特集 王鵬「新入幕は身が引き締まる思い」 大相撲初場所に挑む決意を語る

格上の力士に押しで勝つと自信になる
昭和の大横綱大鵬の孫の王鵬。九州場所、初日から9連勝しながら4連敗。終盤は立て直して11勝を挙げ初場所の新入幕を決めた。
初土俵から4年で悲願の幕内力士の座をつかみ取った。初場所に臨む決意を電話で聞いた。
新入幕は気が引き締まる思い
師匠大嶽親方と会見に臨む王鵬(令和3年12月24日)
Q 新入幕おめでとうございます。どうですか。新入幕は。
九州場所は最後まで勝とうと思っていたので、勝って新入幕が果たせてよかったです。
Q 力士としては、関取になることが目標だったと思いますが、また一つ階段を上がった感じでしょうか。
しっかり積み重ねてきたことをやって結果につながってくれたと思います。
Q 新十両と新入幕は違いますか。
新十両のときは本当にうれしかったです。新入幕は気が引き締まる思いです。対戦する人も上位の人ですし、また新しい世界になるのだなと感じています。
Q 入門して丸4年で新入幕、ここまでを振り返ってどう思いますか。
十両に上がってからの1年を見たらよかったのかなと思います。もっといらない負けというか、取りこぼしが多いです。
確実に押すことで地力がつく
炎鵬をきめ倒しで破る(令和3年九州場所6日目)
Q 十両東の7枚目でしたから、大勝ちしたら新入幕とは考えていなかったのですか。
はい。11勝なら新入幕だと考えました。最低限でも11勝と思って意識していました。
Q 王鵬関の魅力は大きな体でどんどん前に出ていく相撲です。九州場所前半の相撲をそのまま最後まで取り切れば、いい結果がついてきますね。
勝ち星につながらないにしても確実に押すことで地力がつくと思いますし、格上の力士に押しで勝つことができたら、自信にもなると思います。
Q ある程度手応えをつかんでの新入幕になりますか。
いい相撲を取ったら、これだけいい相撲が取れると思う反面、悪い相撲もあるので、もう一回気を引き締めていかなければいけないと思います。
“大鵬の孫”にプレッシャーは感じない
「大鵬相撲記念館」を見学した王鵬(令和2年12月)
Q “大鵬の孫”は関取に一生ついて回りますが、どう思っていますか。
心の中では“大鵬の孫”という思いはあると思います。これはどれだけ言っても信じてもらえませんが、そういうことを私は客観的に見てしまう方です。ほとんどプレッシャーを感じたことはないですね。もう祖父は亡くなっていますが、もし会うことがあれば祖父に恥ずかしくないように生きていこうと思っています。プレッシャーに感じることはないです。
Q 大鵬さんに会ったら新入幕を何と言われると思いますか。
私は物心がついたときから祖父に怒られたことがないです。祖父からは怒られるのではなく「おめでとう。よかったな。これからだぞ」と言われると思います。祖父の気持ちは想像できないですが「よかったな」とは言ってもらえると思います。
皆さんと対戦してみたい
王鵬がちりを切る(令和3年九州場所7日目)
Q 具体的な目標を持っていますか。
しっかりと番付を上げていきます。
Q 幕内で対戦してみたい相手はいますか。
皆さんと対戦してみたいですね。強い武器を持って幕内にいる方々なので、私の相撲がどれだけ通用するのか気になります。
Q 将来的には誰と対戦したいですか。
本当に皆さんです。
おっとりして慌ただしくない人がいい
王鵬が十両土俵入り(令和3年九州場所12日目)
Q 気分転換はどうしていますか。
歩くのとか走るのが好きです。長い距離ではありませんが、公園に行ったり部屋の近くの清澄庭園に出かけたりしていました。今はコロナ禍のため出ていません。
Q 結婚についてどう思っていますか。
理想はそんなになくて、見た目は置いておいて、やはりおっとりしていて慌ただしくない人がいいです。あまり経験がないのでよく分からないです。特に時期が来たら、いい人がいたら、ですね。
Q 分かりました。ありがとうございました。初場所頑張ってください。
はい。頑張ります。
相撲専門雑誌「NHK G-Media大相撲中継」から