特集 Shigekix 全日本ブレイキン選手権 3連覇を目指して

2024年のパリオリンピックで新競技として実施されるブレイキン。まもなく開催される全日本選手権(2月18日~19日)を前に、大会3連覇を目指す、ダンサーネームShigekixの半井重幸選手に大会への意気込みなどを聞きました。
ーー全日本選手権に向けて仕上がりは。
Shigekix
前回の個人戦の大会がおそらく去年の12月とかそのあたりだったので、そこから考えると約2か月近く改良を重ねて次の全日本選手権までみたいなそういう時間を過ごせてきたのかなと思っている。もちろん去年の経験とか引き続き自分の持ってるよさだったりとか戦い方みたいなのは基盤としてありつつ、ここ2か月ほど自分が新たに意識したことだったりとか改善点があるんじゃないかなみたいに向き合ってきた部分が少しでもよくなった状態で全日本で出せたらいいと思ってるので、感覚としてはワクワクしていますね。
ジャパンオープン決勝 優勝したShigekixの演技(2022年11月)
ーー改善点を挙げるとしたらどういうところか。
Shigekix
相手に対して、周りに比べて自分がここが強いからとか、ここは弱いから改善するというより、もう本当自分の中でですよね。どこまでレベルを上げていって、もっともっとレベルアップっていうのは限界がないので、たとえ去年の成績だったりとか自分の踊りがすごくよかったとしても、それは去年の自分であって、次の日からまた成長できるので、そういった意味で自分の強いところも、ウィークポイントと思っている部分だったりだとか、去年の出来のいい悪い、すべてにおいて常に少しでもレベルアップさせるという。あくまで誰かに対して対峙したときにどうということではなく、もちろんそこは最終的に戦略も大会当日は大事になってくるんですけど、やっぱり自分のレベルをどんどん上げていく、その限界のない自分の成長というか、向上心みたいなものを持って常にやっていますね。
ーー大会3連覇がかかっているが、優勝した2回からの気持ちの変化は。
第3回 全日本選手権 表彰式(2022年1月)
Shigekix
全日本でいうと2回目からオリンピックの選考に関わってくる大会として開催されて、その第2回目、第3回目と優勝させてもらってるんですけど、やっぱり第2回目、僕が初優勝したときの結果がその1年後の自分の海外戦に出場できるかどうかの切符をつかめるかみたいな選考に関わってきたりだとか、また次の年、2連覇できたときの結果が自分が大会に出られる可能性が広がったり、全日本は特にその大会が持つ意味というか、自分に対して大会後にもたらす影響は毎回特別な意味がある。なのであまり同じ大会に何度も出ているっていう感覚よりは第1回目だったら2020年、開催は20年にあったんですけどその次の年が22年の頭にあって毎年毎年、第2回目の全日本を本気で戦いにいって、第3回目の全日本を本気で戦いにいって、今回もその気持ちは変わらないと思いますし、メンバーも多少動きがあったりだとかもあるので、そこに関してはあまり意識はしてないですね。
世界選手権に出場 Shigekixは準優勝した(2022年10月)
ーー今回の全日本選手権で大事にしているテーマは。
Shigekix
やっぱり2023年になって、2024年のパリオリンピックがいよいよ1年後に迫ってきているというような、刻一刻と近づいて来ているワクワク感みたいなものはあるので、僕だけに限らずすべてのプレーヤー、ダンサー、応援してくださっているファンの方だったりとか、サポートしてくださっている方々にとってもより現実味が湧いてきている、そんなタイミングかなと思っている。僕自身プレーヤーとして、この2023年の自分の成績ももちろんですけど、24年につながっていくいいスタートダッシュというか新たなスタートになると思うので、そういう意味でことしはことしでまたフレッシュな気持ちで挑みたいなと思いますね。
ーー全日本選手権はブレイキンの認知度を高めて魅力を発信するチャンスだと思うが、どういう大会にしたいか。
第3回 全日本選手権決勝(2022年1月)
Shigekix
自分が大会でいい結果を残すこと以外で、自分の活動を通して多くの人にブレイキンの魅力ももちろんですし、本気で何かに打ち込むことの楽しさだったりとか、魅力度というか、そのすばらしさみたいなものを伝えていきたい。エネルギーを伝えたいって常に言ってることなので、もちろん全日本の大会としては僕がいつもどおり自分のために自分の結果をしっかり出す、いい結果を出すために頑張るんですけど、全体のストーリーを、物語を通して多くの人に大会の結果だけに限らず結果も含め、いいエネルギーを与えられたらうれしいなと思ってるので、日本で開催される大会ですし、注目されやすい、目に触れやすいタイミングかなと思ってるので、そこでいい踊りと何かいい影響を与えられたらうれしいなとは考えていますね。
ーー優勝への思いは。
Shigekix
もちろん、どんな大会でも優勝しなくていい大会はないので、自分の結果だけじゃなくて踊りも含めて、その日一番のダンサーでいられるように頑張りたいなと思います。
ーーパリでブレイキン初のオリンピック。金メダルは頭にあるか。
JDSF ブレイキン春合宿の公開練習(2022年3月)
Shigekix
目指す上で一番以外をイメージしながら目指した大会というのは今までにひとつもないので、そういった意味でパリオリンピックに日本代表として出場できるようになったときには、やっぱりそこで一番いいメダルを持って帰りたいっていう気持ちは自然なことなのかなとは思いますね。ただ過去の自分の経験も踏まえて言えることは、自分の踊りだったりとか自分の人生の通過点としてすごく大事に1秒1秒をかみしめながら目標に向かって全力でやるっていうのももちろんですし、現場に行けた際にはそこでの時間もすごく自分のために使いながら、いろんないい経験ができたらうれしいなと思いますね。そういうふうにすごくいいマインドとフィジカルのコンディションでいられれば、自然といい踊りといい結果がついてくると思うので、そこはどの大会も変わらないかなと思います。
ーーパリオリンピックに向けて、ことしの全日本選手権の持つ意味とは。
Shigekix
全日本はことしのスタートとして開催されるんですけど、その後も重要な大会っていうのは続いていくので、もう12月まで大会の予定が結構埋まっていて、大体スケジュールは見えてるっていうところで、本気で頑張るというのは、もう14年間やって来ていることなので、いつもどおり本気でやりながらも、けがをしないことだったり、その経験の中に何をまた新たに学べるのかみたいな、そういうところをすごく大事にしていきたいですね。全力でやるのはいつもどおり全力でやりたいと思います。
第3回 全日本選手権決勝(2022年1月)
ーー大会でブレイキンが注目されることへの期待は。
Shigekix
そうですね。もちろん僕の中でもすごく意気込んで参加させてもらう大会ですし、僕をふだんからサポートしてくださっているファンの方にはもちろん注目していただきたい瞬間でもありますし、僕を知っている、知っていないにかかわらず、僕を知るきっかけになったりその先にブレイキンに興味を持ってもらうきっかけになったりだとか、そういうきっかけづくりになればすごくうれしいかなとは思いますね。