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特集 「大相撲のお茶屋とは?」 国技館で行われる秋場所を前に

相撲 2022年9月9日(金) 午前11:08

東京両国にある国技館の升席。ここで大相撲を観戦するお客さんがお世話になるお茶屋。正式には相撲案内所と言って国技館に20軒あります。コロナ禍でしばらくお茶屋は開かれていませんでしたが、ことし5月の夏場所から再開しました。そのお茶屋について調べました。掲載した写真はコロナ禍前の令和元年の夏場所のものです。

お茶屋はどこにあるの?

国技館の正門から左手にある入り口には、お茶屋が両脇にずらりと並ぶ通称「茶屋通り」と呼ばれる場所があります。浅草の浅草寺の仲見世のような風情があって、それぞれのお茶屋の屋号を染め抜いたのれんの上には季節の造花が飾ってあります。「国技館に入ればそこは江戸時代」とよく言われますが、こうしたお茶屋の様子を見ると、確かに「江戸時代に来たかな」という印象を受けます。江戸時代に始まったお茶屋は、蔵前から両国に国技館が移転した時も一緒に移り、大相撲と共に長い歴史を歩んでいます。

どんなサービスをするの?

お茶屋の店先で待機している出方(でかた)さんと呼ばれる粋な裁着袴(たっつけばかま)姿の男性が、お客さんが来るとチケットの座席を確認して1階の升席に案内してくれます。初めて大相撲を観戦する人には丁寧に国技館の中を説明しながら、席まで案内しています。

 

出方さんがお客さんを案内する

大きな袋に入ったおみやげを運び、館内の売店まで行かなくても注文を聞きに来て、追加の飲み物を席まで持って来てくれます。出方さんの年齢はさまざまで、年3回の国技館での本場所中はお茶屋と契約して専属で働きますが、相撲がないときは農業や自営業などの仕事を持っている人が多いということです。

 

出方さんがおみやげ袋を升席まで運ぶ

お茶屋の利用は、どうすればいいの?

国技館サービス株式会社のホームページでは、お茶屋の利用方法が分かりやすく紹介されていて、チケットの購入から事前準備、国技館到着と項目を分けてイラスト付きの説明があります。新型コロナの影響はまだ続きますが、「茶屋通り」に少しずつにぎわいが戻ればいいですね。また今はチケットを公式販売サイトやコンビニでも購入することができます。

 

取組が終わると「茶屋通り」は大混雑

相撲専門雑誌「NHKG-Media大相撲中継」から

 

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