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特集 新十両 欧勝馬「目指すは師匠の番付、大関」 天国の父に活躍誓う 大相撲名古屋場所を前に

相撲 2022年7月8日(金) 午後7:55

初土俵から4場所で十両昇進を果たした欧勝馬。「目指すは師匠の番付、大関」と語る25歳は、天国の父に活躍を届ける、と稽古に励んでいる。

幕下優勝 4場所で十両に

 

5月の夏場所、欧勝馬は身長1メートル87センチ、体重150キロの体を生かした押し相撲を中心に幕内経験者などから次々白星を挙げ、7戦全勝で幕下優勝。去年の九州場所、幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏んでから4場所で十両昇進を果たした。

 

欧勝馬

うれしいです。ただ十両に上がると15日間戦うので、今と同じくらいだと勝てない。今以上に頑張らないといけない。

モンゴルから来日レスリングから相撲へ

 

遊牧民が暮らすモンゴルで生まれ育った欧勝馬。子どものころは、馬に乗ったり羊の世話をしたりしながら、すくすく育った。

 

 

転機は、17歳の時。体格のよさを見込まれ、現在の小結・豊昇龍らと同じ飛行機で来日。千葉県の高校ではレスリングに打ち込み、全国高校選抜で優勝するなどすぐに頭角を現した。その後、進学した日本体育大学で「ずっとやりたかった」という相撲の道に。めきめきと力をつけ、大学4年では学生横綱に輝いた。

角界入り そして父の死

最愛の父とモンゴルの海で

さらなる高みを目指して決断した角界入り。大学時代から指導を受けてきた元大関・琴欧洲、鳴戸親方を頼って鳴戸部屋に入門した。しこ名はモンゴルで馬を飼っていたこともあり「欧勝馬」に決まった。しかし、去年8月。力士人生を歩み出した欧勝馬に悲しい出来事が待っていた。初土俵を前に最愛の父、プレブスレンさん(享年50)を亡くしたのだ。

 

「頑張ってこい」と日本に送り出してくれた父。大相撲で活躍する姿を見せることはかなわなかった。

 

欧勝馬

学生横綱になったときは、すごく喜んでくれました。早く強くなるのを見たかったんだと思います。でも天国から見ていると思うのでもっと頑張らないと。

父親への思いを胸に稽古に励み、鳴戸部屋初の関取となった欧勝馬。師匠の鳴戸親方は努力し続ける姿に目を細めながら“さらに上を”と背中を押す。

 

鳴戸親方

ここで満足しないでほしい。十両に上がることがゴールじゃなくてここからがスタートだ。もっと成長して上に上がってほしい。

当たりの強さを追い求めて

先月(6月)、新型コロナウイルスの影響で禁止されていた出稽古が、およそ2年ぶりに解禁。欧勝馬は精力的にほかの部屋に出向き、稽古に励んだ。

 

 

磨いてきた当たりの強さ。高砂部屋では、ほとんどの力士を圧倒したが、大関経験者の朝乃山には逆に立ち合いから力の差を見せつけられた。「本当に強かった。当たってくる圧が違った」と本音を漏らしながらも「負けた一番一番が勉強になる」と前を向いた。

 

 

鳴戸親方も「上に上がりたいなら強く当たらないといけない」と師匠みずからまわしを締めて胸を貸す。

 

「目指すは師匠の番付、大関」。天国の父親に活躍を届けるために欧勝馬はきょうもみずからを追い込む。

 

欧勝馬

毎日自分のいけるところまで頑張る。名古屋場所の目標は十両優勝。そして、師匠のように愛される力士になりたい。

 

この記事を書いた人

持井 俊哉 記者

持井 俊哉 記者

平成26年NHK入局

北九州局を経て、スポーツニュース部。小1から剣道をはじめ、現在、5段。「打って反省、打たれて感謝」をモットーに何事にも謙虚に誠実にチャレンジすることを目指す。

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