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特集 NHK杯フィギュア 高橋成美さんに聞く大会の見どころ②ペアとアイスダンス

フィギュアスケート 2022年11月14日(月) 午前11:30

フィギュアスケート・グランプリシリーズ第5戦のNHK杯が11月18日から20日まで札幌市で行われます。

選手たちはどういう思いで4年後のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックに向けた最初のシーズンに臨んでいるのでしょうか。

2014年のソチオリンピックにペアで出場し、今回のNHK杯で解説を務める高橋成美さんに大会の見どころや高橋さんだけが知っている情報について聞きました。

2回シリーズの2回目はペアとアイスダンスについてです。

ペア  ”りくりゅう”はゴールドメダルを取っていく存在に!

ーー日本のペア”りくりゅう”の三浦璃来選手と木原龍一選手。大きく飛躍した昨シーズンを高橋さんはどのように見ましたか?--

 

高橋成美さん

本当に1試合1試合、ある意味面白いと感じるくらいのスピードで成長していました。

2人のコーチが常々私に言うんですが、このペアのストロングポイントは毎日毎日来て同じことをやる能力、そして同じことをやってさらにそれを良くしようと思えることだと。

純粋にフィギュアスケートがうまくなりたいというとてもフレッシュな気持ちを持っています。

みんなが忘れがちな繰り返す練習をしっかりと目的と課題を持って取り組めるところが強みですね。

また結果にこだわることなく今シーズンを含めこれからも自分たちが純粋にうまくなりたいという気持ちで、昨シーズンのようなスピードでどんどんレベルアップしていってほしいですね。

 

世界選手権で2位となった2人(2022年3月)

ーー”りくりゅう”のスケーティングの特徴は何でしょうか?--

 

高橋成美さん

2人を見ていると互いを思いやりつつスケートを上手くしようという気持ちにとてもあふれています。

この夏に三浦選手がけがをして、しばらく大技の練習ができなかったと聞いています。

そうした中でステップシークエンスなどの本当に細かい部分を何度も何度も練習したと。

「細かい部分まで今できることをしっかりやろう」と言い合って取り組んだからこそ、大技の練習をしっかり再開できたと思います。

もしかしたらこのけがが2人をさらに一歩進めさせるきっかけになったかもしれません。

NHK杯を含めてですがゴールドメダルをたくさんとっていくペアになると思います。

 

世界選手権での演技(2022年3月)

ーーNHK杯での”りくりゅうの"注目点を教えてくださいーー

 

高橋成美さん

世界で見ても”りくりゅう”は今、圧倒的な力を持った存在です。

他のペアと比較するのであれば、漫才でいうところの間のとり方ですね。

間をとることがすごく上手なんです。

漫才を詳しくわかりませんが、せりふなどを完璧にしないと間をとることまで意識が回らないと思うのですが、そういった部分まで2人はしっかりカバーできるレベルに達しています。

また成功失敗ではなく純粋に見て楽しいそして見て感動するところに期待をしてほしいですね。

絶対に感動できるので。

 

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アイスダンス  2人で作り出す世界に魅了される

ーーアイスダンスには日本の2組のカップルが出場します。それぞれの見どころを教えてくださいーー

 

高橋成美さん

村元哉中選手と高橋大輔選手のカップルからですね。

村元選手の良さは正確なステップワークや存在感を出すところと出さないところのけじめをはっきりつけられる、生粋の役者というかダンサーの部分。

そして高橋選手はまさに氷に吸い付くようなステップワークや普通の人ではなし得ない体の使い方でずっと躍動し続けるすごさ。

プログラムを通して休むところがないんですよね。

 

2位に入った四大陸選手権での演技(2022年1月)

リズムダンスもフリーダンスも時間があっという間に過ぎてしまう。

1つの作品が15秒のCMを見ているかのようにあっという間という演技をしています。

何度見てもまだ足りないなって思うんですよね。

 

ーーグランプリシリーズ初戦のアメリカ大会の演技を見て感じたことはありましたか?ーー

 

高橋成美さん

私はダンスの評価部分について100パーセント精通しているかというとそうではないのですが、アメリカ大会ではかなり取りこぼしているレベルであったり

事前に防げたかもしれない転倒評価への対処方法だったりについてまだちょっと対策しきれていなかったかなと。

注意したらすぐ直るような部分の点の取りこぼしがたくさんあった大会だったので、そうした部分を修正してしっかりとしたプログラム構成のもとで戦ったら、どこまで上に行くのかなと。

あんまり予想がつかないというかやっぱり上に行ってしまうのではないかと感じでいます。

 

フリーダンスでは2人が繰り出す本場もののオペラ座の怪人を見てほしいですね。

まさにキャラクターにしか見えなくなる瞬間があるんですね。

選手としてじゃなくて俳優としてみたいな。

 

ーー続いて小松原美里選手とティム コレト選手のカップルについて期待することは何でしょうか?--

 

高橋成美さん

彼らはあきらめない選手だなっていうのを常々感じていて、言ったことをしっかり成し遂げると感じています。

そういった面はすごく尊敬に値しますし、やり続けたら報われるということを本当に行動で示してくれています。

私は何度か今シーズンのリズムダンスを見ていますが、細かいところまでしっかり抜け目のないように仕上げていこうという気概をとても感じています。

2人が夫婦として一緒に生活している部分もあると思うんですが、スケーターとしても向かっている方向が一緒で互いを高め合っているなと。

それそれの魅力が引き立つように研究している感じがしてとても見ていて気になりますね。

 

ーー注目の海外カップルがいるんですよねーー

 

高橋成美さん

アメリカのマディソン・チョーク選手とエバン・ベイツ選手のカップルです。

彼らの一番すごいところはリフトですね。

長身(1メートル87センチ)のベイツさんが見せるエンターテインメント性はすばらしいですし壮大感もすごくあります。

 

世界選手権で3位となったチョーク選手とベイツ選手のカップル(2022年3月)

また2人とも表現という部分にとても強いこだわりを持っているスケーターです。

そういったこだわり抜かれた表現、ただやっている部分が何1つないんですよね、曲が始まってから終わるまで。

カップルになって長く、また組む前からアイスダンサーとしてそこを突き詰めている2人なので、技術的に減点されない本当に強い存在だと思います。

NHK杯は実力以上のパワーが出せる大会 

私と私の周りにいる日本選手にとってNHK杯は何とも言えない特別な大会です。

グランプリシリーズの1試合なんですがやっぱりNHK杯は特別でした。

現地の観客の熱い声援っていうのがことばの通りパワーになるんですよね。

後ろから押されているような感覚です。

 

エキシビションのフィナーレで観客に手を振る坂本花織選手(2021年のNHK杯)

そしてなんていっても時間。

NHK杯推しとかじゃないんですけど、時間だったりそういった周りの部分がとても正確なので本当に競技に集中できるんですよね。

日本っていうところもあって慣れ親しんでいる点はありますが。

やっぱり何かあったらどうしようって考える要素が省かれて、純粋にスケーターとしてスケートに全力を注げる試合というように私はNHK杯を感じています。

体が自然にNHK杯ならではのパワーを感じて実力以上のものが発揮できると思うので、安心して環境に身を任せて集中してほしいです。

 

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