ストーリーパラスポーツ

初出場で金を目指せ!視覚障害のスキーヤー・高村和人選手

2018-03-05 午後 0:00

競技歴6年、クロスカントリースキーとパイアスロンでパラリンピックに初出場する高村和人選手。

ガイドともに、表彰台に挑む視覚障害のアスリートです。

視覚障害のスキーヤーが挑むクロスカントリースキー・バイアスロン

 

クロスカントリースキーは、「雪原のマラソン」とも言われている競技で、下り、上り、平地が3分の1ずつある長いコースを競います。

視覚障害のカテゴリーでは、ガイドに先導してもらいながら滑ります。

 

高村選手を先導するガイドの藤田さん

 

クロスカントリースキーに射撃を組み合わせた競技がバイアスロン。

一定の距離を滑っては射撃を行い、外すとペナルティとしてタイムが加算されたり、距離が追加され、ペナルティコースを滑らなくてはなりません。

 

 

視覚障害のカテゴリーでは、射撃に「ビーム・ライフル」と呼ばれる電子銃を使います。

ヘッドホンから聴こえる電子音(的の中心に近づくほど、高い音が鳴るシステム)で距離を把握して的を狙います。

「明るい未来が想像できない」そんな高村選手を変えた全盲の恩師

高村選手が目の異変を訴えたのは、小学5年生のとき。次第に視力が落ちていく「網膜色素変性症」と診断されました。

中学に入ると視力は急激に落ち、明るい未来はとても想像できなかったと言います。そんな高村選手に転機が訪れたのは、16歳で通い始めた視覚支援学校での恩師との出会いでした。

全盲であることを感じさせない恩師の姿から、見えなくてもできることはたくさんあること、自分で限界を決めてはいけないことに気付けたと言います。

 

母校で教鞭を取る高村選手

 

その後、恩師の影響から猛勉強を重ねて教員になり、今度は自分が生徒たちにたくさんの可能性があることを知ってもらいたいという思いから、6年前にスキー競技を始めました。

最大の強み、ガイド藤田さんとの信頼関係

 

高村選手の視力は、光の判別ができる程度です。

見えない中でスキーを滑るにあたって、勝利のカギとなるのは、先導して滑るガイドの藤田佑平さんとのコンビネーションです。

急な下り斜面などでは、安全に滑るためにガイドのストックをつかむ「ホールディング」。ここでどれだけスピードを落とさず、タイミングよくつかめるかが問われます。

 

 

転倒の危険もあるなか、恐怖と戦う高村選手のため、藤田さんも丁寧な声掛けを心がけ、高村選手と動きをシンクロさせる努力を重ねます。

高村選手は「危機的な状況の中でもお互いを見捨てず、精いっぱいやってくれている藤田ガイドについていくことが本当の信頼」だと言います。

2人で同じ、悔しい思いやうれしい経験を何度も分かち合ってきたからこそ、芽生えた信頼なのです。

「自らの生き方で伝えたい」 競技にかける想い

高村選手が競技を続けるのは、生徒をはじめ、1人でも多くの同じような境遇の人に「自分もやれる」という刺激を与えたいという思いからです。

 

 

自分がスキーで活躍することで、1人でも多くの人に自分も一歩踏み出してみよう、何かに挑戦してみよう、という気持ちを持ってもらうことが、やりがいにつながると言います。

そんな自分の思いを伝えるためには、立ち止まることなく継続して挑み続けることが大切だと考える高村選手。

ピョンチャンパラリンピックでも、結果がどうであれ、最後までやりきりたいと意気込んでいます。



※こちらは、2018年3月5日に公開された記事です。内容は公開時のものとなります。

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