ストーリー相撲

平幕 豊昇龍 偉大な元横綱の背中を追いかけて 大相撲名古屋場所

2021-07-15 午前 10:40

取組後、はじけるような笑顔で語った。「うれしいです。これまでとは違いますね」。

 

前頭5枚目・豊昇龍(モンゴル出身、22歳)。11日目に大関・正代を破っての勝ち越しだ。初めて知った人でもプロフィールと顔写真を見れば、ある人物を思い浮かべるのではないだろうか。

 

25回の優勝を果たした元横綱・朝青龍のおいだ。

 

 

豊昇龍が似ているのは顔だけではない。高い身体能力を生かした多彩な取り口とあふれんばかりの闘争心。土俵上の姿も元横綱をほうふつとさせる。

 

 

正代との一番もまさにそんな相撲だった。「しっかり当たって、前に攻めたいと思っていた」

 

 

立ち合いで圧力をかけられ土俵際に追い込まれたが、グッと下半身の強さで両足に力を込めてふんばる。

 

 

そこから一気に前に出ただけでなく、さらに足を絡ませる粘り。最後は寄り倒しで大関を破った。

 

 

「子どものころからテレビで(朝青龍の)相撲を見て、本当にすごい人だと思ってきた。おじに褒めてもらえるように頑張りたい」

 

偉大なおじに認めてもらいたい。土俵上で豊昇龍が勝利への執念を見せる原動力の1つだ。

 

その元横綱も本場所中はおいの相撲が気になっているようだ。頻繁にツイッターを更新。

 

勝ったときには「今相撲見ました。いいんじゃない?がんばれ」。一方、負けた日には「立ち合い全然、まず立ち合い覚えること!」。歯にきぬ着せぬつぶやきが続く。

 

昨夜(14日夜)も更新。今場所の相撲内容に触れたのは初めてだ。「勝ち越し!まずおめでたい。あと勝て!」残り4日間を全勝という熱い激励だ。

 

(記者) 「次の目標は2けた白星か?」

(豊昇龍)「口には出さないですけど、思っていることはあるので、頑張りたい」

 

 

はっきりと示さなかった心の内には、何があるのかはわからない。ただ尊敬し背中を追いかけるおじを感心させることだとしたら、そう簡単なことではないのだろう。真意は何なのか、迫ってみたい。  

 

この記事を書いた人

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坂梨 宏和 記者

平成21年NHK入局 福岡県出身

長崎局、広島局などを経てスポーツニュース部で大相撲を担当。早くコロナが収束し、通常の取材環境になることを願っています。

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