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特集 高校駅伝の星 新たな環境で 佐藤圭汰 陸上日本選手権に挑む

陸上 2022年6月2日(木) 午後7:25

陸上日本選手権の男子5000メートルに出場する佐藤圭汰選手。京都の洛南高校のエースとして、全国高校駅伝で活躍した将来期待の18歳です。この春、強豪の駒沢大学に進学し、新たな環境で自身の走りに磨きをかけています。

高校記録を次々更新 期待の星

去年の全国高校駅伝で活躍した佐藤圭汰選手

佐藤選手は身長1メートル84センチ。長身を生かしたストライドの大きな走りを持ち味に、去年の全国高校駅伝では各チームのエースが集まる3区を任され、日本選手最高記録を更新しました。さらに1500メートルなど3つの種目で高校記録を更新し、陸上男子、中長距離の期待の星として注目されています。

今のスタイルでは通用しない

佐藤選手はこの春、さらなる成長を求めて、強豪の駒沢大に進学しました。箱根駅伝など大学三大駅伝で最多となる24回の優勝に導いている大八木弘明監督から進学後すぐにかけられたのは「今のスタイルは高校までしか通用しない」という厳しいことばでした。

 

佐藤選手を指導する駒沢大学の大八木弘明監督(右)

高校まではレース前半からハイペースで飛ばすスタイルで、同世代の選手を寄せつけなかった佐藤選手。よりレベルの高い大学や実業団の選手に勝つために、大八木監督は「最後に引き離す瞬発力やスピードの切り替えができないといけない」と佐藤選手の課題をあげています。

課題は終盤の切り替え

そのために佐藤選手が練習で取り組んでいるのが、インターバル走です。

 

インターバル走に取り組む佐藤選手

目標のタイムを設定して400メートルを走ったあと、軽いジョギングを入れて、再び400メートルを走ることを繰り返し、スピードや心肺機能の強化に取り組んでいます。さらに後半の200メートルを前半より速いタイムで走ることで切り替えの感覚を体に覚え込ませてきました。

選んだのは5000メートル

 

佐藤選手はことしの日本選手権で出場種目に選んだのは、高校生で臨んだ去年決勝に進んだ実績のある1500メートルではなく、5000メートルでした。

 

決断の背景にあるのが、5月4日に宮崎県で行われた大会です。5000メートルに出場した佐藤選手は、終盤も海外の選手のスパートに磨いてきたスピードで食らいつき、最後まで粘って、13分22秒91のタイムでフィニッシュし、20歳以下の日本記録を更新しました。

 

2022 ゴールデンゲームズinのべおか 男子5000mに出場(5月4日)

佐藤選手は「1500メートルより可能性があると感じた。徐々に今までよりいい感覚がつかめている」と話し、手応えをつかんでいます。

諦めたら絶対に届かない

 

日本選手権の目標は、上位3位以内に入ったうえで、7月にアメリカで行われる世界選手権の参加標準記録を突破することです。5月にマークした自己ベストを9秒あまり更新する必要がありますが、佐藤選手は「最初から諦めていたら絶対に届かないと思う。自分が世界選手権に行くという自信を持ってスタートラインに立ちたい」と意気込んでいます。

 

佐藤選手が臨む男子5000メートルは大会1日目の6月9日に決勝が行われます。

この記事を書いた人

並松 康弘 記者

並松 康弘 記者

平成26年NHK入局。新潟局-仙台局(プロ野球・楽天担当)-大阪局

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