ストーリー野球

プロ野球 オリックス 福田周平「脅威の粘りで25年ぶりの優勝へ導く」

2021-07-13 午前 10:40

今シーズン、7年ぶりに首位を走るオリックスを引っ張るのが、リーグトップクラスとも言われる「粘る男」。驚異の粘りをみせる1番バッターが、チームを25年ぶりのリーグ制覇に導けるか。(成績は7月12日時点)。

出塁への強い執念

身長1メートル67センチとチームでも小柄で、決してパワーがあるわけではない。そんな福田の最大の持ち味が、塁に出ることに対する執念だ。

 

福田選手

とにかく塁に出ることを追求する。自分が塁に出て、ホームベースを踏むことが勝利につながる。『いやなバッター』と相手に思われるように、嫌らしいことでも何でもやって塁に出ていきたい。

 

出塁するために打席で徹底的に粘る福田。その粘りを可能にしているのが、体が斜めになるほど、軸足に重心を乗せるバッティングフォームだ。ギリギリまでボールを引き寄せて打つため、このフォームにたどり着いた。

 

 

たとえ追い込まれても簡単にはアウトにならない。握りこぶし1つ分、バットを短く持ってシャープなスイングをして、きわどいボールをファウルにするからだ。粘りに粘ってチャンスを待つのが福田のスタイルだ。

1打席で16球も

今シーズン、最も粘ったのが6月6日の中日戦。中日・先発の福谷浩司と対戦した第2打席だった。3球でツーストライクと追い込まれながら、その後、7球連続でファウル。さらに粘り続けて、なんと16球目に、甘いストレートをタイムリーヒットにしとめた。リードを3点に広げて、勝利を引き寄せる一打となった。

 

福田選手

必死に食らいついていて、16球も投げさせたのは覚えていない。厳しいコースのボールが続いていたので、負けないように粘りながら、いつか甘い球がくると信じて、逃さないように意識していた。

 

交流戦優勝の立役者

 

この日の勝利から、オリックスは引き分けを挟んで11連勝。前身の阪急時代以来、37年ぶりの快進撃を果たし、チームは5位から首位に駆け上がった。交流戦で、福田は18試合中17試合に1番で先発出場。交流戦の出塁率は5割ちょうどと、12球団トップの成績をマークした。1番・福田の活躍で、オリックスは交流戦優勝を果たし、7年ぶりに首位に立った。

背中を押した監督のことば

 

実は4年目の今シーズン、決して順風満帆のスタートではなかった。ことしのキャンプで、福田は出場機会を増やすため、本来のセカンドから、未経験のセンターへのコンバートを決断した。3月の開幕は1軍で迎えたものの、わすか2試合で2軍に落とされた。それから1か月半、1軍昇格のチャンスは巡ってこなかったが、福田は腐ることなく、闘争心を燃やし続けてきた。背中を押したのが中嶋聡監督のひと言だった。

福田選手

開幕後に1軍を抹消になったとき、監督室に呼ばれて、中嶋監督から『いつかおまえの力が必要なときがくるから、そこまでしっかり準備をしてくれ』と言われて、そのことばを思い出すことでネガティブにならなかった。中嶋監督は調子が悪い選手にすぐに声をかけ、1人にしない。それに選手たちも勇気づけられている。

 

25年ぶり 悲願の優勝へ

12球団で最も優勝から遠ざかっているオリックスは平成8年以来、25年ぶりのパ・リーグ制覇を目指している。

 

 

昨シーズンまで2年連続最下位のチームにとっては大きな挑戦だが、中嶋監督の気配りのもと、選手にはこれまでのような悲壮感はないという。悲願の優勝を手にするために、「何が必要か」と福田に質問すると、力強い答えが返ってきた。

 

福田選手

今までよりもチームとして明るいし、みんなも迷いなくバットを振れている。自分自身もしっかり準備をして試合に臨むことで、落ち着いてボールを見ることができていて、それがいい結果につながっている。まずは気負わないことを心がけたい。

 

 

この記事を書いた人

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伊東 健 記者

平成23年NHK入局。

神奈川県出身。福岡局や京都局を経て、大阪局スポーツでオリックスを担当。早稲田大学ラグビー部OBで、W杯で活躍した山中亮平選手と同期。ラグビーで培った突破力を取材で生かす。

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