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特集 プロ野球 ヤクルトだけが導入!動作解析 “ホークアイ” とは!?

野球 2021年11月26日(金) 午後8:15

投手陣が課題と言われ続けていたヤクルト。チーム防御率は5年連続で4点台、特にここ2年は12球団ワーストでしたが、今シーズンは3.48と大幅に改善し、リーグ優勝の原動力になりました。なぜここまで改善できたのか、その裏には、12球団でヤクルトだけが導入しているある“秘密兵器”の存在がありました。

神宮球場のグラウンドを見つめる8台の“鷹の目”

 

神宮球場を見下ろすカメラ。「ホークアイ」と呼ばれる動作解析システムのカメラで、ボールや人のあらゆる動きを逃さず記録します。ヤクルトはホークアイのカメラを、グラウンドを取り囲むように設置。昨シーズンの4台から、今シーズンは8台に増やし本格的に運用を始めました。

 

 

ホークアイが捉えた映像からは、リリースの瞬間の手首やてのひらの方向、回転数や軸の傾き、リリースポイントの高さなど40を超える指標を数値化できます。去年、大リーグの全球団で導入されたこのシステムを、プロ野球ではヤクルトがいち早く取り入れました。

アナリスト・コーチ・選手 チーム一丸で課題を改善

アメリカで情報を集めるなど、導入にあたって中心的な役割を果たしたのがアナリストの永田俊紘さん。投手陣のデータ分析を行っています。

 

永田俊紘さん

“打たれた時の投球フォームはこうなっていた”とか、“空振りを取れた時のフォームはこうなっていた”ですとか、そういったところを明確にして、次の日の練習に行ってもらうようにします。

 

永田さんとデータを共有し、選手に伝えているのが伊藤智仁投手コーチです。

 

伊藤智仁投手コーチ

彼ら(アナリスト)が出してくれることに対して、こちらがうまくそしゃくして選手に落としていくという感じですかね。“なぜこういう風になったのか”というのを映像とかで確認しながら本人と一緒に進めていく。

ホークアイが力を発揮! ”フォークボールが復活”

ホークアイは具体的に、どうピッチングに生かされたのか。優勝争いが大詰めを迎えていた、9月30日のDeNA戦。同点の8回、フォークボールが武器の中継ぎのエース・清水昇投手がマウンドへ。

 

 

しかし、オースティン選手、宮﨑選手と、フォークボールを相手バッターにことごとく見極められ、フォアボール。フォークボールで空振りを奪えなくなっていたのです。

 

 

この時、伊藤コーチは“ある点”が気になっていました。試合後、ホークアイのデータを確認すると…。

 

伊藤智仁投手コーチ

フォークボールとストレートのリリースポイントが違うというところがあったので。だからバッターに見切られているんじゃないか。

 

清水昇投手

智さん(伊藤コーチ)が投げ終わった後に“ちょっと確認しよう”と言って。まっすぐとフォークボールの(リリースポイントに)違いがあったので、やっぱりそうかなという感じがした。

 

リリースポイントの調整を入念に行い、臨んだ翌週の巨人戦。フォークボールで空振りを奪う、本来の清水投手の姿がありました。

 

ストレートとフォークボールのリリースポイントは…。完全に一致していました。

 

 

その後清水投手はシーズン50ホールドのプロ野球新記録を樹立。セットアッパーとして、リーグ優勝に大きく貢献しました。

 

清水昇投手

ホークアイがあることによっておごらない。調子いい悪い関係なく、波を減らせたと思います。

伊藤智仁投手コーチ

(ホークアイで)わかりやすく説明できるので非常にありがたい。選手が頑張って挑戦しているので、僕もいろんなことに挑戦しながらやっていました。

永田俊紘さん

投手って1年中同じフォームで同じボールを投げることは非常に難しい。そこをいかに早く軌道修正させてあげるか。ホークアイが少しでも貢献できたのならよかったです。

 

NHKでは日本シリーズの試合をBS1で中継予定です。

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サタデ―スポーツ/サンデースポーツ

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