ストーリーパラスポーツ

東京パラリンピックはあくまで「通過点」 パラ陸上・芦田創

2019-08-14 午前 11:11

バラ陸上、走り幅跳びの選手として活躍する芦田創選手。5歳の時、右腕に原因不明の腫瘍ができる病気を患い、放射線治療をした10歳の時から右腕の成長が止まったままです。片腕の障害が走り幅跳びに与える影響や、より高いレベルを目指すためのトレーニング法、東京パラリンピックとその後の目標についてうかがいました。聞き手は、増田明美さんです。

片腕の障害による競技の難しさ

左腕よりも右腕が短い芦田選手。左右で2kgくらい重さが違うことが競技に与える影響は大きいと言います。しかし一方で、その影響は、他の人になかなか理解されにくいそうです。

 

 

「『意外と腕一本ならなんとかなるんじゃね?』『両足が地面についてるから大丈夫じゃん?』と言われるんですが、要は上半身の重さが違うんで、バランスがすごく悪いんです。でも、想像しづらいですよね。左側は25歳の体なので、右側は子供、左側は大人みたいな感じです。」

 

芦田選手は、体幹を使って自分の最適なバランスを見つけ、バランスを崩さずに両腕を振るため、肩甲骨でうまくタイミングをとるトレーニングなどに取り組んでいるそうです。

 

「0.01秒とか1センチの世界で争うのが陸上なので、片腕が使えないとなると結構記録に影響が出てくるんです。それを工夫するっていうのが、パフォーマンスを上げる秘訣かなと思います。」

“健常者とともに練習したい” 拠点を海外へ

芦田選手は、練習の拠点をオーストラリアに移し、障害がないアスリートとともに練習をすることにしました。

 

「健常者のトップの選手が集まった環境に身を置いて、そこで揉まれる方が僕にとってはいいかなと。そういう世界で勝ちにいくっていうハングリーさを導入しながらトレーニングしていきたいっていうのが、今回海外でチャレンジしようと思った理由です。」

 

 

増田さんからの「東京大会で勝つために必要なのは何ですか?」という質問に対して、芦田選手は“覚悟”だと話します。

 

「僕が出場する競技は道具を使わない種目なので、もろ“フィジカルの勝負”なんです。だから陸上の中でもイメージとして日本人はなかなか勝負しにくい世界観がある。そこで勝つためにはやっぱり誰よりも考えないといけないと思いますし、自分より体の大きい選手や筋肉のある選手と勝負していくためには“覚悟”が必要だなって思いますね。」

東京パラリンピックはあくまで通過点。その先に掲げる目標とは

2018年10月 アジアパラ 陸上 男子 走幅跳 T45/46/47 決勝より

 

東京パラリンピックで金メダルを目指す芦田選手。しかし、それはあくまでも「通過点」だと話します。

 

「目標は金ですが、片腕が使いにくい人がどれだけ跳べるんだっていう挑戦に結構ワクワクするんで、世界記録の更新も目標にしてます。東京パラリンピックは「通過点」としないと、健常者と勝負するという目標にもたどり着かないと思うんです。健常者の日本選手権ぐらいは出たいですね。」

 

決勝では6m88を跳んで3位に。表彰式にて

 

さらに、増田さんの「東京大会が終わってからの目標は?」という質問に対して、芦田選手は「多様性の発信」と答えました。

 

「パラスポーツは自分の中で一つのマイナースポーツだと定義しているんです。そういうマイナーな人が輝くことで『いろんな人生やオプションがあっていいよ』っていうロールモデルになればいいと思うんです。これまでスポットが当たってこなかった人たちが輝いて『カッコイイ』と思ってもらうことが、ある意味『こういう生き方をしてもいいんだ』ともう一つの選択肢になればいいなと。そういうことを発信していきたいなと思っています。」(芦田選手)

 

 

※この記事は以下の番組から作成しています。
2018年12月14日放送「増田明美のキキスギ?
内容は放送時のものとなります。

 

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