ストーリーパラスポーツ

佐藤友祈 ライバルに勝ち金メダル!そして2020へ

2019-11-19 午後 05:39

連日日本勢のメダルが続いたパラ陸上の世界選手権。今大会日本勢初の金メダルを獲得したのが、男子400メートル車いすのクラスの佐藤友祈選手です。現・世界記録保持者であり東京パラリンピックでもメダル有力候補の佐藤選手ですが、前回リオ大会は銀メダル。

 

今回の世界選手権は、リオで敗れたライバル、レイモンド・マーティン選手を強く意識してのレースでした。メダル獲得の翌日にサンデースポーツ2020に佐藤選手が生出演し、レースの裏側を語りました。

パラ陸上のエース 佐藤友祈選手

 

金メダル獲得の翌日、「勝つ自信は、もちろんありました」と振り返った佐藤選手。日本パラ陸上界のエースとして、今大会に臨みました。

 

脊髄の病気で車いす生活となり、引きこもりがちな日々を送っていた佐藤選手。2012年のロンドンパラリンピックを見たことがきっかけで競技をはじめ、そこからわずか4年後のリオ大会で400メートルと1500メートルの2つの銀メダルを獲得しました。すると2017年の世界選手権では両種目で金メダル。去年は両種目とも世界新記録を出し、世界のトップに立ちました。

 

リオ大会での佐藤選手とマーティン選手

 

強く意識していたのは長年のライバルの存在でした。リオ大会400メートルと1500メートルの金メダリスト、アメリカのレイモンド・マーティン選手です。2種目ともマーティン選手に敗れた佐藤選手は、東京大会で雪辱を果たし金メダルをとることを目指しています。

 

今回の世界選手権は、東京大会へ勢いをつける場。11月9日夜。400メートル決勝を迎えました。

慣れない展開の中で

レース前、佐藤選手が課題と話していたのがスタートでした。

 

「スタートでミスをしてしまうと、本当に大きな命取りになってしまいます。マーティン選手と僕のベストタイムの差は0秒06しかないので。その点、昨日のレースではスタートはうまくいったと思っています。」


手ごたえを感じたスタート。しかしその後のレース展開は予想外のものになりました。その要因の一つは走るレーン。この決勝は、佐藤選手が第7レーン、マーティン選手が第4レーン。外側のレーンを走る佐藤選手は、マーティン選手より前方からスタートする形になります。実はこれまで大きな国際大会では、逆に佐藤選手が内側を走ることが多かったのだと言います。

「非常に走りにくかったですね。これまでの世界大会では、前のパラリンピックでもマーティン選手が外レーンに入ることがほとんどで、『追いかける形』でレースに入っていくことができたんです。それが今回は『追われる形』でレースに入る感じだったのでとても走りづらかった。」

 

 

ライバルとして強く意識しているマーティン選手は、自分の後方でどのような走りをしているのかわからない展開。この時、佐藤選手の見えないところでマーティン選手は出遅れていました。そんな中で先頭に出たのはマーティン選手の隣、第5レーンの伊藤智也選手でした。56歳の大ベテランに先行され、「体が硬くなった」という佐藤選手。終盤まで追いかける展開になります。伊藤、佐藤、マーティンの順で最後の直線。ここで佐藤選手は持ち味を発揮しました。

勝ちにいく走り

「伊藤選手は北京、ロンドンとメダルをとっている選手ですし、十分警戒をしていました。バックストレートを抜けてコーナーに入ってから伊藤選手と並んだとき、『この感じだったらいける』と感じました。そこからは本当に『勝ちにいく』と、ひたすら走りました。」

 

 

最後の直線での加速で伊藤選手を交わしトップに立ち、そのままゴール。佐藤選手は世界選手権3連覇を達成。そして東京パラリンピック代表に内定しました。

決して理想的とは言えない展開の中で勝ち切ったことに、大きな手ごたえを感じたレースでした。

 

 

「決勝では非常に向かい風が強くて、僕が苦手とするとトラックコンディションでした。でもその中でタイムも悪くなかったですし、ひとつ殻を破れたかなと思います。僕の夢は、東京パラリンピックで400メートルと1500メートルの世界記録を更新して、金メダルを取ること。国内選手にも、マーティン選手にも、ほかのライバル選手にも負けるわけにはいかないですから。今回の世界選手権で勝ったからといって、世界記録を現在保持しているからといっておごることなくトレーニングを続けて、東京で日の丸を一番高いところに掲げたいです。」


そして、今回は銅メダルに終わったライバルのマーティン選手の存在については…。

 

 

「非常に体も軽くてポテンシャルも高くて、センスもある。僕はリオでマーティン選手に敗れた事で、さらに火がつきました。だからリオのパラリンピック以降もトライし続けて、一昨年の世界選手権でリベンジを果たし、去年は世界記録も更新できました。でもやっぱり選手にとってパラリンピックはとても重要な舞台。東京では彼もただでは終わらないと思います。」

 


 

佐藤選手は大会最終日の1500メートルでも金メダルを獲得し、世界選手権2種目制覇を達成しました。来年の東京パラリンピックでの、ライバルのマーティン選手との再戦の行方はどうなるのか。金メダルを目指す佐藤選手から、さらに目が離せません。

 

サンデースポーツ2020/サタデースポーツ



※こちらは、2019年11月19日に公開された記事です。内容は公開時のものとなります。

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