2023世界選手権 女子日本代表ロコ・ソラーレ意気込み語る

NHK
2024年3月8日 午前10:35 公開

(※2023年3月15日スポーツオンライン掲載)

2023年3月18日にスウェーデンで開幕するカーリング女子の世界選手権。日本選手権を制したロコ・ソラーレが日本代表として出場します。彼女たちにとっては7年ぶりの世界選手権の舞台です。大会を前に合同記者会見で語った彼女たちの意気込みや大会にかける思いをまとめました。大会前にぜひ読んでみてください。

まず語ったのは7年ぶりとなる大舞台への思い


最初に日本代表(ロコ・ソラーレ)のメンバーを紹介しましょう。

(写真左から)藤澤五月選手、吉田知那美選手、鈴木夕湖選手、吉田夕梨花選手、石崎琴美選手

リードが吉田夕梨花選手、セカンドが鈴木夕湖選手、サードが吉田知那美選手、スキップが藤澤五月選手、そしてリザーブの石崎琴美選手、この5人で臨みます。会見は5人が大会にかける思いを話すことから始まりました。

<吉田夕梨花選手> 『7年ぶりにようやく世界選手権にチームとして出ることができるので、強くなって戻ってきた姿を世界戦で見せたいと思います。私たちらしいパフォーマンスを1試合でも多くできたらいいなと思います』

<鈴木夕湖選手> 『世界選手権は久しぶりということもあってすごく楽しみにしています。しっかりチームでやるべきことをやって準備して挑めると思っているので、私たちらしい戦いをして、皆さんに楽しい応援したいと思っていただけるようなカーリングをしたいと思っています』

<吉田知那美選手> 『2016年以来の世界選手権となります。そんなに出ていなかったのかと思うぐらい、2016年から2023年までチームで2回もオリンピックを経験し、グランドスラムなどにも出場し、たくさんの大きな壁を越えて来て2度目となる世界選手権に挑むことができます。7年前は若手で、ニューカマーでダークホースと言われたんですけど、7年ぶりに帰ってくる世界選手権では、チーム藤澤として成長した姿を見せられるように頑張りたいなと思っております』

<藤澤五月選手> 『7年ぶりの世界選手権、そして2020年の中止になった試合をせずに悔しい思いをした世界選手権、そのから私たちは一歩ずつ成長して、世界選手権に帰ってくることができました。世界選手権っていうのはオリンピックともまた違う、グランドスラムとも違う、いろんなチームが世界のトップチームが集まり、そしてチーム数も多い大会になります。その中でしっかりと自分たちのパフォーマンスをする。皆さんに楽しい試合を見てもらうというのを、しっかりと最終日までできるようにチーム一丸となって、体調を崩さないで元気に戦い切れるようにやっていきたいと思います』

<石崎琴美選手> 『今シーズン最後の公式戦になりますので、今までコツコツみんなで積み重ねてきたものを最後にまた公式戦の最後で出せることができたらいいなと思っています』

前回出場した2016年大会の思い出


選手たちにとっては、7年ぶり2回目の世界選手権。前回大会は銀メダルという結果でした。決勝で敗れたあと、藤澤選手は「最後に決めきれなかったのは私の責任。もっと強いスキップにならないといけない」と話していました。そのことを振り返っての質問に藤澤選手は、こう答えました。

(写真)世界選手権決勝でスイスに敗れ涙を流す藤澤選手(2016年3月)

<藤澤五月選手>
『あの決勝は今でも鮮明に覚えています。最終エンドは1点負けていての後攻。2点取れるチャンスがあった中で、最後私のドローが早くて負けてしまった。悔しさももちろんそうですが、初めて世界選手権のファイナルという舞台に立って、決勝は開催国カナダではなく日本とスイスというカードでした。それでも、ほぼ満席の観客の中で、あの雰囲気っていうのはいままで感じたことのないような雰囲気で、この世界でこの舞台でカーリングができるということがこんなにうれしいことだというのを覚えています。この中で負けて悔しい思いをしたのも鮮明に覚えています』

(写真)世界選手権決勝のスイス戦 藤澤選手のショット(2016年3月)

<藤澤五月選手> 『そこから7年たって、スイスのメンバーはほとんど変わっている中で、こうやって私たちロコ・ソラーレは同じメンバーで、琴美ちゃんも加わって7年ぶりにこのメンバーで世界選手権に出られるという感謝の気持ちと、プラスこの7年間、どういう風に過ごしてきたか、どういう風に成長してきたかを発揮する舞台でもあるので、今本当にワクワクの気持ちと、どこまで自分の実力が通用するかっていうチャレンジ精神で迎えたいなと思っています』

ほかのメンバーも7年前を振り返った。

(写真)世界選手権決勝を前に観客の拍手を受けて入場(2016年3月)

