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特集 豊昇龍 10年ぶりの決まり手で沸かせる23歳~ふた桁勝利を目指して~

相撲 2022年11月17日(木) 午後11:15

九州場所は序盤戦最後の5日目。

 

14人も1敗力士がいる中で会場を沸かせたのが関脇・豊昇龍だ。

 

十両時代も含めて過去5回の対戦で一度も勝ったことがない前頭3枚目の翠富士との一番だった。

 

立ち合い、右上手を取りに行った豊昇龍に対し、懐に入った翠富士がひざを入れて切り返し。

 

またも勝負は翠富士かとなったところで軍配は豊昇龍に上がった。

 

体が浮き上がりかけたが持ち前の身体能力で逆に自分の足を掛け、最後は上手を離して先に倒した。

決まり手は「かわづ掛け」

 

幕内では平成24年春場所で隆の山が勢を相手に決めて以来、10年ぶりだった。

 

きわどい勝負に珍しい決まり手。

 

会場は大いに沸いた。

1敗を守った豊昇龍は取材に応じ「しっかり集中できた相撲だったなと思う。狙ったわけじゃないので流れで。体の動きは悪くない」と冷静に振り返った。

 

決まり手が幕内で10年ぶりと伝えられると「珍しい技で勝ったという感覚はなかったのでよかった」と笑顔を見せた。

 

この取組について大相撲中継の解説を務めた元横綱・北の富士の北の富士勝昭さんは「豊昇龍の足腰はいいね。あの体勢から掛けるもんね」と絶賛した。

 

強靱な足腰に最後まで勝負を諦めない負けん気の強さは、おじの元横綱・朝青龍ゆずりだが今の豊昇龍はそれだけではない。

 

ことしの春場所、新小結で勝ち越し。

 

さらに夏場所、名古屋場所も勝ち越して新関脇として臨んだ先場所も勝ち越した。

今場所は初日の琴ノ若戦に勝ち3連勝のスタートを切った

三役昇進後も確かな実力を示している。

 

その背景にあるのが兄弟子、明生との連日の激しい稽古。

 

「どっちも負けたくない気持ちはあるし、僕は先輩には負けたくない。明生関は後輩には負けたくない。お互い毎日、真剣勝負をしている」

 

さらに食事やトレーニングで体重も140キロを超えるまでに成長した。

豊昇龍は今場所前、精力的に稽古をこなしてきた

稽古で培った確かな実力と自信を胸に、三役昇進後初のふた桁勝利に向けて気合いは十分だ。

 

「しっかり体を作ってきた。1年納めの場所だから良い成績を残したいし、一番でも多く勝ちたい」

 

4日目ですでに全勝の力士はいない。

 

三役には48年ぶりに関脇3人小結4人が座る。

 

その1人豊昇龍が星を伸ばすのか、それともほかの力士が待ったをかけるのか。

 

混戦の九州場所は中盤戦に入る。

 

この記事を書いた人

持井 俊哉 記者

持井 俊哉 記者

平成26年NHK入局

北九州局を経て、スポーツニュース部。小1から剣道をはじめ、現在、5段。「打って反省、打たれて感謝」をモットーに何事にも謙虚に誠実にチャレンジすることを目指す。

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