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特集 村上茉愛の#myオシ!「スケートボード 中山楓奈選手」

体操 スケートボード 2022年4月8日(金) 午後4:14

2022年度から「サンデースポーツ(総合 毎週(日)夜9:50~)」に新加入した元体操選手・村上茉愛さん。

初出演となった4月3日の放送では、新コーナー「#myオシ!」で、

スケートボードの中山楓奈選手に、自身初となるインタビュー取材を行いました。

東京五輪で銅メダルを獲得した2人の対談を、放送ではお伝えしきれなかった内容も含めてご紹介します。

新コーナー「#myオシ!」とは

現役を引退したばかりの村上さんが、アスリートに近い目線で、イチ押しの選手やチームの魅力を

村上さんが元気いっぱいに伝えていく、「サンデースポーツ」の新コーナーです。

パリ五輪へ期待のスケーター

 

中山楓奈選手は富山県出身の16歳。去年の東京五輪では、女子ストリートで銅メダルを獲得しました。

インタビューの前日に行われたスケートボード日本オープン(4月2日・三重 松阪)でも、見事優勝!

2024年のパリ五輪へ向けて、さらなる活躍が期待されています。

スケートボード「ストリート」とは

階段や手すりなどが設置された“街中”を再現したコースを45秒間滑り、自由に技を出す「ラン」と、

障害物を一つ選び、それを使用して技をかける「ベストトリック」の2つの方式で技を競います。

「ラン」では、どのように障害物を利用して技を繰り出すのかなど選手の独自性が大きな見どころ。

一方「ベストトリック」では、難易度の高い技を出す選手が多いため、一瞬のチャレンジとその成否が注目ポイントとなります。

 

村上「昨日の大会、お疲れ様でした。どのような思いや目標を持って挑んだのか、教えてください」

 

中山「自分で考えたルーティンの技をすべて成功させて、1位になれるようにと滑っていました。どの試合でも、できるだけ上の順位に行きたいなっていうのを目標にしています 」

 

村上「すごいですね、16歳でその意識レベル。私はその頃は全然でした」

 

中山選手の代名詞「フロントK」。習得には・・・

 

中山選手の代名詞とも言われるのが「フロントサイド・Kグラインド」、通称「フロントK」です。

車輪をつなぐ部分を斜めに滑らせる高難易度の技です。

村上「フロントKについて、どんな技か教えてもらえますか?」。

 

中山「スケートボードのトラックっていう、この金属の部分の片方側だけにかけて、乗って滑るのがフロントサイドKグラインドです」

 

 

村上「そんなに小さい場所で!その技を覚えるのにはどれくらいかかったんですか?」

 

中山「実は最初、1日でできたんですけど、そのできた後にいろいろな場所で使おうと思って練習すると1年とか2年とか。すごく小さいところではできたんですけど、そこから大きいところとか、滑らせる距離を長く伸ばそうって思うとすごく難しくて、ものすごく年月がかかりました」

 

村上「私は体操で新しい技を覚えるときは、頭の中にもう一人の自分を想像して、その自分を操作して、いろんな角度から見て、こうしたらできるかなとか考えながら作っていくのですが、中山選手はどうやって習得するんですか?」。

 

中山「技はスクールで教えてもらったり、知り合いのうまい人にコツを聞いて教えてもらったりして練習していました。ただ、最初はすごく怖かったです。私は転ぶのがすごく下手なので、よく頭を打ったりとかが多い。あんまり転び方が分かっていないんです

「フロントK」のポイントは?

村上「フロントKの映像を見て、体操も平均台が幅10センチくらいのところで演技するので似ているなと思いました。フロントKを成功させるために大事なタイミング、《踏切》《空中姿勢》《着地》など、どういったところを大事にしていますか?」

 

中山「全部大切だけど、特に技をかけた時の体勢と重心をすごく意識しています。体勢とかは感覚なので、あまり言葉にすることができないんですけど、技をかけた時は、つま先重心が大事。そのとき、上半身も、肩が開いてしまうと、板も開いてしまって、滑っている途中で降りてしまうことが多いので、肩を開かないようにすることも意識しています」

 

