ストーリー相撲

朝青龍が語る平成大相撲「時代の転換点」がそこに スポーツ平成史・大相撲第1回

2019-04-16 午後 06:13

まもなく幕を閉じる「平成」という時代。サンデースポーツ2020では、2月から4週にわたってスポーツの平成史を振り返りました。2月24日放送回のテーマは「大相撲」。
昭和天皇の崩御の2日後、国技館での黙とうと共に始まった平成の大相撲。平成の前半は社会現象になった若貴フィーバーや、相撲を “SUMO”に変えたハワイ出身横綱らが新しい時代を切り開いていきました。そして平成の後半は、現在も土俵を席巻し続けるモンゴル勢が台頭。

この連載では時代の証言者として、貴乃花さんへ独占インタビュー。さらに朝青龍さんと相撲愛好家の能町みね子さんが、30年の大相撲の歩みを振り返ります。第1回は、9年ぶりのNHK出演となった朝青龍さんが、自ら体感した「時代の転換点」と横綱に駆け上がっていった時の心境を語ります。

朝青龍 9年ぶりのNHK出演!

 

幕内通算596勝、幕内最高優勝25回、年間最多勝5回、年6場所完全制覇(平成17年)。モンゴル出身初の横綱、朝青龍の土俵人生は輝かしい記録と共にありました。
そして、平成22年に突然の引退…。

 

あれから9年。今回、朝青龍さんは「平成の大相撲を振り返る」という企画のオファーを受け、番組のためにモンゴルから来日。NHKへの出演は、現役最後の優勝となった平成22年初場所直後以来のこと。2月24日夜、闘志みなぎる現役時代と比べ幾分柔和になった雰囲気で、スタジオにその姿を現しました。

 

予想外(?)のおちゃめな笑顔で登場!

 

副島萌生キャスター 本日のゲスト、元横綱の朝青龍さんです。現在はモンゴルで実業家としてご活躍です。今はどんなお仕事をされているんでしょうか。

 

朝青龍さん 政府関係の仕事ですね。「モンゴル国大統領日本担当特使」としてやっています。日本とモンゴルとのつながりをよくしたいということでね。

 

大越健介キャスター 生出演は9年ぶりということですが、どうですか、久々のNHKのスタジオは。

 

朝青龍 いやあ、本当に久々です。でも番組のスタッフには懐かしい顔ぶれもいるという感じですね。今日は、よろしくおねがいします!!

 

大越・副島 (!)よろしくお願いします!

 

 

直立不動の大横綱のあいさつに、スタッフ一同自然と笑みがこぼれました。そして「相撲愛好家」として知られるエッセイストの能町みね子さんも加えて、大相撲の30年を振り返っていく企画がスタート!

平成の大相撲に捧げた青春

朝青龍さんといえば現役時代、その圧倒的な強さはさることながら、土俵上でのガッツポーズや自由奔放な振る舞いも印象的。NHKの取材映像の中には、稽古の様子を撮影していたカメラマンに向かって歩み寄り、すごみのきいた声をかける朝青龍さんの姿が…。

 

 

「おい、止めろ!カメラ止めろ!止めろよコラァ!!」

 

大越 あの、朝青龍さん。映像の中では過去の「ちょっとばかり」やんちゃなところも出ていましたけど、その映像をご覧になってる今のお顔がね、ものすごい穏やかな笑顔でですね、こちらもちょっとホッとしました(笑)。

 

朝青龍 いやぁ、今見ると「自分は何やってるんだ」って感じですね。やっぱり当時は相撲に集中していたわけで。だからあんな余計な事せずにね、稽古やってればいいんですけど。

 

大越 いやいやでも能町さん、朝青龍さんの強さも圧倒的に印象に残ってますよね。

 

能町みね子さん(左)は和装で出演!

 

能町みね子さん いやぁ、本当に鮮烈でしたね。実は大ファンだったんですよ!それがこんな近くに来られて。先ほど放送を忘れて、一回サインいただきました(笑)。

 

朝青龍 でもNHKさんに久々に出てあんな映像が流れたら、ちょっとテンションが落ちてしまった感じですよ(笑)。

 

大越 またまた。


朝青龍さんが見せた「後悔」も落ち着いたところで、話のテーマは本題の「平成の大相撲を振り返る」へ。

 

 

大越 まもなく平成という時代が終わりを迎えます。その平成を駆け抜けた横綱、朝青龍さんにとって、平成という時代にはどんな思い出がありますか。

 