<吉田夕梨花選手> 『あのときの世界選手権は初めての日本代表で、あんなに大きな舞台で、右も左も何も分からずに、本当にただただ試合があるところに行って、何も分からないままアイスに立っていたなというのをすごく覚えています。正直、よくあそこまで行ったなと。若さ、勢いというのも、あのときの私たちにはあったのかなと思っていて、すごくいい思い出で、いい経験もしたなと思います。一方で、自分としてはもっといろいろやらなきゃいけなかったなと、カーリングの難しさを痛感した大会でもありました。7年たってあのときの若さはないけれど、7年間やって来たことを今回しっかりと氷の上でパフォーマンスしていきたいと思います』

(写真)世界選手権で銀メダルを獲得(2016年3月)

<鈴木夕湖選手>
『私もその年に初めて日本代表になって、初めての世界選手権に出場して銀メダルを取ることができました。決勝で負けてしまったあとは、すごく悔しい思いがありましたが、それまで日本選手権でも勝つことができなかった私が、本当に世界でもしっかり戦うことができて、自信につながった大会でもあったなということを覚えています』

<吉田知那美選手> 『2016年の世界選手権は、意外といろんなことを私は覚えているんですけれども、すごく印象的だったのは、終わったあとレセプションパーティーのお手洗いで、当時のスウェーデン代表3人と鉢合わせたことがありました。そのメンバーの方々が「あなたたちのパフォーマンス大好きよ」って声をかけてきてくれて、テレビで見ていた人たちに「あなたたちのパフォーマンス大好き」っていわれて、すごくうれしく思った記憶があります』

13チームで総当たり 長丁場の世界選手権


世界選手権に出場するのは開催国のスウェーデンをはじめ、日本、デンマーク、スイス、スコットランド、アメリカ、ノルウェー、トルコ、イタリア、韓国、カナダ、ドイツ、ニュージーランドの13チーム。最初の1週間でこの13チームが総当たりの予選リーグを戦います。まさに長丁場、会見でもこの話題に多くの時間が割かれました。

(写真)リモートで行われた合同記者会見

<鈴木夕湖選手>克服したい課題を聞かれ…
『世界選手権が久しぶりで、克服したい課題というのか連戦になると思うので、体力だったり、体のメンテナンスのところを本当に今まで以上にしっかりやりたいなと思っています』

<吉田知那美選手> 『私は自分の悪かったプレーや試合をちゃんと忘れることです。引きずらず、毎試合毎試合新しい気持ちで挑んでいくということを頑張りたい』

<藤澤五月選手> 『技術的な部分はそうですが、フィジカル的な部分も試されるのが世界選手権だと思うので、その中でいかにオンとオフをしっかり切り替えられるか、そして休むべきところでしっかり休めるかというところが大会全体のキーになってくると思います。勝ち上がるチームというのは、オンオフの切り替えもそうですし、大会後半になるにつれてアイスリーディングであったり、コミュニケーションであったり、集中力を欠かさずにチームパフォーマンスを上げられるチームだと思います。私たちはタフな試合は久しぶりで、どれだけ疲労感であったり、集中力が保てるかは、やってみなければわからないと思いますけど、7年間むだに過ごしてきたわけでは全くないので、工夫できることをチームで話し合いながらプレーしていければいいと思います』

トルコ戦はリベンジマッチ


対戦相手の中で、2人の選手が楽しみにしていると答えたのがトルコとの試合でした。その裏には北京オリンピック前の最終予選での悔しい敗戦がありました。

(写真)北京オリンピック最終予選のトルコ戦(2021年12月)

<藤澤五月選手> 『楽しみにしたい試合のひとつがトルコ戦です。私たちにとってはオリンピック前の12月の最終予選でトルコに負けてしまって以来の試合になるので、あのとき負けた試合のリベンジを世界選手権でしたいなと思っています』

 <石崎琴美選手>
『さっちゃん(藤澤選手)が言ってくれたんですけど、私もトルコ戦をすごく楽しみにしています。最終予選で負けてしまったんですけど世界選手権では勝ちたいなと思っていますね』

スウェーデンに持参するものは…


(写真)2022年11月 パンコンチネンタル選手権優勝

カナダを中心に海外で戦っているロコ・ソラーレ。今大会はスウェーデンでの開催ですが、最後は何を持って行こうと考えているのか?中には“推し”に触れる選手もいました。

<吉田夕梨花選手> 『私は毎回遠征の時に「JO1」の推し活グッズを作って持っているので、今回も持って行きます』

<鈴木夕湖選手>
『チームのよりどころとして「干し芋」を持って行っていて、今回もたくさん用意しました』

<吉田知那美選手> 『選手のスタッフが深刻そうに話していたのは「しゃもじ」でした。チームとして「しゃもじ」を持って行きます』

<藤澤五月選手> 『現地にスーパーがあるかどうかわからないので、「日本食」を少し多めに持って行きます』

<石崎琴美選手>
『常呂神社さんからいただいた「お守り」です。いつもかばんの中にいれているが、今回も持って行きたいと思います』

5人の個性がそれぞれに輝くロコ・ソラーレ。日本代表としてどんな結果を残してくれるのか、今から楽しみです。NHKではテレビ中継はもちろん特設サイトを開設し大会の情報を詳しくお伝えします。

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