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特集 知って楽しい!フィギュアスケートのトリビア

フィギュアスケート 2020年11月18日(水) 午後8:05

フィギュアスケートの観戦に関する疑問について徹底解説!これであなたも観戦プロになれる?

 

みなさんはフィギュアスケートのリンクに投げ込まれる花束について気になりませんか?

 

僕はいつの日かリンクに投げ込まれる花束になることが夢なんです。

 

あっ、どうもはじめまして。若葉です。

 

ことし(2020年)は新型コロナウイルスの影響で、投げ込まれる花束になる夢はかないませんが、今日はいつか来るべき日のために、先輩にいろいろ観戦に関する疑問を聞いてみたいと思います。

疑問① スケートリンクって寒いの?

 

(若葉)

先輩、今日はいろいろ教えてください! 先輩みたいな立派な花になって、いつの日かフィギュアスケートのリンクに投げ込まれたいと思ってるのですが、テレビで見てたら、気になることがいくつかあって…”

 

 

(花先輩)

“どうも、です。いや〜僕にも君みたいな若葉時代があったよ。最近調子はどう? ちゃんと養分足りてる? 立派な花束の一員になるためには知らなきゃいけないことがたくさんあるからね〜。今日はなんでも聞いてくれたまえ!”

 

 

“は、はいッ! 先輩はいつリンクに投げ込まれる予定なんですか?”

 

 

 

 

 

“いつでもいけるよ!! 気分的にはいつでもいけるんだけど…、それはさておき、さあ質問!質問!”

 

 

 

 

“えっと、まず素朴なギモンなんですが…あのフィギュアスケートの会場って寒いんですか? 僕まだ温室しか知らなくて…”

 

 

 

 

“そうか! 会場の寒さを君はまだ想像できないかもしれないね。私はあまり寒さを感じたことはないけど、普通の人は寒く感じる人が多いみたいだぞ。スケートリンクのコンディションが第一だから、観客席は10~12℃くらいになるんだ”

 

 

 

“10℃…さむッ!! 温室よりもかなり低いじゃないですか!! 寒いですよ!”

 

 

 

 

“普通の人は寒すぎて試合に集中できないかもしれないから、夏場でもひざ掛けや座布団を持っていくといいらしいぞ! 人間も大変だよな”

 

 

 

“僕も寒がりなんで、きちんと隣の花に寄り添い暖め合います!”

 

 

 

疑問② スケートリンクの氷ってどのように作られているの?

 
“選手にとって氷のコンディションが大事なのは分かるんですけど、投げ込まれる側からしてもそこは気になりますよね。そもそもあの氷はどこからやってくるんですか?”

 

 

 

“リンクの氷は、優秀なスタッフの超絶緻密な作業によって作られているんだ!!”

 

 

 

 
“あんなに広くて大きい氷を作る? 一体どうやって? 何日かかるんですか?”

 

 

 

 

 

“そうだな…5日間くらいはかかるかな。冷却管を敷き詰めて冷えたフロアの上に何度も水を撒くんだ! 撒いた水が氷ったらまた水を撒いて…30分に1回の散水を20回ほど繰り返したら、やっと1センチの厚みになる ”

 

 

 

“それを5日間ってことは…”

 

 

 

 

 

“5日間で8センチ! 強度もあって安全なリンクを作るのは、ほんっっっとうにスゴイことなんだぞッ!!”

 

 

 

疑問③ 後半に滑る選手って不利にならないの?

 
“でもそんな氷も、滑っていると削れちゃいますよね? それって…後半の選手のほうが不利になりませんか?”
 

 

 

 

“言っただろ? スタッフさんはとっても優秀だって!ちゃんとメンテナンスしてくれるんだ”

 

 

 

 

“なるほどスタッフの方々がいるからいろいろ安心なのは分かりますが、また何日もかかるんじゃ…”

 

 

 
“そこは大丈夫! 10分くらいで終わっちゃうから! スタッフは手作業で大きな穴を埋めて、それから製氷車を使って表面のデコボコを削り、温水で隙間を埋めて平らに仕上げるんだ! だから後半でも不利なんてことはないぞ!”
 
 

疑問④ 他のスポーツみたいに観客席から声を出して応援したらダメ?

