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特集 長谷川唯選手 なでしこジャパンの“要”

サッカー 2023年4月6日(木) 午前9:30

ことし7月にオーストラリアとニュージーランドで開幕するサッカー女子のワールドカップ。

2011年の大会で世界一に輝いた日本代表の「なでしこジャパン」は、その勢いのまま2015年も準優勝と結果を残しました。

しかし、前回のフランス大会では決勝トーナメント1回戦敗退と「世界との壁」にぶつかりました。

世界ランキング(過去最高3位)は、徐々に後退して現在11位。再び上を目指すチームの“要”として期待されるのが、ミッドフィルダーの長谷川唯選手(26)です。

 

世界最高峰の舞台でプレー

長谷川選手の特長は、中盤の選手としての総合力の高さです。

足元の技術に優れ、正確なパスやスピードあるドリブルなどでチャンスを作る「司令塔」の役割をこなす一方、運動量も豊富でチャンスでは前線に顔を出して積極的にゴールを狙います。

 

 

これまで各育成年代のワールドカップに出場し、2014年に行われた17歳以下の大会では優勝を経験。

順調にキャリアアップし、2021年からはヨーロッパでプレーしています。

 

 

現在はイングランドスーパーリーグのマンチェスターシティーに所属し、世界最高峰の舞台でしのぎを削っています。

 

新たな役割“チームの要”として

代表の中心選手に成長した長谷川選手は、去年11月のヨーロッパ遠征から、中盤で新たな役割を任されました。

それが従来の攻撃的ミッドフィルダーから1つ後ろに下がった“ボランチ”。汗かき役となって守備も求められるポジションで、チームの”要”と言われます。

 

 

ボランチで起用されているマンチェスターシティーでの活躍を、日本代表の池田太監督が評価。

池田監督は積極的にボールを奪って素早く攻撃する“アグレッシブなサッカー”を目指していて、長谷川選手にはカウンターの起点になることを求めています。

 

 

日本代表としてのボランチの経験は「ほとんど記憶にない」という長谷川選手。

ただ、これまで味方のボランチとコミュニケーションをとる中で「こういうことをすればいいと分かっていた」と、スムーズに役割を理解できたと言います。

 

“要”としての収穫と課題

2月にアメリカで行われた国際大会。

日本は世界ランキングで格上のアメリカ(1位)、カナダ(6位)、ブラジル(9位)と対戦し、カナダに勝ちましたが、アメリカとブラジルには敗れ1勝2敗で終えました。

 

 

長谷川選手はこの3試合でボランチとしての収穫と課題を得たと言います。

手応えをつかんだのは、相手のパスを奪う“インターセプト”

 

 

「相手の攻撃を予測できた」とピンチの芽を何度も摘み取り、攻撃に転じる場面を演出しました。

一方、相手との1対1でボールを奪う“デュエル”では「相手にぶつかって取るシーンがあまりなく、そういうタイミングもつくれなかった。まだまだ足りない」と率直な思いを語りました。

体格が大きい選手がそろうイングランドスーパーリーグで、課題のフィジカルコンタクトを強化しています。

 

”要”としての責任を胸に

チームは4月、本番前最後の海外遠征を行い、いずれもワールドカップに出場するポルトガル(21位)やデンマーク(15位)と強化試合を行います。

長谷川選手は「このタイミングでヨーロッパとチームと試合できるのはプラスだし、経験を無駄にせずワールドカップにつなげたい。勝ち癖をつけて臨めるように」と語りました。

 

 

 

 

26歳で迎えることになる2回目のワールドカップでは、多くの若手とプレーします。

長谷川選手は、海外で経験を積み、なでしこジャパンの“要”に成長した姿をピッチで表現する決意です。

 

長谷川唯選手

「プレーでしっかりと引っ張りたい。若い子たち、経験のない子たちに、自分の経験をたくさん伝えたいと思うし、そういう子たちの意見もたくさん聞いていきたい」

 

この記事を書いた人

坂梨 宏和 記者

坂梨 宏和 記者

平成21年NHK入局 福岡県出身

長崎局、広島局などを経てスポーツニュース部。プロ野球を担当した後、現在はサッカー担当。

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