ストーリーパラスポーツ

義足ならではの"あるある"とは パラ陸上・山本篤

2019-08-26 午前 09:29

17歳のときのスクーター事故をきっかけに、左足のひざから下を失った山本篤選手。パラ陸上の選手として、北京大会とリオ大会の走り幅跳びで銀メダルを獲得する活躍をしています。義足を使って記録を出すことの難しさや、ついしてしまうという「あるある」、義足を広める取り組みなどについて語っていただきました。聞き手は、増田明美さんです。

記録が悪かったら義足のせい……?

 

山本選手によると、90%の選手が義足側の足で踏み切るというパラリンピックの走り幅跳び。健足で踏み切るより遠くへ跳べる一方で、義足ならではの怖さもあり、跳躍には「度胸」が必要なのだそうです。

 

「義足に自分の体重の10倍ぐらいの力をかけないといけない。それを、感覚のない義足にかけられるかっていう度胸がいるんですよね。そこで(義足が)折れるかもしれないし、変な方向に行ってしまう可能性もある。僕の場合はひざ関節がないので、ひざがグニャって曲がってしまう可能性もある。」

 

 

走り幅跳びの助走は45m。山本選手の場合、義足側と健足側の足では使っている筋肉が全く違い、義足側は「股関節の筋肉」がポイントなのだと言います。

 

 

「義足側は股関節の筋肉しかないので、股関節を前後に強く振るっていうのがすごく大切なんです。僕の場合は、腰を使って走っている感じですね。健足側は健常者と同じで、アキレス腱をうまく使いながら、太ももの筋肉でうまくスイングしている感じです。」

 

さらに、パラ陸上選手としての「あるある」を聞かれると、「記録が悪かったら義足のせい」にすると答えた山本選手。

 

「調子がいい時は自分のおかげで記録が出たと。で、記録が悪かった時は義足が悪かったなと。義足は劣化するものなので、どこかのタイミングで使いすぎになってしまうんですね。そのタイミングが分からないと、どうしても記録が悪くなってしまう。
あ~この義足はそろそろ寿命かなと思ったりとかしてね、“義足のせい”にしています。(笑)」

「義足」を広める取り組み

山本選手は、義足歩行者が競技用義足などを試せる『ギソクの図書館』や大阪体育大学に出向き、陸上教室を開催するなど、積極的に義足に関する取り組みも行ってきました。教えてくれる人のもとで走る経験ができればパラ陸上を取り巻く環境は変わっていくのではと言います。

 

「競技用の義足があると、結構な確率で走れるようになると思うんですね。あとは教えてくれる人がいれば。義足を体験できたり、走って風を感じたりというのができるようになると、世界は変わるんじゃないかなと。全国に広まってくれればと思います。」

 

NHKのテレビ番組『グッと!スポーツ』に出演した際には、マギー審司さんに教わり、義足を使ったマジックも披露しました。

 

「義足はどうしても『痛そう』といったイメージがあるので、義足を使って何か面白いことができないかなって。みんなにユーモアを持って伝えられないかなと考えたときに、マジックと義足を掛け合わせてみたいと思ったんです。」

 

 

障害がある人とない人との壁や社会状況について問われると、山本選手は「良くなってるとは思う」と答えました。

 

「“パラリンピック“という言葉が広がったことで、『障害者が目指す最高峰の大会があるんだ』『こういうことができるんだ』というのがだんだん認知されてきた。今はたぶん100%近い人がパラリンピックを知ってますよね。東京パラリンピックをきっかけに、もっといい方向に変わって欲しいなと思います。」(山本選手)

「今はすごく楽しい」 目指すは東京パラリンピックでの金メダル

「有り余ってるエネルギーを全部スポーツにぶつけて発散しているので、今すごく楽しいです。」と話す山本選手。
東京パラリンピックでの目標を聞きました。

 

 

「僕は2回銀メダルを取ったので、あとは金メダルかなっていうところですね。そのために必要なのは、僕の気持ちと体力ってところでしょうか。僕自身のパフォーマンスをより高めることが一番大切ですね。」(山本選手)



※この記事は以下の番組から作成しています。
2018年12月14日放送「増田明美のキキスギ?
内容は放送時のものとなります。

 

東京パラリンピック「陸上」特設ページ公開中!

関連キーワード

関連トピックス

最新トピックス

RANKING人気のトピックス

アクセス数の多いコンテンツをランキング形式でお届け!