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特集 34歳 宝富士 コツコツ積み上げ打ち立てた記録 大相撲秋場所

相撲 2021年9月15日(水) 午前0:50

新横綱・照ノ富士に注目が集まる秋場所。初日から安定した勝ちっぷりを見せているだけでなく、連日の横綱土俵入りでも貫禄たっぷりに「不知火型」を披露している。

 

その照ノ富士の土俵入りで太刀持ちを務めているのが、前頭5枚目の宝富士。横綱と同じ伊勢ヶ濱部屋に所属、青森県中泊町出身の宝富士は重い腰を生かした四つ相撲と落ち着いた取り口が持ち味だ。

 

 

その宝富士が、3日目の取組で1つの記録を作った。幕内連続出場768回ーー。

 

 

再入幕を果たした平成25年初場所初日から数えること、51場所と3日。8年半、休むことなく幕内で出場し続け、横綱・白鵬が持っていた767回連続出場を抜いて現役トップに立った。

 

その間には白鵬や稀勢の里から金星を奪った一番もあれば、関脇で臨んだ場所もある。もちろん、いいことばかりではなく初日から11連敗を喫した場所もあった。どんな時でもコツコツと出場を続けてきた。

 

記録となった3日目の一番では志摩ノ海を逆転の突き落としで破り、今場所2勝目をあげた。

 

 

取組後、自身の相撲の取り口と同じく、落ち着いた語り口で「記録はほかには自分にないので、これからも大事にしていきたい。(記録の要因は)しっかり稽古をしてきたこと」と語った。

 

 

横綱をはじめ、多くの関取を擁する伊勢ヶ濱部屋の稽古場で地道に相撲と向き合ってきた宝富士。

 

「一番、一番、自分の相撲を取って、記録はあとからついてくる」

 

34歳のベテランは今場所もこれまでと同じく、静かに、しかし、はっきりと存在感を示している。

 

 

この記事を書いた人

小野 慎吾 記者

小野 慎吾 記者

平成28年NHK入局。岐阜局を経て、2019年8月からスポーツニュース部で格闘技(大相撲、ボクシングなど)を担当。前職はスポーツ紙記者。

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