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特集 なんと時速120キロ!けた外れの度胸と技術!アルペンスキー

オリンピック スキー 2021年12月2日(木) 午後0:05

ヨーロッパのアルプス地方で発展したアルペンスキー。スキー板を履き、急斜面に立てられたポールの間を猛スピードで滑り下りてタイムを競うスポーツです。

スピードかターンか?種目は計4つ


種目は「滑降」、「スーパー大回転」、「大回転」、「回転」の4種目。最もスピードが出るのが「滑降」、細かいターンのテクニックが試されるのが「回転」です。

 


種目によってスキー板の長さが違うことに注目!使用するスキー板が長ければ長いほどスピードが出て、短いほど小回りが効くのが特徴です。

 


滑降で使うものが最も長く、男子で218cm以上、女子で210cm以上。回転の板はそれよりも50cm以上も短いんです。上の写真の上段が滑降、下段が回転のスキー板。長さが全然違いますね!

レーシングスーツは薄くて、とっても寒い!


頭にはヘルメットをかぶり、身につけるのはレーシングスーツ。空気抵抗を最小限にするため、体にぴったりとしたものになっています。しかしこのスーツ、生地が薄くてとっても寒い!

 


そのため、選手の中にはインナーを着込んだり、使い捨てカイロをたくさん貼っている人もいるんです。

高速道路なら違反レベル…
アルペンスキーでもっとも高速「滑降」


本場ヨーロッパでも一番人気で、キング・オブ・スキーの異名をとるのが「滑降」です。


最もスピードが速く、山を駆け下りていくイメージから英語でダウンヒル(DOWN HILL)と呼ばれます。

 


選手たちを待ち受けるのは、最大斜度35°に達する大斜面。男子の場合、スタートからゴール地点までの標高差は最高1,100m。

 


富士山の頂上から7合目までを一気に滑り降りるイメージです。



滑降の醍醐味は、何と言っても矢のように山肌を駆け抜ける速さ!最高速度は時速120キロ、高速道路で違反になるほどのスピードです!

コース外に飛ばされる危険も!ポール攻略が勝敗のカギ


選手はスタートゲートにスタンバイすると、前の選手が滑り終わるかどうかは関係なく、60秒ごとにスタート。

 


膝下にある小さなバーが押されると、タイム計測が開始となります。

 


選手はコース上に並ぶ2つのポールの間を通過していきます。ポールの幅は最低8m。これを通過するためには、猛スピードの中、ターンをしていかなくてはなりません。

 


一度ミスをすれば、コース外に飛ばされてしまう危険も!

 


一見、最短距離を通るのが有利に思えますが、そうとも限りません。コブを避けたり、荒れていない部分を通ったり、ラインを考えながら滑ることも大切です。

 


中にはバランスを崩し、ポールを通過できない選手も。通過せずにゴールすると失格となります。

 


また、ポールをまたいでしまった場合も失格となります。

20~30メートルの大ジャンプに注目

 

滑降では距離にして20~30メートルという大ジャンプが見られるセクションもあります。

 


ジャンプのポイントは派手に高く跳ぶのではなく、低く跳ぶこと。
鋭角に着地することで、スピードを落とさず次の滑りにつなげることができます。

 


ややなだらかな斜面では、腰を落として上半身を前に倒したクローチング姿勢で空気抵抗を最小限に抑えます。

 


この姿勢をとるときのために、滑降用のストックは体にフィットするよう曲がっているんです。

 


一見何もしていないように見えますが、この姿勢は下半身の筋肉を使うため、体力の限界がきているコース終盤はとても厳しい…!

 


最後のポールを通過してからゴールまではギリギリまでタイムを削るため、クローチング姿勢を維持!スタートと同じく、膝下がラインを超えればゴールとなります。

走行は一回きりの一発勝負

 

たくさんの選手が滑れば滑るほどコースは荒れるため、通常はスタート順が早いほうが有利となります。しかし、何人か走行したのを見て当日のコース情報を仕入れてからスタートするのもひとつの手段。

 


オリンピックなどの国際大会では、ランキングが高い選手から滑る順番を選ぶことができます。

 


通常、走行は一回きりの一発勝負。前日に下見ができるとは言え、瞬時の判断力がものを言う競技と言えるでしょう。

 


桁外れの度胸と技術で大斜面に挑むアルペンスキー。手に汗にぎるスリルがたまりません!

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