村上「上半身も大事なんですね。体操だと床にバネが入っているので、自然にすごく跳ねるけど、コンクリートは上半身も使わないと跳ねなさそうですね」

 

中山「ただ飛ぶときの手はあんまり意識していなくて。技をかけた時に、腕が後ろ側にいっちゃうと肩が開いてしまうので、腕は意識しています」

 

村上「体操だと、最初の踏切、出だしの部分で技が成功するかどうかがだいたいわかる。ダメだったときはその場で切り替えたり、なんとか修正したりしようとするんですが、自分の思うような技がかからなかった瞬間はどんなことを考えているんですか?」

 

中山「ちょっとはじいた瞬間に、“ああ遠かったな”とか“近すぎたな”って思って。ただスケートボードだといきなりやめることもできないから、とりあえずそのままやって転んで、次はそうならないようにと切り替えることを意識して滑っています」

 

村上「うまく技がかかったとき、着地の時に気にしていることはありますか?」

 

中山「着地は膝ですかね。あとは、何か危ないと思ったらしゃがんで耐えたりとか。しっかり手をついてしまうと減点になるので、できるだけつかないように耐えて、着地しなければいけないです」

緊張と戦う16歳

インタビューの途中には、中山選手から村上さんへの逆質問をする場面も。テーマは「緊張」。

村上さんは、自身の経験からアドバイスを送りました。

中山「大会とかすごく緊張して、たまに泣いてしまうくらいすごく緊張してしまうんですが、そういうときってどうしたらいいのかなっていうのを聞きたいです」

 

村上「私も自分の心臓の音が聞こえるくらい緊張することはあるけど、そうなったときは開き直ってはいるかなと思います。練習をたくさんやって準備がきちんとできていれば、試合では“これだけ練習したから大丈夫”という気持ちで臨める。練習一回一回を、試合のことを意識してやってください。最後は競技を楽しめるかどうか。優勝は目指すけど、試合を楽しまないと疲れちゃうので、その一日を大切に、最高な日にしようとすれば、もしかしたら緊張しない日も増えてくるかもしれないです」

 

中山「ありがとうございます!」

 

パリ五輪へ向けて

村上「少し先の話になりますが、パリ五輪については、どのように考えていますか?」

 

中山「出たいと思っています。今はまず、そこにたどり着くために、予選大会で良い成績を残して選手に選ばれるように、練習も頑張っていこうと思います」

 

村上「それに向けて、新しい技だったり、挑戦していることはありますか?」

 

中山「新しい技は…今は秘密にしておきたいです(笑)。けれど、フロントK以外でも自分の得意技を増やして、ベストトリックでも出せるようになれたらいいなって思います。あと、スケートボードでは上半身と下半身を逆に動かす技が多いのですが、私はその上半身と下半身を逆にするのがすごい苦手なので、いま頑張って意識しながら滑っています」

 

村上「最後に、見ている人へのメッセージをお願いします」

 

中山「スケートボードの魅力は、性別とか年齢に関係なく、選手同士仲良くなって滑るところが魅力だと思っているので、そういうところを見てほしいです。あとは、スケートボードの大会の「ラン」では、選手たち自分たちで技の構成を考えて決めているので、そこもぜひ楽しんでほしいなと思います」

 

村上「今日はありがとうございました。私は東京五輪でメダルを取った後の世界選手権では、やはりメダリストというのがすごくプレッシャーになったのですが、今後、そういうことを感じることもあるかもしれませんが、“メダリストだから”というのは気にせずに、頑張ってください!」

 

中山「頑張ります。きょうはありがとうございました」

 

きょうのマイオシポイントは・・・「#冷静さ」

 

村上「今では体の面も気にして、食事にも気を配り始めたという中山選手。お話をきいて、ふだんからきちんと自分のことを分析している選手だと感じました。自分が16歳だった時のことを考えると、ここまでしっかりしていなかったと思うので、すごく冷静な方なんだなと思いました。新技も含めて、今後、応援していきたいと思います!!」

 

この記事を書いた人

吉岡展史

平成25年入局。佐賀局、首都圏局などで音楽や美術など文化・芸術をテーマにした取材を行う。

令和3年からスポーツ情報番組部に所属。ディレクター。

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