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特集 大迫 塁 セレッソ大阪で歩み始めた18歳の原点 ~Next Stage 第3回~

サッカー 2023年4月12日(水) 午前8:00

この春、鹿児島県の神村学園からJ1・セレッソ大阪に加入した大迫塁選手。新しいステージ、プロサッカー選手としての歩みを始めた18歳の原点ともいえる場所が、実家のラーメン店です。

 

シリーズ”アスリートたちのNext Stage” 第3回は、将来日本代表を担う選手としての活躍が期待されるニューフェイスに、家族への思いと、新天地での挑戦にかける覚悟を聞きました。

異例の早さでJ1に加入

 

神村学園のキャプテンとしてチームを率い、全国高校サッカー選手権ベストフォー入りの原動力となった大迫塁選手。得意の左足でチャンスを演出し、得点力も兼ね備えたミッドフィルダーです。
複数のクラブが興味を示していましたが、1年前の高校2年生の2月に異例の早さでJ1セレッソ大阪への加入が内定し、この春からチームに合流しました。将来は日本代表を担う選手としての活躍が期待されています。

大迫選手

セレッソの一員になれたと思えてうれしいです。プロのピッチで早くプレーをしてたくさんの方々に笑顔を届けられるような選手になりたい。

 

実家は地元で愛されるラーメン店

大迫選手の父  隆二さん

大迫選手の原点ともいえる場所が鹿児島市の谷山にある実家の老舗ラーメン店です。豚骨ベースにネギやニンニクなどの香味油が香る昔ながらの鹿児島ラーメンが自慢で、父親の隆二さんが2代目として45年続くのれんを守っています。去年亡くなった歌手の西郷輝彦さんもよく訪れるなど地元で愛される店で、店内には西郷さんが生まれたばかりの大迫選手をだっこしている写真も飾られています。

 

 

実家のラーメンは大迫選手が、試合前にほとんど欠かさず食べた勝負メシ。鹿児島から大阪へ旅立つ前には、チームメートも食べに来ました。

大迫選手

いつも麺硬めでおなかすいたときは大を頼みます。試合に向けてしっかり食べて、活力をつけるために食べていました。プロでは、食事面を考えると、本当は試合前にラーメンを食べるのはよくないと思うので、シーズン中は我慢して帰ってきてから食べたいと思います。

 

大迫選手のラーメンの食べっぷりのよさに、記者が思わず「いい食べっぷりですね」と言うと、父の隆二さんは「いい食べっぷり?慣れてるから」とにやっと笑い、「食べられるときには食べるって感じで、遠征先に行ったりするときは無理だけど、小学校のときからそんな感じです」と教えてくれました。

 

強豪でキャプテンとして苦悩も

大迫選手がサッカーを始めたきっかけも実家のラーメン店にありました。店に来る近所のお兄ちゃんたちと一緒に遊んだことがきっかけで始めたのです。

 

 

家族が撮影した小さいころの映像には、店の前でボールを蹴る大迫選手の様子が映っていました。サッカーを始めたのは6歳のころで、それから1年以内にはリフティングが100回できるようになってといいます。

大迫選手

兄ちゃんたちと遊ぶときも6歳、7歳ぐらい離れていても負けないぐらい元気でうるさい、元気な感じの子だったと思います。雨のなかでも泥だらけになりながらでもサッカーをしていたって小学校のときの監督は言っていましたね。

 

中学からはサッカーの強豪、神村学園の門をたたき、世代別の日本代表にも選ばれるまでに成長。高校3年になると、部員80人近いチームのキャプテンも任されました。しかし、日本一を目指したチームは夏の全国高校総体で初戦敗退するなど、キャプテンとして苦悩もあったといいます。

 

大迫選手

全員がバラバラになったりとか、チームに対していろいろ不満を持っている状況もあったし、結果もついてこないときも多かったので、本当苦しくてほんとやめたいなって思うときもありました。

そんなときは父、隆二さんに弱音をもらすときもあったと言います。

 

大迫選手の父 隆二さん

やめたいというか、涙を流しながら電話で遠征先から電話がかかってきて。親としては本当心配だった。それでも彼は責任感がある子なんでやれると信じてました。

キャプテンとして背負いすぎる大迫選手に隆二さんは寄り添い、いつもの一杯で支え続けました。そして、大迫選手はキャプテンとしてチームを率い、この冬、神村学園が全国高校サッカー選手権ベストフォー入りを果たす原動力となったのです。

 

全国高校サッカー選手権 準決勝(2023年1月)

大迫選手

結果として最後の全国高校サッカー選手権で国立競技場にも行けてチームとしていいチームになれたのでキャプテンしてよかったなと思います。店が忙しいなかでもサッカーの練習をしてくれたり、熱心な家族なので本当に感謝しています。

 

プロデビュー そして夢はW杯優勝

大迫選手は、卒業前のことし1月からセレッソの練習に合流して、キャンプやトレーニングを積んできました。

 

 

デビュー戦となったのは、今月(4月)5日、JリーグカップでのJ1京都サンガとの試合。4点を追いかける劣勢のなか、後半35分からの途中出場でしたが、緊張することもなくプレーできたと言います。

大迫選手

点差も離れていたので、とにかく点を返していく気持ちでビビることなく、やれてよかったです。次に出場のチャンスが来た時は、勝利に貢献するプレーをしたいと思います。

 

 

ひとつステージが上がった大迫選手。ゆくゆくは海外での挑戦も視野に入れています。その先に見据える小さいころから変わらない夢は、日本代表になってワールドカップで優勝することです。

大迫選手

セレッソの顔となれるように頑張って、日本一のチームにしてから海外に行きたいです。去年のワールドカップで日本代表がすごい活躍をしてくれて、それをテレビで見て感動したので、次は感動を与えられる側になりたい。

将来、日本代表を目指す大迫選手は、プロ選手として「笑顔」を大切にしていきたいといいます。チームがリードされたときも、トレードマークの笑顔で仲間を元気づけて逆転劇につなげてきた大迫選手。大好きな「鹿児島ラーメン」はしばらくおあずけですが、新天地での活躍を誓います。

 

大迫選手

自分自身、笑顔がいいねってよく言ってもらえるので、きついときでも笑顔でいたいです。自分のプレーでいろんな人が熱狂したり、笑顔になるような選手になりたい。

 

この記事を書いた人

松尾 誠悟 記者

松尾 誠悟 記者

鹿児島放送局

2020年入局 初任地の鹿児島放送局でスポーツ担当のかたわら災害や医療など幅広く担当。

大学時代は大学のスポーツ新聞でアメフトなど8つのスポーツを取材してきた。

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