特集 体調不良や生理不順、イライラ…心身の不調が解消! カンタン背伸びで神経を整える

デスクワークで疲れたときなど、椅子に座ったままでも「伸び」をすると、とても気持ちがいいものです。
体を伸ばすことは健康にもよさそうですが、いったい、どんな背伸びをすればいいのでしょうか。
背伸びの効果や体にいい背伸びの方法について、柔道整復師の仲野孝明さんにお話をうかがいました。
仲野孝明(なかの・たかあき) さん
いったい、どんな「背伸び」をすれば身体にいいんでしょうか?。
仲野さん
難しいことはありません。正しいやり方で身長を測るような背伸びをすれば、背骨を正しい位置まで持ってくることができます。そうすれば脳からの情報がしっかりと体に伝わり、体調不良や、イライラやくよくよといった心の問題、さらに女性であれば生理不順なども解消されます。一方、猫背や反り腰など悪い姿勢だと、足腰などさまざまな部位に負担がかかり、体調も崩しやすい。
結果、すぐに疲れやすく、歩く・走るのも困難になってくるのです。
まず、いまの自分の背骨がどのような状態にあるか、簡単にチェックしてみてください。
★姿勢チェックの方法★
身長測定の姿勢のように、背筋を伸ばして壁に背中をつける。
そのとき、
・頭
・肩
・お尻
・ふくらはぎ
・かかと
の5点が壁にきちんとつき、さらに腰と壁の間に手のひらが1枚くらい入るすき間が空いていれば良い姿勢です。
仲野さん
年齢が上がってくると、ふくらはぎが片方しかつかないとか、ひどい場合にはお尻がつかないという人もいます。中には、肩が壁についていないという小学生もいます。
今から紹介する背伸びを習慣的に行うことで、だんだん姿勢が改善していきこの5点がつきやすくなるそう。
簡単に姿勢をチェックできるので、日々の変化を見るのも楽しそうですね!
体を整える「背伸び3選」
それでは、シチュエーション別に、効果的な「背のび」の方法をお伝えしましょう。
それぞれの動作を1回ずつ時間を空けて1日に何回も行ってください。
何かのついでに立ち上がったとき、休憩をするとき、気分転換をしたいときなど、折にふれて背伸びをしてください。
仲野さん
1週間も続ければ、肩こりや頭痛がしなくなったり、体の不調が穏やかになったりと、改善に向かっていることが実感できるでしょう。ただし、この背伸びを習慣にするために、最低でも3週間は続けてみてください。また伸ばしていて痛みを感じるようであれば、そこまでで止めてください。毎日続けていれば、次第に伸ばせるようになってくると思います。
① 机の前でリセット背伸び
★こんなときにおすすめ:デスクワークでちょっとひと息入れたいとき、体が張ってきたように感じるとき
1 背筋を伸ばして、椅子に深く座る。そのとき、背もたれと腰の間に隙間をつくらないように。足はV字に少し広げる。
上半身を坐骨に乗せているようなイメージで。
椅子は、坐骨を意識できるようにやや硬めのものがよいが、なければ普段使っている椅子でOK。
2 目の前にまっすぐ両手を伸ばし、手の甲が自分に向くようにして両手を組み合わせる。
3 手の甲を見ながら、腕と顔をゆっくりと真上に向けていく。腕だけではなく顔も一緒に動かすことで、頚椎(首)のカーブを本来の位置に戻せます。
4 腕を頭上まで伸ばしきったら顔を正面に戻し、真上に向けた手のひらが天から引っ張られるようなイメージでぐんと伸ばす。
そのときに、お腹周りが引き締まります。
5 お腹を引き締めた状態のまま、左右の腕をゆっくりと横から戻す。
2~5の間、呼吸は止めず、普段どおりに。
呼吸を止めてしまうと筋肉が緊張して動きにくくなってしまいます。
② リラックス背伸び
★こんなときにおすすめ:朝目覚めたときや睡眠前
1 ベッドや床など、平らなものの上に「大」の字に横になる。そのとき両腕は真横に伸ばし、足は肩幅よりやや広い程度に。
2 1の状態のまま、できるだけ遠くに持っていくイメージで、両手、両足を伸ばす。
3 伸ばしきったところで、力を抜いてリラックスする。
仲野さん
「これだけで本当に伸ばせてるの?」と思うかもしれませんが、寝ている状態は、背筋が体の重さで自然に床と並行になるので、例えば高齢の方や姿勢が悪い方でも、簡単に正しく背筋を伸ばすことができますよ。
③ 体幹スイッチオン背伸び
★こんなときにおすすめ:しっかり背伸びをしたいとき、仕事や家事が一段落したとき
1 足を肩幅くらい(両足の間に、こぶしがひとつ入るくらい)に開き、足の人差し指とかかとを平行にしてまっすぐ立つ。
2 正しく立てるよう体の位置を調整するために、まず、足の全部の指のつま先を持ち上げる。
3 そのとき、両足の親指の付け根、小指の付け根、かかとの3点に体が均等に乗るよう、体を前後左右に揺らして、バランスよく安定した場所で止める。
仲野さん
ここがポイントで、体をしっかり安定させることで重心が中央に整い、より効果的に背伸びを実行できるのです
4 3の姿勢のまま、今度は前後に体を揺らしてバランスの取れた場所で止まる。その位置が、正しい体の位置。
5 体の位置が決まったら、3の3点を意識しながら、親指から順に足の指をゆっくりおろしていく。
6 その姿勢のまま、①の立ったバージョンで2~5の動きをする。
「本当にこれでいいの?」というくらい。簡単にできそうですよね。
私たちが思っている以上に重要なのが、姿勢。
ぜひ皆さんも背伸びを毎日の習慣に取り入れてみてください。