ストーリーパラスポーツ

病気と向き合いながら"限界超え" パラ競泳 富田宇宙

2018-09-29 午前 11:30

横浜市で開かれてたパラ競泳のジャパンパラ大会。2年後の東京パラリンピックでメダルが期待される29歳の富田宇宙選手が、みずからがもつアジア記録を更新する泳ぎを見せました。

その活躍の陰には進行する病気と向き合いながらみずから「限界を超えるようなトレーニングをしてきた」と振り返る厳しい練習がありました。

「網膜色素変性症」を発症

日本体育大学の大学院生の富田選手は3歳から水泳を始めましたが、高校2年生の時に、視野が徐々に狭くなる「網膜色素変性症」を発症しました。

 

水泳は続けられないと新たに始めた競技ダンスも病気の進行によって断念。大学を卒業した6年前、視覚障害のある人が参加できるパラ競泳を紹介され、再び水泳を始めました。

競技を始めたころは「プールのセンターラインがかすかに見えていた」という視野は、病気の進行に伴ってさらに狭くなり、去年、障害の最も重いクラスになると世界のトップクラスと肩を並べることになりました。

健常者のトップレベル選手と同じメニューをこなす

日本体育大学では、健常者のトップレベルの選手と同じメニューの練習をこなし、1日に15キロを泳ぐこともあるという富田選手、持ち味の「持久力」を発揮して、ことし6月には400メートル自由形で、アジア記録を塗り替えました。

 

さらに今、持久力に加えて力を注いでいるのが「スピード」です。15メートルを全力で繰り返し泳ぐ練習やチューブで引っ張りながら負荷をかけて泳ぐ練習を多く取り入れ、スピードの向上を図ってきました。

日本のエースに0秒2まで迫り自己ベストを更新

そして、迎えたジャパンパラ大会の男子50メートル自由形では、リオデジャネイロパラリンピックで銀メダルを獲得した日本のエース木村敬一選手に、あと0秒2まで迫って自己ベストを更新。

 

ジャパンパラ 水泳男子 400m自由形 決勝 (2018年)

 

さらに、得意の400メートル自由形の予選でも「前半から気持ちよくスピードに乗れた」と、みずからのアジア記録を1秒近く更新する4分33秒71をマーク。これはリオデジャネイロパラリンピックの銀メダルに相当する好タイムです。

金メダルを取りたいという気持ちが誰よりもある

富田選手は「オリンピック選手がいるトップレベルの環境で、トレーニングをやらせてもらっている。練習の強度が高いからこそ、自分の記録を破っていけると思う」とみずからを分析しました。

 

ジャパンパラ 水泳男子 自由形400m 表彰式 (2018年)

 

そのうえで、2年後の東京パラリンピックに向けて「400メートルの自由形で、金メダルを取りたいという気持ちが誰よりもある。それまでに誰にも負けない記録を出し、本番でそれを更新できるようなレースをしたい」と意欲を見せていました。

進行する病気と向き合いながら、厳しい練習で限界を超えてきた富田選手。これからの2年間の記録更新に注目です。



※こちらは、2018年9月29日に公開された記事です。内容は公開時のものとなります。

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