特集 正代 大関のふんばりどころ 大相撲名古屋場所
相撲
2021年7月13日(火) 午前10:30

3日目から3連敗。前半戦から苦しい相撲が続く。大関は大相撲を盛り上げる看板力士。去年秋場所で初優勝し、大関に昇進した正代だが、思うような成績をあげられない場所が続く。春場所は7勝8敗。先場所も9勝。そして今場所も、ここまでは大関にふさわしい成績とはいえない。
7日目の逸ノ城戦は四つに組んで、左上手を取られるとそのまま寄り切られて4敗目を喫した。いいところなく敗れた相撲の後、「前に出て自分の流れで相撲が取れたらなと思う」と元気なく話した。
だが、4勝4敗で迎えた9日目は別人のような取り口だった。新小結の明生に立ち合い、強く当たって押し込むと動き回る相手に対して小手投げ、突き押しと先に、先にと仕掛けていく。
最後は、みずから飛び込むようにして相手を土俵の外に押し出した。勝利へのひたむきさ、必死さが見ている側にも伝わってくる内容だった。
「きょうみたいに対応できて体も動いてくれれば星が伸びてくる。まずは勝ち越しを目指す」
今場所は横綱・白鵬と綱とりの大関・照ノ富士が初日から9連勝と引っ張っている。
10日目、正代の相手は過去、9勝13敗と負け越している関脇・御嶽海。正代にとって、役力士との対戦が多くなるここからがふんばりどころで、そして大関としての力の見せどころでもある。
この記事を書いた人

坂梨 宏和 記者
平成21年NHK入局 福岡県出身
長崎局、広島局などを経てスポーツニュース部。ヤクルト担当。