ストーリーパラスポーツ

たとえ病気が進行しても、走り続けたい 車いす陸上・木山由加

2019-11-05 午後 04:23

車いす陸上で、ロンドンとリオのパラリンピックに2大会連続で出場した木山由加選手。リオ大会では100mと400mで、いずれも4位に入賞しました。今回は木山選手に、東京パラリンピックや、その前哨戦としてドバイで開催される世界選手権、そして、ご自身の障害とトレーニングについてお話をうかがいました。聞き手は増田明美さんです。

 

お話をうかがったのは2019年8月25日。東京パラリンピック開幕までちょうど1年前となるこの日、心境を聞いてみると、意外な答えが返ってきました。

 

「いよいよか、という感じはあるんですけど、私の中では東京パラリンピックというより、まずは11月にドバイで開かれる世界選手権のほうが今は大事というか、そっちのことを考えてます。私の障害のクラスは競技人口が少ないので世界選手権で人数がそろわなければ、レースの実施がなくなってしまうんですね。ドバイに行ってみないとわからないんですけど、ドバイのレースがないと東京はないので」

 

 

手と足に障害があり、車いすを使う木山選手のクラスは「T52」。「T」は「トラック競技」を表し、数字の10の位の「5」は車いすを使っていることを表します。1の位は障害の重さを表しますが、数字が小さいほど障害が重くなります。木山選手の「T52」は、障害の重い方のクラスです。しかし、障害が重いクラスはエントリーする選手が少なく、競技が成立しない可能性もあるのだそうです。

 

「もしかしたら、世界選手権が最後の日本代表になるかもしれないとか。考えちゃダメなんですけど、頭の片隅に正直あって。海外の大会に行って、参加選手を増やしたいので呼びかけることはしたんですけど、正直厳しいですよね。障害が重いので、サポートしてくれる人たちがいないと競技用のレーサー(車いす)に乗ることが難しい場合もあるので。すぐ選手が増えるかどうかというのは厳しいですけど、呼びかけないと変わらないし、自分も何とかしたいっていうのがあって…」

 

それでも日々のトレーニングに励む木山選手。しかしそのトレーニングにも、木山選手の障害ならではの苦労が。

 

写真右:2016年リオパラリンピック 女子400m(T52)のレースでの木山選手

 

「私の場合は進行性の病気なんですけど、徐々に筋力が落ちていって、という感じですね。普通に筋トレとかしてもなかなか筋肉がつかなくて。トレーニングは全くやらなくても障害は進行しますし、やり過ぎても病気は進行するので、ギリギリのラインを探りながら日々トレーニングしています」

 

パラリンピックの頂点を目指すことで、家族は心配しないかと聞くと…

 

「家族は私に言ってもやめないというのが分かっているので『好きなようにやったら良いじゃない』みたいな。でもお医者さんとかはあまり勧めないですね。応援はあまりしてくれずに、いつまでやるのって。寿命も、その病気がどうなるかも今後わからない状態なので。でも私は走るのが好きなので、走り続けるんです」

 

 

増田さんが「ゴールの時の笑顔を見ると、これ以上自分で満足な瞬間というのはないんだろうな、それが木山選手が常に続ける理由なんだろうなって、あの笑顔でいつも感じます」と話すと、笑顔で「ありがとうございます!」と答えた木山選手。
最後に、2020年の先、どういう未来を考えているかを聞きました。

 

「まだ正直、詳しくは決めてないんですけど、2020で一区切り終えて、その後は長距離を走りたいんですよ。ハーフマラソンや、マラソンにちょっと挑戦してみたいというのはあります。後はいろんな方たちに話をして、障害者スポーツを知って欲しい、盛り上げていきたいですね」

 

 

 

※この記事は以下の番組から作成しています。
2019年8月25日「増田明美のキキスギ?
内容は放送時のものとなります。

 

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