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特集 “おにぎり君” 隆の勝 「優勝『できるかな』が『絶対できる』に変わった」 大相撲名古屋場所を前に

相撲 2022年7月7日(木) 午後6:20

大関候補の1人と言われながら、三役から平幕に下がっていた隆の勝が、夏場所、1横綱2大関を破って千秋楽まで優勝争いに加わり、11勝を挙げて殊勲賞を獲得しました。

 

隆の勝(右)に藤井康生元NHKアナウンサーがインタビュー

大きな経験を生かして名古屋場所から再び上を目指す隆の勝に、藤井康生・元NHKアナウンサー(大阪学院大学特任教授)がインタビューしました。

夏場所は優勝争いと金星が自信になった

――関取は「おにぎり君」と呼ばれていますが、どう思っているのですか。

 

愛称があるのはありがたいと思っています。それだけ覚えてくれる人も多いので。

 

夏場所千秋楽  殊勲賞を受賞した隆の勝

――気に入っていますか。

 

気に入っているかというと……(笑)、まあキャラに合ってるのかなと思いますね。

 

――インタビュールームに来てもらったときも、ニコニコニコニコしていますよね。ふだんからでしょうか。

 

そうですね。ふだんからですので、自然に出ちゃう感じですね。

 

――力士の中では、ああいう公の場所でカメラで撮られると、急に顔が硬くなる人もいますが。

 

まあ、あんまり笑っちゃだめなのかなとも思いますが、でもうれしいものはうれしいので止められないというか、感情を出してもいいのかなと思います。

 

夏場所8日目  横綱照ノ富士(左)を破り初めての金星獲得

――出してもいいと思いますよ。ところで夏場所に好成績を挙げて名古屋場所は西の前頭筆頭に上がりました。自信のようなものはどうですか。

 

夏場所は途中4日目から9連勝出来ましたし、横綱にも初めて勝てたし、相当な自信になりました。自分がやってきたことは間違っていなかったんだと思えました。

 

――今関取の口から初金星というのが出ましたが、あの相撲はどうでしたか。

 

やっぱり横綱には、あのように一気に持っていく相撲でしか勝てないかなと思いましたね。組まれたらめちゃめちゃ強いんで。すごくうれしかったです。

関脇で壁にぶつかり大関昇進の難しさを知る 同じ部屋の大関貴景勝と優勝決定戦を

隆の勝は夏場所1横綱2大関を破って11勝を挙げた(写真は6日目正代戦)

――関取は、おととしの九州場所に関脇に昇進して、関脇でも勝ち越しが続き、もう大関が近いかなと私たちも見ていたんですが、そのあとちょっと壁にぶつかったようですね。これは何かあったのですか。

 

何だろうな。気持ちの部分だったのか。もっと自分の相撲を磨いていかないと、これ以上先にいけないとは思っていたのですが、関脇で勝ち越してちょっと満足している自分もいました。けれども、それじゃあだめなんだ。大関というのは、もっともっと本当に本気で目指さないとたどり着かない番付なんだなというのが、壁にぶつかったことで分かりました。なまはんかな覚悟じゃいけないなと。

 

夏場所9日目  隆の勝(右)が寄り切りで御嶽海を破る

――なるほど。それではこれから先の、関取の夢や目標はどういうものですか。

 

今はもっと上を目指していかないといけないという気持ちです。大関っていうのはもちろん目標ですけれども、やっぱり優勝ですね。私はプレッシャーに弱いところもあって優勝争いはできないのかなと思っていたんですけれども、夏場所は途中でトップに立てて優勝争いをしたことで、本当に自信になりました。自分でもできるんだ、可能性はあるんだなって思えたので、優勝を狙っていくという目標というか、夢が持てました。

 

――周りの同じぐらいの番付の人で、優勝経験者が増えてきてますね。「自分もできる」という気持ちになってきているんじゃないかと思いますが。

 

気持ちの中では「できるかな」が「絶対できる」に変わったような、そういう気がします。

 

6月22日  稽古で若い衆と相撲を取る隆の勝

――去年の暮れにNHKのラジオの番組で、来年期待する力士を聞かれて、隆の勝関を挙げたんですよ。そして、ぜひ大関貴景勝関と全勝同士で優勝決定戦をやってほしいと言ったんです。同じ部屋の2人の決定戦も可能性が出てきますね。

 

そうなったらすごいと思いますし、できないということはないと思います。全勝は分からないですけれども、挑んでみたいです。

 

相撲専門雑誌「NHK G-Media大相撲中継」から

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