ストーリーパラスポーツ

何もかもが規格外 投てき アキーム・スチュワート

2019-07-29 午後 03:14

パラ陸上・F43クラス(下肢障害)の円盤投げとやり投げの世界記録保持者である、トリニダード・トバゴ出身のアキーム・スチュワート選手。2017年7月に行われた世界パラ陸上ロンドンでは、円盤・やり・砲丸の3つからなる投てき競技に出場しました。今回は、その世界パラ陸上ロンドンでのアキーム選手の活躍と、初来日の際に見せた彼の素顔をご紹介します。

世界選手権の舞台 会場を魅了した「やり投げ」

2017年7月に開かれた世界パラ陸上ロンドン。アキーム選手は、最初の種目となる円盤投げで、競技中にけがをしてしまい、自らの持つ世界記録を6.5mも下回る56.53mという不本意な結果に終わりました。

 

2日後の大会5日目、けがが癒えない状態で臨んだやり投げ。決してベストコンディションとは言えない中、アキーム選手は会場を魅了するような投てきを見せました。

 

助走をして投げるのが一般的なやり投げですが、アキーム選手は障害の影響から助走せず、ファウルライン手前から上半身の力だけでやりを投げます。この独特なフォームで、アキーム選手は1投目から54m68を記録。いきなり全選手のトップに立つ記録を出し、会場からはどよめきと歓声が沸き起こりました。続く2投目では、2016年のリオパラリンピックで出した自身の世界記録(57m32)をおよそ30センチ更新する57m61を記録。見事優勝しました。

 

 

アキーム選手はセレモニーで「一投目を投げた後、モチベーションが上がってきたんだ。世界選手権という舞台がそういう気持ちにさせたんだよ。」と語りました。

けがの中、「砲丸投げ」で世界記録を更新 さらなる夢は?

大会最終日の競技は、砲丸投げ。アキーム選手は、世界記録の19mを目標に競技に挑みます。

 

1投目では、自身のクラスの世界記録を大幅に更新する18m34を記録します。ビッグスローを見せた4投目となる砲丸は、きれいな弧を描いてフェアゾーンに落下。結果は19m08。見事目標を超え、世界記録での優勝を果たしました。

 

 

「18mは投げることができると思っていたけれど、けがをしながら19mを投げられるとは本当に驚きだよ。自分で世界記録を塗り替えたいと思っていたけど、ここまでできるとは思わなかった」とアキーム選手。さらなる夢はパラリンピック3種目の制覇だと語りました。

規格外の体格が数々のハプニングを引き起こす…!?

アキーム選手は、身長191cm、体重152kgという“規格外”の体格の持ち主。番組で共演した為末大さんの手(左)を並べて比べてみても、違いの差は歴然です。

 

 

しかし、この体格が思わぬ落とし穴に!?それは、番組の実験の一環で、MRI(磁気共鳴画像)検査を受けようとしたときのこと。体の大きいアキーム選手は、筒状のMRI装置の中に入らず、胴体がつかえてしまったのです。他にも、筋肉が太すぎるため、関節などに付けるモーションキャプチャーのマーカーを付ける骨の位置がなかなか見つからないこともありました。

パラスポーツの人気を高めるために ―素顔のアキーム選手―

アキーム選手が「日本の伝統文化が見たい」と初来日で浅草を訪れた際、彼がパラリンピアンだとわかると、あっという間に人だかりができました。

 

 

貴重なプライベートの時間にもかかわらず、一人ひとり丁寧に写真撮影に応じるだけでなく、その場でSNSでつながった人もいるほど。パラスポーツの人気を高めるために「いつ声をかけられてもフレンドリーでいることを心がけている」そうです。

 

母国では円盤投げの円盤を作っておらず、いつもアメリカなどの輸入品を使っているというアキーム選手。東京都内のスポーツショップで円盤を購入しました。

 

 

「日本の円盤は質がいいから、絶対欲しかったんだ」と嬉しそうに話していたのが印象的でした。体だけではなく、陸上への愛も人一倍大きいアキーム選手の姿を見ることができました。

 

 

※この記事は以下の番組から作成しています。

2017年10月9日放送「超人たちのパラリンピック 投てき3種目 アキーム・スチュワート(陸上)」
内容は放送時のものとなります。

 

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