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特集 競馬 チャンピオンズカップ ことしの砂のチャンピオンは?

競馬 2022年12月2日(金) 午後3:50

今度の日曜日(12月4日)、ことしのダート王を決めるチャンピオンズカップが愛知県の中京競馬場で行われます。JRAのダートGⅠはこのレースとフェブラリーステークスだけ。ダート馬にとってビッグタイトルの1つです。去年はテーオーケインズが6馬身差の圧勝でした。ことしも出走を予定していてどんな走りを見せるか注目が集まります。

史上2頭目のチャンピオンズカップ連覇なるか

栗東トレーニングセンターのテーオーケインズ

人気を集めるテーオーケインズは5歳となった現在も強さを見せています。22回の歴史の中で連覇を達成したのは2010年と2011年に勝ったトランセンドだけ。高柳大輔調教師は「連覇と聞くと緊張する。すごく難しいことだと思っているので、1つ1つ不安を解消してレースに臨みたい」と話しています。

 

高柳 大輔 調教師

テーオーケインズはデビューから気性の難しい馬だったということです。以前はパドックでもうるさいところを見せていましたが、4歳になったあたりから落ち着くようになり精神面での成長を感じさせました。さらにことし2月、この馬にとって大きな経験がありました。サウジアラビアで行われた世界最高賞金のレースへの挑戦です。結果は14頭中8着。しかし初めての異国の地で普段と違う景色・空気感を体験したことで環境の変化があっても物怖じしなくなったと言います。

 

サウジカップでテーオーケインズ(左から2頭目)は8着に入った(2022年2月)

高柳調教師は「人間と同じなんですよね。人も初めて行く海外ってよくわからないじゃないですか。でも1回経験すると次回から違いますよね」と納得の例えを出して説明してくれました。

連覇がかかる今回、テーオーケインズにとってのポイントは「スタート時にゲートをうまく出られるか」です。高柳調教師はこれまで負けた時はスタートに失敗していて不安を持っています。レースまで精神面でのケアをしてそれを積み重ねて臨みたいとしています。またテーオーケインズは“一生に一度巡り合えるかどうかの馬”と表現します。去年のチャンピオンズカップの優勝は高柳きゅう舎にとって初のGⅠ制覇でした。

 

去年のチャンピオンズカップを制したテーオーケインズと松山弘平騎手(2021年12月)

また大きなタイトルをもたらすか、成長したテーオーケインズのレースが楽しみです。

3歳馬の台頭はあるのか?

ことしの秋競馬は「3歳馬の好走」がキーワードの1つです。秋の天皇賞のイクイノックス、マイルチャンピオンシップのセリフォス。並み居る古馬を破って3歳馬がビッグタイトルを手にしました。今回のレースでも3歳馬が王者テーオーケインズに挑みます。ことしは3頭の3歳馬が出走します。そのうちの1頭が海外のレースで結果を出したクラウンプライドです。

 

ドバイのUAEダービーを制したクラウンプライド(2022年3月)

クラウンプライドはことし海外の2レースに出走しました。1戦目は3月にUAE=アラブ首長国連邦のドバイで行われた重賞のUAEダービー。初めての海外遠征でしたが直線は後続を突き放し勝利しました。この実績を携えて5月にはアメリカのケンタッキーダービーに出走しました。ダートが主流のアメリカで最高峰のレースです。このレースは序盤からハイペースになり、過去に出走した日本馬はその集団についていくのがやっとでした。しかしクラウンプライドは実力馬がひしめく中、結果こそ20頭中13着でしたが、直線に入ったところまで先頭争いをして見せ場を作ったのです。

 

クラウンプライド(中央)が出走したアメリカのケンタッキーダービー(2022年5月)

新谷功一調教師は「ケンタッキーダービーの歴史の中で、日本馬が先行することはなかったのですが、そこを日本馬でもやっていけるというイメージをつけられたのはよかったと思います。この馬のスピードは見せられたと思います」と手応えを感じています。

 

新谷 功一 調教師

3歳のうちに複数の海外レースに出走するのは非常に珍しいことです。新谷調教師はクラウンプライドが3歳のうちにいろんなことを経験させたいと考えたからだと説明します。ここ2走は4歳以上の古馬が出走するレースに臨み、前走は初めて逃げる競馬をしてテーオーケインズに次ぐ2着。“3歳なので伸びしろがある”と語るように将来を見据えた大きな経験を積んでいる最中です。

 

新谷調教師とクラウンプライド

新谷調教師に聞くと「海外の競馬を経験してどっしりするようになったしスタートも安定している。状態は非常にいい」とのことです。新谷きゅう舎にとってJRAのGⅠは初挑戦。しかしケンタッキーダービーを経験した新谷調教師に気負いはありません。

クラウンプライド以外の3歳馬ではJRAと地方競馬の強豪が争うジャパンダートダービーを制したノットゥルノ。そして重賞を含めてまだ掲示板を外したことがないハピが出走します。チャンピオンズカップでの3歳馬の優勝は過去に5頭。クロフネ、カネヒキリ、クリソベリルなど強烈な印象を残した馬ばかりです。期待の3頭が“新ダート王”の座につけるのかも注目です。

 

NHKの競馬中継では唯一のダートレース。ことしもどうぞお楽しみください。

 

 

この記事を書いた人

清水 敬亮 アナウンサー

清水 敬亮 アナウンサー

2007年入局 宮崎局-釧路局-岡山局-大阪局

 

思い出のダート馬はホクトベガです。芝のエリザベス女王杯で優勝しましたが、その後は低迷した時期もありました。ただダートを主戦場としてからは国内のダートレースで10連勝を飾り無類の強さを見せました。私にダートレースの魅力を教えてくれた思い出に残る1頭です。

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