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特集 プロ野球 DeNA 三浦大輔監督 “俺たちは変わる” コテンパンからの反撃

野球 2022年4月11日(月) 午後5:05

昨シーズンから監督としてチームを指揮した三浦大輔監督。

 

“ハマの番長”の監督就任にファンは大きな期待を寄せましたが、結果は首位に20ゲーム離されて最下位と屈辱の1年を送りました。チームスローガンに「横浜反撃」を掲げた今シーズン。チームの、そして自分自身の「変わった姿を見せ反撃へ」。その挑戦と覚悟に迫りました。

期待されながら最下位

2021年10月 本拠地最終戦を終え場内を一周する三浦監督(手前)とナイン

昨シーズンのDeNAは、牧秀悟選手を筆頭に3割バッターを4人そろえながら最下位に終わりました。

 

その要因に挙げられるのが、12球団ワーストとなった併殺打数、盗塁数、さらにチーム防御率です。ランナー一塁の場面で盗塁が少ないため、併殺打が増え得点に結びつきませんでした。その上で、投手陣が失点を重ねたため、勝ち星が増えませんでした。

三浦 大輔 監督

コテンパンにやられた1年でした。やられたらやり返す。変わらないといけない。

テーマだけを与えて指導はコーチに

2022年2月のキャンプイン ランニングする選手たち

チームを変えるためには、まず自分が変わらなければならない。2月のキャンプで三浦監督は、新たな指導スタイルを試しました。クールごとに大まかな「テーマ」を与え、選手に考えさせたのです。

 

キャンプでの守備練習

1クールのテーマは「確認・観察」。みずからのプレーやコンディションをしっかり見極めて欲しいという狙いでした。さらに、第3クールは「失敗OK」。第1、第2クールでやってきたことを失敗を恐れずに試して欲しいと選手に伝えました。練習の「目的意識」を選手に示すことで練習効率と意識を変えようとしました。

チームを変えるため①走塁の意識を植え付ける

三浦監督(左)とポーズをとる石井琢朗野手総合コーチ(右)

具体的な指導についてはコーチ陣に任せるようにしました。走塁練習では、石井琢朗野手総合コーチが中心となり、ベースの内側を踏むよう意識させるなど、少年野球で行うような基礎から徹底的に確認させました。また、盗塁が12球団ワーストに終わった選手たちに「一つでも先の塁を奪う意識」を植え付けようとしました。

チームを変えるため②進塁打を含めたつなぐ打撃

キャンプの打撃練習でボールをトスする石井コーチ(右)

さらに、バッティング練習ではノーアウト二塁を想定し、右方向にゴロを打ち、ヒットにならなくてもランナーを進める意識を徹底させました。一つでも先の塁にランナーを進め、得点の確率を高めるためでした。

チームを変えるため③ストライクに投げ込む

キャンプでの投球練習

また、投手陣は斎藤隆チーフ投手コーチが中心となり、ツーストライクや、ツーストライクワンボールなど、投手優位のカウントを80パーセント以上の場面で作れることを目標に掲げました。そして、第1クールではストレートのみ、さらには審判をつけて、判定をしてもらいながらピッチングをさせました。

 

キャンプのブルペンで斎藤投手コーチ(右)と話す三浦監督(左)

三浦 大輔 監督

方法はコーチに任せてある。自分は確認だけ。選手が意図を組み込んで動いてくれているかって。去年最下位だから違う角度からトライしていかないといけない。変えていかないといけない。

『胴上げされる夢を見た』

キャンプ初日 打撃投手を務める三浦監督

新たな指導スタイルをキャンプで取り組んだ三浦監督。実はことしのキャンプ初日。早朝に散歩に出かけた三浦監督に同行して話を聞いていたところ、ふと思い出したかのように話し始めました。

三浦 大輔 監督

胴上げされている夢を見た。きのう妻にもその話をして。そうなるといいねって話をしたんだけど。胴上げされる夢なんてみたことなかったから印象に残っていて。

シーズンが開幕。まだ10試合しか戦っていないが、4月10日の時点で課題の盗塁数はリーグトップとチームは去年と変わった姿を見せています。

 

胴上げの夢は正夢となるのか。三浦監督の2年目の戦いは始まったばかりです。

この記事を書いた人

阿久根 駿介 記者

阿久根 駿介 記者

平成25年NHK入局。福岡局、津局、札幌局を経てスポーツニュース部。DeNA担当。物心ついたころから大学まで野球一筋。ポジションは投手。

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