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スポーツクライミング 日本代表は男女で金メダルなるか!? 東京オリンピック

2021-07-30 午後 03:50

東京オリンピックの新競技、スポーツクライミング。壁を登る速さを競う「スピード」、課題と呼ばれるコースをいくつ登ったかを競う「ボルダリング」、そして、登った高さを競う「リード」。東京オリンピックは、この3種目の総合成績を争う複合のみが実施されます。

 

順位は、それぞれの種目の順位をかけ算して数の少ない選手が上位となります。クライミングのすべての能力が試される、いわば“キング・オブ・クライマー”決定戦です。

スピード:わずか5秒の勝負

スピードは、高さ15メートル、傾斜角95度とほぼ垂直に立つ壁を使います。すべての大会はホールドと呼ばれる突起物が同じ並びになっている世界共通のルートで実施され、選手たちが壁を駆け上がる姿は、クライミング版の陸上100メートルのようです。

 

2021 クライミング W杯 ソルトレークシティー大会 スピード  野中生萌選手(右)

 

世界記録は、2021年6月末時点で男子が5秒20、女子が6秒96で、日本記録は男子が楢﨑智亜選手の5秒72、女子が野中生萌選手の7秒88です。

ボルダリング:技術・体力・発想力

ボルダリングは、高さ4メートルから5メートルのさまざまな傾斜の壁を使い、少ないトライ数で多くの課題を登り切った選手が上位となります。壁は、手前に大きく反ったオーバーハングや「スラブ」と呼ばれる緩い傾斜など、さまざまな傾斜で設けられ、ホールドは形も大きさも無数の種類があることから、同じ課題は世界に1つとないとも言われます。

 

2021 クライミング W杯 インスブルック大会 ボルダリング 野口啓代選手

 

このため、登る技術やパワー、バランス感覚などに加え、大会で初めて目にする課題を、どのように攻略するかという発想力が大きく問われます。

 

さらに、決勝の競技前に出場選手が一斉に登場して課題を下見するオブザベーションにも注目です。日本語で観察を意味するオブザベーションは、選手たちが課題を見ながらどうやって登るかを考える時間ですが、選手どうしが話すこともできます。

 

 

これから戦うライバルと身ぶり手ぶりを交えながら攻略のポイントを話し合う姿は、競技以前に、互いに助け合って頂点を目指すというクライミングのルーツを思わせるユニークな場面です。

リード:一発勝負、最後の力を振り絞る

リードは、高さ12メートル以上の壁を使い、1回のトライで、どこまで高く登るかを競います。3種目の複合では最後の種目となるため、選手たちは“落ちたら終わり”の緊張感の中で一手でも多く登り続ける持久力と精神力が求められます。

 

2021 リード ジャパンカップ 決勝  野口啓代選手

 

ボルダリングと同様にリードも競技前にオブザベーションの時間が与えられ、リードの壁の最上部は遠く離れていることから、選手たちは双眼鏡を手にホールドの形や距離を確認したり手足の動きをイメージしたりします。

日本代表は男女あわせて4選手

日本からは男女あわせて4人が出場します。

 

楢﨑智亜選手(左)と原田海選手(右)

<男子>
楢﨑智亜選手(25)

2016年世界選手権ボルダリング優勝

2019年世界選手権複合優勝 ボルダリング優勝

原田海選手(22)

2018年世界選手権ボルダリング優勝

2019年世界選手権複合4位

 

野口啓代選手(左)と野中生萌選手(右)

<女子>
野口啓代選手(32)

2019年世界選手権複合2位 ボルダリング2位

野中生萌選手(24)

2016年世界選手権ボルダリング2位

2019年世界選手権複合5位

初代王者へ視界良好 楢﨑智亜

男子の楢﨑智亜選手は、2019年世界選手権の複合を制し、初代オリンピック王者の最有力です。

 

2019 クライミング 世界選手権 複合 決勝 リード 楢﨑智亜選手 

 

身体能力の高さを生かしたダイナミックな動きでボルダリングを得意としますが、スピードでも、ホールドをとばす直線的な登りを追求した「トモアスキップ」と呼ばれる登り方をあみ出すなどスピード専門選手に見劣らないタイムをマーク。リードも安定感がつきました。最初のスピードと次のボルダリングで上位を奪う、先行逃げきり策が金メダルへの理想形です。

勝負強さの原田海  世界的スターにも注目

日本男子でもう1人の代表は、原田海選手。19歳で初出場した世界選手権でボルダリング王者に輝くなど、ここ一番での集中力には自信があります。

 

2019 クライミング 世界選手権 複合  決勝 リード 原田海選手

 

楢﨑選手が「歴代で1番強い」と評する、フリークライミングでも著名なチェコのアダム・オンドラ選手(28)は日本勢の強力なライバルです。

日本のWエース 立ちはだかる絶対女王

女子は、日本が世界に誇る2人のトップクライマーが金メダルを狙います。長年クライミング界をけん引しオリンピックで現役引退を表明している32歳の野口啓代選手と、パワフルな登りが持ち味の野中生萌選手。

 

2019 クライミング 世界選手権 での野口啓代選手(左)と 2016 クライミング 世界選手権での野中生萌選手(右)

 

2人ともボルダリングを得意としますが、次に得意とする種目は野口選手がリード、野中選手がスピードと異なり、クライミングのスタイルも、じわじわと登る野口選手に対しダイナミックな野中選手と、個性の違いにも注目です。

 

2人の前に立ちはだかるのは、スロベニアのヤンヤ・ガンブレット選手(22)。2019年世界選手権では、ボルダリング、リード、複合の3つで頂点に立ちました。日本のWエースとスロベニアの若き女王の勝負の行方は、3人ともに強いボルダリングで誰がトップを奪うのかがカギを握りそうです。

 

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