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特集 貴景勝『出場するからには優勝目指す気持ちに変わりない』

相撲 2020年7月10日(金) 午後3:26

貴景勝は大関昇進から激動の一年を過ごしました。新大関の令和元年夏場所はケガで途中休場し名古屋場所も全休して、カド番で迎えた秋場所は優勝決定戦で御嶽海に敗れて再びケガをする不運に見舞われました。春場所千秋楽に朝乃山に敗れて負け越し、再びカド番で七月場所に臨みます。カド番脱出への決意を聞きました。

いままでどおり基礎をやる リセットして体を元気にする

基礎トレーニングを続ける(4月29日)

 
ーー夏場所が延期から中止になりました。振り返ってどう思っていますか。

相撲だけができるとは思っていなかったので、予想はしていたことです。中止になったらなったで、自分のできることをやろうと思いました。

 

ーー今の体調はいかがですか。

いつもどおりです。体の調子はいいですね。体調を崩したりすることはないです。

 

ーー今の稽古は具体的にどのようなものになっていますか。

とにかく四股、すり足、てっぽうの本当に基本的なことにしっかりと取り組んでいます。私は基礎でここまできたので、稽古で相撲が取れないからといって懸念材料があるとは思っていません。しっかりと今までどおりに基礎をやっていくだけです。不安は全く感じていません。

 

ーー基礎で強化していくのは下半身、立ち合いの突き押しになりますか。

全体的なパワーをつけていきます。下半身も含めて全体が必要だと思います。

 

ーー七月場所は7月19日が初日になるため、長い期間稽古を続けていくことになりますが、ご自分のいちばんの課題は何だと思っていますか

体を元気にしていきたいです。これまでは細かいケガもありましたので、すべてをリセットさせて体を元気にしてやることだと思っています。そこがいちばん大事かなと思います。

 

ーー感染防止では、大関自身はどんな点に注意していますか

外から部屋に通っているので、タクシーに乗るときも注意して、マスクをしっかりつけて手洗いをやっています。自宅では自炊もすることがあります。出前を取ったりもします。外に食事に行けないですから。

 

ーー自炊するときはお好きな卵料理も作るのですか。

手軽に作れるので、ゆで卵や、スクランブルエッグ、卵焼きも作ります。

 

ーー外出が難しいなかで自宅ではどのように過ごしていますか。

家の中で少しトレーニングをしたりしています。あとはゆっくりとしています。特にストレスがたまるということもないです。好きなヨーロッパのサッカーも始まっていないので、スポーツ番組を見ることもできないです。ひたすら映画を見るとか、昔の相撲の映像を見たりしています。頭の勉強をしています。押し相撲の力士の取組をよく見ます。

やれることを精いっぱいやっていい成績を残したい

重りを持ってトレーニングする(5月26日)

 

ーー七月場所は大関にとって大切な場所です。初日に向けての決意を聞かせてください。

一生懸命、今やれることを精いっぱいやって、しっかりといい成績を残したいと思っています。体を作って全体的なパワーをつけています。手応えは感じています。

 

ーー以前、出場するからには優勝を目指すとおっしゃっていましたが、今も同じ気持ちでしょうか。

もちろん、その思いです。優勝を目指す気持ちは変わっていません。応援していただいているファンの皆さまとか、周りで支えていただいている方のために頑張ろうと思っています。

 

 

この記事を書いた人

北出 幸一

北出 幸一

相撲雑誌「NHK G-Media大相撲中継」編集長。元NHK記者。昭和の時代に横綱千代の富士、北勝海、大乃国らを取材し、NHKを定年退職後に相撲雑誌編集長となる。

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