朝青龍 そうですね。もう自分の20代、30代の初めまでをそのまま預けたというような印象ですね。

平成にあった「時代の転換点」

番組スタッフは平成の大相撲を振り返るにあたって、一つの記録に注目しました。それは「年間最多勝」。この記録をとった力士の名前を並べていく事で見えてきた、時代の転換点がありました。

 

副島 大相撲にとってこの平成という時代がどんな時代だったのか、年表を見ながら振り返っていきます。「年間最多勝」。つまり1年6場所で最も多くの白星をあげた力士をズラーっと並べてみました。平成の始まりは横綱・北勝海や旭富士の名前が並んでいますけれども、平成4年から一気に世代交代が進みました。その中心にいたのは空前の若貴フィーバーを巻き起こした貴乃花。そして、曙や武蔵丸のハワイ勢も躍進しました。

 

平成前半の年間最多勝

平成後半の年間最多勝

 

副島 そして平成の後半、ご覧のとおり。朝青龍さんと白鵬関によるモンゴル勢隆盛の時代となりました。平成の中盤を境目に、きれいに2つの時代に分かれています。

 

能町 そうなんですよね。前の横綱が「ちょっと衰え始めたかな」と思うと、次のスターがちゃんと出てくる。その境目がまた「乱世の時代」になって、とても面白かったりするんですね。

 

大越 朝青龍さんは平成11年に初土俵を踏まれて、平成なかばにかけてグーっと力をつけてきて、貴乃花さんを中心とした時代の次を担っていったわけですね。その若い時っていうのは、相撲を取るのが楽しくてしょうがなかったんじゃないですか。

朝青龍 そうですね。自分より上位の横綱、大関と相撲を取りたい。そこで「いい相撲」を取りたい。それが夢でしたね。逆に自分が横綱になったら立場が逆転するわけですから、下位の力士から追いかけられてくる、そこには怖かった思いもありますけどね。

 

大越 若い時に上位の力士に挑んでいった時代、自分は横綱になるという確信はありましたか。

 

 

朝青龍 いや、自分が横綱になることよりも、目の前の相手を倒していくことを見ていた感じでした。やっぱり徐々に番付が上がってこそ、力がついてくるものなんでね。番付が上がっていく事で「これだ」っていう自信というか、自分は横綱になるんだっていう自信が、その場その場で付いてくるという感じでしたね。


「若貴フィーバー」から「モンゴル勢台頭」の時代へ。朝青龍さんの登場でもたらされた、平成の大相撲の「時代の転換点」。まず番組では、平成前半の大相撲の主役について語っていきました。現在の大相撲人気ともまた次元が違う「社会現象」がそこにありました。

空前の若貴フィーバー

平成の前半にあった「若貴フィーバー」。その中心にいたのはもちろん貴花田、のちの横綱・貴乃花でした。

 

 

副島 いかに当時の若貴フィーバーで、貴花田の人気がすごいものだったか、ここで能町さんにひとつ情報をご紹介いただきます。

 

能町 当時の某有名女性誌の「好きな男ランキング」で、貴花田は並み居る俳優も含めた中で、なんと第4位です。平成3年には表紙にもなってますし。だからもうアイドルですよね。今の力士の人気とはちょっと別種です。

 

副島 そのときのフィーバーが、いかにすごいものだったのか、大相撲の中継も高視聴率を獲得していました。貴花田が番付を駆けあがっていった平成4年には視聴率が40%超え。平成29年春場所の新横綱・稀勢の里の優勝でもかなり注目されていますが24%でしたから、当時いかに注目されていたか、人気があったかが分かりますよね。

 

大越 朝青龍さんは日本に留学される前に、「若貴フィーバー」というのはもうすでにモンゴルでもご存知でしたか?

 

朝青龍 そうですね。NHKがモンゴルでも映るようになりまして、貴乃花さんや若乃花さんはよく見ていました。曙さんとかハワイ勢も。当時はテレビで見ていて、いずれ自分が次の横綱になるなんてことは想像もしてなかったんですけどね。でも昔の映像を見て、やっぱり横綱、力士・貴乃花さんというのは、やっぱりかっこいいですよね。

 

 

「平成の大横綱」貴乃花。大きすぎるその存在に、若き日の朝青龍さんは挑みます。そこには知られざる秘話がありました。そして貴乃花引退後、横綱として角界を背負う朝青龍さんを追ってきたのは、モンゴルの後輩・白鵬でした。次回は平成を代表する三人の横綱。その対戦の裏側にせまります。

 

 

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