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特集 大栄翔 "光る突き押し 四関脇破る" 大相撲初場所

相撲 2023年1月12日(木) 午後10:35

立ち合いから思い切りよく当たり、得意の突き押しで攻める相撲が光る大栄翔。番付を平幕に下げて臨む場所。この地位に安住するつもりはみじんもない。

 

大栄翔は関脇で迎えた去年の秋場所、小結だった九州場所と負け越して三役の地位から転落。今場所は西の前頭筆頭となった。平幕は5場所ぶりだ。

大栄翔

悔しい気持ちを持ってやっているので、そういう意味では「いい番付」と考えてやっています。

初日は先場所優勝争いを引っ張った関脇・高安との一番。低く強く当たり、重い腰の相手を圧倒する相撲だった。

 

実力者・高安に力強い取り口を見せた(2023年初場所初日)

2日目には関脇・正代に勝ち、3日目は大関・貴景勝に敗れはしたものの、4日目には関脇・若隆景を破って崩れることはなかった。そして5日目は関脇・豊昇龍戦。勝ちっぱなしで勢いに乗る豊昇龍が立ち合いで攻め込んだものの、大栄翔が距離を取りながら前に出る相撲を貫き、そのまま突き倒した。

 

全勝の豊昇龍に土をつけた(2023年初場所5日目)

大栄翔

立ち合いで押し込まれたんですけど当たれてはいたので、その後も落ち着いて慌てずに攻められました。

日本相撲協会の八角理事長も「下がっても焦らなかった。とにかく距離を置いて突き放していた。元気に体が動いている」と相撲内容を評価した。5日目で三役以上の勝ちっぱなしはいなくなり、大栄翔は四関脇すべてから白星を挙げた。それでも浮つかない姿勢が5日目の取組後の取材でもかいま見えた。

大栄翔

序盤が終わったばかりなので、しっかりここから集中してやっていきたい。

本人はいたって冷静だったが、取材する立場としては上位陣を次々となぎ倒した2年前の初場所の姿を重ねてしまう。その時も番付は今場所と同じ西の前頭筆頭。初日、大関だった朝乃山を破り、役力士からことごとく白星を重ねて13勝2敗で初優勝を果たしている。少し気は早いが、今場所もその時のような快進撃の期待がかかる状況だ。

 

大栄翔は初優勝し八角理事長から賜杯を受け取る(2021年1月初場所)

大栄翔

2年前もあまり意識せずに最後の最後でつかめたと思うので、変に意識せず1日一番という考えでやっていきたい。

中盤戦の6日目は小結・霧馬山との対戦が組まれた。番付上位との対戦はここからも続くが、大栄翔の勢いに注目したい。

 

 

この記事を書いた人

舟木 卓也 記者

舟木 卓也 記者

平成25年NHK入局。令和2年秋からスポーツニュース部。

プロ野球(ロッテ)担当を経て、現在は大相撲や柔道など格闘技担当。

 

 

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