1つ目まいりましょう。まず谷さんからの質問です。“覚醒”の理由ということですが?

 

 

谷さん:はい。宮澤選手の活躍を見て、まさに覚醒していると思ったんですけど、何かきっかけはあったのですか?

 

宮澤選手:あまり覚醒しているという実感がなくて、本当にこの舞台をまず楽しもうという思いで臨んだので。常に声をかけてくれる仲間やチームスタッフ、みんなの一体感があったからこそ、このような結果が出せたのかなと思います。

 

豊原キャスター:中澤さん、こういう大舞台でふだん通り楽しめるというのも、またすごいことですよね?

 

中澤さん:すごいと思います。覚醒している人って自分で気付かないんですよ。それがよかったんでしょうね。

 

豊原キャスター:宮澤選手のゴールシーンなど聞きたい事はありますか?

 

中澤さん:もう、技術的に最高です!どれも最高です。見習いたい。

 

中川キャスター:藤野選手は、一緒にプレーしていて宮澤選手のよさ、どんなところに感じていましたか?

 

藤野選手:スピードという武器は、世界で戦っても速いなと思いますし、チャンスがそこまで多くなかった中で、1本1本しっかり落ち着いて決められるというのは、本当にプレーしていても心強かったですし、改めてすごいなと思うところでした。

 

中川キャスター:どうですか、チームメートからの言葉は?

 

宮澤選手:うれしいです。

 

豊原キャスター:そんな藤野選手もワールドカップではゴールを決め、これが日本代表の男女を通じて最年少(19才)ということで、ある意味覚醒したと言ってもいいのかなと思うのですが?

 

藤野選手:ワールドカップという特別な舞台で、得点が奪えたのはすごくうれしかったですし、本当によかったなって思います。

 

谷さん:シュートも難しいシュートだったと思うのですがいかがでした?

 

藤野選手:相手を抜いた時にスペースがあって、キーパーがすごいクロスに対応するような、前のめりになっているのが感じられたので、思い切って打ってみたら入ってよかったです。

 

中澤さん:藤野選手、大会前にもっと「私が私が」とエゴイストになった方がいいんじゃないかという話をしたと思うんですけど、エゴイストになれましたか?

 

藤野選手:なれたと思います。中澤さんからそういう言葉をいただけて、たぶんこの得点シーンもあの言葉がなかったらパスを選んでいたと思うので。

 

中澤さん:うれしい、ありがとうございます!

 

豊原キャスター:いい話ですね。

 

中川キャスター:宮澤選手は、あのゴールどのように見守っていたんですか?

 

宮澤選手:あおばの良さが出たシュートだったなと。国内でも試合で戦っていて、本当にどの角度からもシュートを打てる選手だなと思いますし、「あ、もう入るな」という感じで。

 

中川キャスター:そうだったのですね。では次にまいりましょう。

大会中、選手たちを支えたものとは

 

中川キャスター:次の質問は中澤さんからです。大会中の“支え”ですね?

 

中澤さん:はい。僕自身がワールドカップで戦っている時に、現地や日本からの応援が力になったのですが、今回も応援の力は感じたのでしょうか?

 

宮澤選手:本当に応援の声は現地にも聞こえていましたし、実際に現地にも日本人サポーターの方々や海外の方々も応援してくださっていたので、海外ってすごくアウェーな感じがありますけど、たくさんの方が応援してくださっていたので、常にホーム感があって、戦う原動力になっていたかなと思います。

 

 

中澤さん:そうなんですよね。分かります。

 

豊原キャスター:試合を重ねるごとに日本からの反響も大きくなってきたのではないかと思いますけど、藤野選手そのあたりはいかがでしたか?

 

藤野選手:世界で戦うって本当に難しいという、心の揺さぶりとかもありましたけど、やっぱり応援してくださる方がいるだけで本当に心強かったですし、戦っているのが本当に自分たちだけじゃないというのが感じられて、最後までプレーすることができたかなと思います。

 

豊原キャスター:試合が終わると、メッセージなどたくさん入っていたりしましたか?

 

藤野選手:たくさんいろんな方から連絡をもらえて、本当に頑張ってよかったなって思うのと、もっと頑張らなきゃなという気持ちになりました。

 

中澤さん:もう1つ聞きたいのですが、大会中の食事のサポート、これまでと変わったところがあると思うんですけど、宮澤選手どうですか?

 

宮澤選手:シェフの方が西さんに。(2006年からサッカー男子日本代表の専属シェフを務めていた西芳照さんが今大会初同行)

 

 

中澤さん:いいですよね、西さんね。

 

中川キャスター:うわ、おいしそう。

 

中澤さん:おいしそうだな。

 

 

中川キャスター:食事タイムはやっぱり幸せでしたか?

 

宮澤選手:はい。毎日ごはんの時間がすごい楽しみで。

 

中澤さん:分かる!

 

宮澤選手:今日は何かなって、みんなで話しながら。すごくおいしかったです。

 

中川キャスター:藤野選手は、何か好きだったメニューはありますか?

 

藤野選手:本当に全部おいしくて、これというのは難しいんですけど、練習が終わったあとの西さんのハンバーグがすごくおいしくて。何個も食べられるぐらい、本当に箸が進むというか、力になりました。

 

中澤さん:ちなみに、僕は西シェフのカレーが好きなんですよ。カレーはどうでした?でましたか?