 
“僕はもし会場で選手の素晴らしい演技を目の前にしたら、興奮して大声あげて応援しちゃうと思うんですけど…”

 

 

 

 

“何言ってるんだッ!!!”

 

 

 

 

 
“えっ?なにかマズイこと言いました…? 応援、ダメなんですか!?”

 

 

 

 

“選手たちはみんな緊張と興奮の中、集中して演技に臨んでいるんだ! そんなときに声を出すのはマナー違反!私だって声には出さないように耐えているんだぞッ…!”

 

 

 
“そうだったんですね…! 気を付けなくっちゃいけないんですね!”

 

 

 

 

“そう! 演技中の座席移動や飲食、撮影もNGだから気を付けることッ! いくら興奮しても、演技中だけはグッと! グッッッッと!! 我慢、我慢、我慢するのだ!!”

 

 

疑問⑤ 審判は、ジャンプの回転を目で追えているの?

 
“フィギュアスケートといえばやっぱりジャンプですけど、回転数って審判の方はちゃんと見えてるんですか?”

 

 

 

 

“もちろん! ちゃんと公認資格をもった審判が目視でジャッジしているぞ。慣れれば私でもジャンプの回転数を判断できるんだッ!”

 

 

 

“先輩ホントですか? 動体視力、スゴすぎません?”

 

 

 

 

“見るにもコツがあるってこと! もちろん審判でも意見が分かれることもあるから、カメラの映像を使って正確な判断も行われているぞ!”

 

 

 

“コツがあっても、演技を見ながら回転を数えるのは難しそうですが…”

 

 

 

 

“実は審判にはジャンプやステップの技術のみを見る《テクニカル・パネル》と呼ばれる3人の技術審判がいて、審判によって判定する箇所を分けているから安心してくれ!”
 
 

疑問⑥ リンクに投げ入れているものはなに? どうしたら投げ入れられるの?

 
“ところで、演技が終わると色々なものがリンクに投げ込まれていますよね。僕もはやく成長して、綺麗な花を咲かせて投げこまれたい!”

 

 

 

“いや〜若い頃の私を見ているようだ、分かるぞその気持ち! ちなみにNHK杯ではアリーナ席からしか投げられないぞ!”

 

 

 

 
“えぇーっ!! そうなんですか!? そこにもいろいろな決まりがあるんですね…”

 

 

 

 

“でも大丈夫! 選手に贈り物を届けたいなら、会場にプレゼント用のボックスがあるんだ! きちんと宛名をつければ選手に届くぞッ! でも投げこまれたいよな〜、私も早く投げこまれたい!!(涙)”

 

 

 

“先輩…。そ、そのうちきっと投げこまれる日が来ますよ! まずは花束として観客に買ってもらうことが大事ですよね?”

 

 

 

 
“そうだな、花束なら会場で買えるようになっているからその日が来れば! ちなみに会場では毎回決まった生花店が出店していて、投げやすいようなスポンジの重りが付いたものなんかも売っているんだ! これを読んでる方、今度は私を買って投げ込んでください!!(切実)”

 

疑問⑦ プレゼントを回収する子供たちは誰?

 
“ところで、そのプレゼントを回収するのに、子供たちが出てきますよね? あれって誰なんですか?”

 

 

 

 

“あの子たちはフラワーガール! 試合会場近くのリンクでスケートをやっている子供たちが選ばれているんだ。憧れの選手と同じリンクに立てるなんて、子供達にとってはすごく貴重な体験だろうね〜”

 

 

 
“夢がありますね! もしかしたら未来のスター選手に僕たちも拾われるかもしれないってことですよね?”

 

 

 

 

“そういうこと! だからしっかりと養分を吸って綺麗な花を咲かせてくれ! 私が投げこまれた後のことは頼んだぞ!”

 

 

 

 
“せ、先輩! 僕先輩みたいに綺麗で可憐な花を咲かせます!!(涙) 今日はありがとうございました!”

 

 

 



若葉くんの今後はもちろんですが、先輩が投げこまれる日も近いかもしれませんね。


それはさておき、皆さんがテレビの画面で何気なく見ていたシーンや、スケートリンクにも深い意味や決まりがあったのです。

これからは少し違った見方で、よりフィギュアスケートを楽しんでみてはいかがでしょう。

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