 

宮澤選手:めっちゃおいしかったです。

 

中澤さん:藤野選手どうでしたか?

 

藤野選手:おいしかったです。

 

中澤さん:ありがとうございます。

 

中川キャスター:その西シェフにお二人について伺いました。「ひなちゃんと、あおばちゃんには、いつも笑顔でいっぱい食べてもらってすごくうれしかった」と笑顔で話されていました。

 

宮澤選手:いつも笑顔で「お帰り」って。「今日はこのメニューだよ」と本当に温かくいつも迎えてくださったので、今日も練習頑張ってよかったなって思える瞬間でしたし、もっと勝って西さんのご飯が食べたいなっていう思いもあったので。

 

豊原キャスター:最高の言葉ですね。

 

中川キャスター:本当そうですね。

最後の“涙” 「ここで終われない」

中川キャスター:3つ目のキーワード、最後の“涙”ということで、中澤さん。

 

 

中澤さん:最後の試合となったスウェーデン戦の終了後、なでしこジャパンの選手たちの涙がすごく僕の中で印象に残ったのですが、藤野選手はどんな思いだったのでしょうか?

 

 

藤野選手:そうですね。本当に終わった瞬間は、ここで終われないというか、自分は初めてのワールドカップでいろんな先輩方が気づかってくれて、自分がプレーしやすいような環境も整えてくれていたので、何がなんでも力になりたかったという思いと、無力だったというか、もう悔しくてどうしようもなかったかなって思います。

 

中川キャスター:その時、宮澤選手は藤野選手に何か言葉はかけたのですか?

 

宮澤選手:なんてかけたっけ?(笑)もう悔しくてあんまり覚えていないんですけど、本当にいろんな選手がグラウンドに倒れていて。“お疲れ”と“次、またこの舞台に立とう”という思いはありましたし、そういう声をかけたと思います。

 

中澤さん:この涙があるからこそ、僕は次につながると思うんですけど、ちなみに宮澤選手は、なでしこジャパンと世界との差を何か感じたことありますか?

 

宮澤選手:自分自身初めてのワールドカップだったんですけど、本当にあと1歩足りないというのは、すごく戦っていて感じましたし、それが個人の差でもチームの差でも、本当に1試合勝つという大切さであったり、ベスト8の壁はすごく高いのかなというのは感じましたね。

 

中澤さん:藤野選手はどうですか?

 

藤野選手:プレーをしてみて、試合の勝敗とかボールコンタクトのところも勝利への執念というのは、すごいものがありました。でもフィジカルというか、スピードは圧倒的に(日本が)上回るものが多かったので、そういうところは伸ばしていく必要があると思いますし、そこを補うために何が必要かというのも、また考えてやっていかなきゃいけないなと思いました。

 

中澤さん:個人としてもいろいろと課題が見えてきたと思いますが、まず藤野選手に聞きたいのですが、具体的に今後どんなトレーニングを積んでいこう、どういったところを変えていこう、こういうことで世界との差を埋められる、世界を超えられるという、何か手応えみたいものはありますか?

 

藤野選手:個人的に、得点を取るためにいろんな選手が得点を積み重ねるために何が必要かと考えた時には、守備の時間が割と多かったと思うんですけど、ポジションが低すぎるというか、無駄が多いというところは感じていたので、チームとして組織的に守る必要もあると思いますけど、その瞬間瞬間でどのポジションがより優位に働きかけができるのかというところは、練習から意識する必要があると思います。何か1つというのはすごく難しいですけれど、そういうところはこだわってやっていきたいなと思っています。

 

中澤さん:宮澤選手はどうですか?

 

宮澤選手:大会を通じて自分自身のスピードを出す場所だったり、ちょっとした立ち位置で相手を上回れる時があるというのは、今回すごい自信になりましたけど、個人のところできっ抗したゲームで常に相手の嫌なことをし続けられるかというところだったり、チームとして難しい時間帯、何か‟個”でチームの勢いをつけられるような、そういうプレーをもっとやっていかなきゃいけないんだなと感じたので、常にそういう環境に身を置きながらプレーしたいなというのは強く感じました。

 

中澤さん:ありがとうございます。

 

中川キャスター:ワールドカップから帰ってきたばかりですが、今月にはWEリーグの新しいシーズンも待っていますし、来年にはパリオリンピックもありますよね。という事で、最後にお二人からぜひ意気込みを伺いたいと思います。まず藤野選手からお願いします。

 

藤野選手:ワールドカップを戦い終えて、自分自身がもっとレベルアップする必要があると思いました。でも、WEリーグの選手が世界で活躍するという場をよりたくさん見せられたと思うので、WEリーグのレベル自体をもっと高めていきたいと思いますし、その中で自分自身ももっと結果にこだわって、頑張ってやっていきたいなと思っています。

 

中川キャスター:宮澤選手はいかがですか?

 

宮澤選手:ワールドカップは終わってしまいましたけど、次のパリオリンピックは、まず予選からあるので、そこでもしっかり結果を残したいと思いますし、なでしこジャパンが結果を出すことで、今後の女子サッカーの発展にもつながってくると思うので、そういう責任を常に持ちながら、まずは自分自身のレベルアップに向けてしっかり努力し続けていきたいなと思います。

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